26日、タイミーが東証グロースに上場した。初値は公開価格の1450円を27.59%上回る1850円を付け、1650円で引けた。“スキマバイト”サービス「タイミー」を2018年8月に始めた。有料職業紹介事業として、770万人の求職者(ワーカー)の「働きたい時間」と25万4000拠点の雇用主(クライアント)の「働いてほしい時間」をプラットフォーム上でマッチングさせる。就労に際して面接や履歴書は要求されず、報酬は即日入金される。小川嶺代表と八木智昭CFOが東京都内で上場会見を行った。

―初値に対する感想を
八木CFO:株価については、個人投資家も機関投資家もたくさんいて、その人たちが実際に株価を決めている。今日もまだ締まってはいないが、初値も終値も真摯に受け止めて事業に邁進し、タイミーの株価が中長期的に見て上がっていくように精進していきたい。
―このタイミングで上場した理由や狙いは
小川代表:タイミーは2018年から一貫した高成長を実現してきた。そのなかで上場準備を長らく行ってきていつでも上場できる体制を作ってきた。直近2期が黒字化して、しっかりと成長し、自分たちの目標に到達できたので、このタイミングで上場する意思決定を行った。
―新株を発行せずに売り出しのみを実施した理由は
八木CFO:当社は、これまで順調に利益率を改善してきており、2022年10月期に初めて黒字化して、その後も安定して黒字を出している。事業上必要な資金はエクイティ調達のみならず、資金使途に応じて調達手段の多様化を図っている。最適な手段を取捨選択して実行に移している。
現時点での当社の成長戦略にもある通り、エクイティでの資金調達が必要な多額の投資は今のところ想定していないので、今回の上場に際しては売り出しのみで新規の公募調達はしなかった。
―海外機関投資家からの反応はどのようなものだったのか
小川代表:上場前に香港とシンガポール、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコと様々な場所に実際に行き、海外の投資家とミーティングを行ってきた。スポットバイト、“スキマバイト”は世界でも初めての上場であり、「何を参考にすればいいかわからない」と言われることも多かった。しかし、UberやAirbnbと同じように、プラットフォームビジネスとして高い成長率があり、日本の労働マーケットは大きな課題を抱えており、今後も注目をしているマーケットであることも踏まえて、タイミーには期待しているという声を得られた。非常に興味を持ってもらえている。
■稼働率は1番
―競合環境の激化が予想されるなかでのタイミーの優位性や強みについて
3点ある。1つめが稼働率で、“スキマバイト”は、どんな手数料でやろうが、しっかり人が集まらないと何の意味もないので、タイミーが1番高い稼働率を実現し続けるのが1番重要な点であると考えている。
2つめが、良い働きぶりの人がマッチングするかどうかという点で、高い稼働率だからこそ評価制度をしっかり整えて、コツコツと頑張っている人がしっかりと報われていく世界を作るという信念に基づいて、評価やバッジ機能を導入していることが自分たちとしては非常に重要なものだと捉えている。
3つめはサポート体制で、1000人を超える従業員、600人近くの営業人員で、全国に14拠点を設けて、BPR(Business Process Re-Engineering)で、なるべく拠点に赴き、どこだったらタイミーが使えるのか、どんな課題を抱えているのかをヒアリングしながら、労働環境の改善に、自分たちも伴走する。この3つを高いレベルで行うことは、他社がそれほど簡単に真似できない。
―メルカリやほかにもいろいろなところも参入しているが、手数料の価格競争のようなことが始まってくるのではないか。その部分について今後どうしていくのか
競合環境が激化してきていると考えている。2018年から起業しており、今までも競合が十分にいた。開示している通り、手数料は30%をキープしながら事業成長ができた。30%に勝る提供価値を提供できているのではないか。
具体的には人が集まる、いい働きぶりの人が来る。また、しっかりサポート体制があるところが価格に転嫁されているで、値段を一気に下げていくというわけではなく、クオリティをより高めていく。自分たちにしか出せないバリューは何なのか考えていきたいので、手数料に関しては、もちろん何が起こるかわからないが、どんどん下げていくことを今発表することはない。
―最低賃金引き上げの議論が進んでいる状況だが、賃金報酬の3割ほどの手数料を得るビジネスモデルのタイミーにとって、最低賃金の引き上げが与える影響を、今後の流れを含めてどう見ているのか
最低賃金の50円アップの話が今されているが、基本的には当社のビジネスに対してはプラスと考えている。当社のプライシングは、流通総額、給与総額プラス交通費になっており、そこに30%を掛けているので、最低賃金が上がっていけば、タイミーの流通総額も基本的には上がっていく。
一方で、100%がメリットかというと、最低賃金が上がっていくと、企業としてはコストが上がっていくので、タイミーにプラスというよりは、関係するステークホルダー皆がwin-winになるような形にしていきたい。
―メルカリが競合として参入した際には、小川社長もSNSなどで反応していたと思う。当時の担当者が小川社長に、宣戦布告ではないが、直接参入するというコミュニケーションを取ったようなことがあったと聞いている。ユーザーを抱えている、金融の財布を持っているような会社が参入するというのをその時どう感じたのか、また、今回優位性に関して語り、ダウンロード数だけではない稼働率について話したが、その時と今との感情の変化、自信のほどについて聞きたい
自分の口からメルカリという言葉を出さないようにしていたが、メルカリハロとの衝突というか競争環境の激化で、多くのメディアに書いてもらったところもあるが、宣戦布告を受けた覚えはあまりない。自分たちが最初のリリースを見た時にどう思ったかと言うと、自分たちとしては、“スキマバイト”のみをやっていて、かつ“働くことにより彩りを持たせる”ことをミッションに掲げて活動している。
しかしながら、メルカリはフリマのマーケットであり、子会社としてこのような業界に入ってきているので、明らかに思想が違う。自分たちとしては、働く彩りをどう作っていくのかを日本全国に営業部隊を設けながら積極的な投資を行っていきたいので、あのリリースを見た時に、楽しみだというかわくわくするというか、マーケット自体に多くのプレイヤーが入ってくるなかで、このように取り上げられる機会が増えてくるので、スポットバイトの業界が膨らむことは非常に喜ばしい。これからもリクルートが参入してくると言われているので、自分たちがナンバーワンであり続けることにコミットしていきたい。
メルカリがリリースしてから数ヵ月経っている状況で、そのなかで今回このようなIPOを、業績をしっかりと出しながらできたことで、決して手数料だけではないことを一定程度証明できた。今後も積極的な投資を行い、ほかのサービスにない機能や提言を「やっぱりタイミーだから作れるんだね」ということを実現していきたい。
プライドとしても、自分たちはこれを祖業としていて、簡単に負けるわけにはいかないので、しっかりと切磋琢磨していきたい。
―BPRの将来的な外販の可能性について
今のところは考えていない。タイミーの導入費用は無料で、月額費用がかからないサービスになっている。こういうところの伴奏を丁寧にやり切ることによって、競合他社との差別化になるので、競合が激化してくるなかでも、タイミーとしてはBPRを日本1しっかり極めていくことが、非常に重要な競合戦略なので、有料化していくことは今のところ考えていない。
■フィンテック領域への関心
―タイミーは給料が銀行口座に振り込まれる形になっているだろうが、メルカリもやっているような、フィンテック的な、振り込まれたものを使う手段、決済であったり、働き手の就労実績や働きぶりを一定の与信に使える気もするが、金融関係への展開について考えを聞きたい
八木CFO:タイミーの今やっているビジネスとかなり親和性がある。実際、タイミーでは、“即金”というところで、働いた後にワーカーの求めに応じて即日に支払いをしているし、働いているデータがどんどん蓄積されているので、かなり親和性が高い。社内でもこれについては中長期的な戦略の1つとして検討していきたい。
今どうかというと、マーケットも、競争優位性もよりしっかり地盤固めをして、ワーカーと企業の顧客基盤をしっかり増やして、その後に蓄積されたデータを使っていろいろなサービスを展開していきたい。フィンテックビジネスをすぐやるというよりは、長い目で見てプライオリティに基づいて取捨選択していきたい。
―フィンテックに関する質問でもあったが確認したい。メルカリやリクルートもデジタル給与払いの導入を検討している。タイミーはどうか
取り組みについて個別具体的な回答はできないが、基本的には親和性がかなり高いので、ビジネスとしてタイミーが全くやらないほうが良いというものではない。基本的なリサーチもそうだし、今のタイミーを使っているユーザーがどのぐらい使いたいのか、そういったニーズのヒアリングもそうだし、それに関してはプレスリリースもしている。そういった周辺のリサーチは順次進めている。
おそらくデジタル給与のライセンス自体もまだ出ていないところで、業界環境や、実際にそれを使いたいとかトレンドを含めてウォッチして、タイミーのビジネスとして着手できる地盤固めや体制は、しっかりやっていきたい。
―デジタル給与払いについて、日本の特定の地域で、何日間か給与のデジタル払いの実証実験をしたという話があった。今リサーチ中とのことだが、実現可能性の見通しは。メルカリの場合はメルペイなどの経済圏のなかで使ってもらいたいという狙いもある印象だが、タイミーの場合、そういう話とは性質が違ってくる気がするので、デジタル給与はどのような位置付けとなるのか
当社とは関係なく全体的には給与自体はどこまで浸透するか分からないが、徐々にデジタル化していき、その流れは止められないのではないか。そのスピード自体は引き続きウォッチしていきたい。
タイミーについては、金融を持っている会社が“スキマバイト”に入ってくるのとは違って、そもそも祖業が“スキマバイト”なので、当社の経済圏を使ってというものではないので、その意味で言うと、タイミーがデジタル給与を自分たちでやるというパターンと、あとは、既にデジタル給与や、いわゆる資金移動をやっている会社と組む可能性もある。どちらも選択肢としてはある。
当社の目的として何を達成したいのかという点では、ユーザー、働き手も企業も、より使いやすくなるとか、よりシームレスにいろいろなことができるという話が実現できれば、それが自社の経済圏なのか、他社と一緒にやるのかどうか、それぞれ善し悪しがあるのではないか。
―いずれにしてもユーザーサイドに寄り添った使いやすいプロダクトになり続ける方向ではある
その1つとして自社でやるのかそうでないのかは、いろいろなことを考慮しながら決めていきたい。
―ビジネスモデルとして就労時間に制限があるとのことだが、業務の切り出しにある程度天井というか限界があるイメージだが、今後の話としてどういうものになるのか
天井もそうだが、切り出しの内容がより重要になってくる。「1回来た人だけができるものとなると、この業務1つだけだよね」となる。何回もリピートして働いている人であれば、「1つだけでなくて2つ合わせたものも任せられるよね」となってくるので、時間制限によって業務がというよりは、1番簡単なものであれば今でもできるけど、よりリピートすることによって、業務自体がどんどん付加されてくる意味合いのほうが強い。
―業務の提示の仕方によるところで、利用の仕方は、皆にどんどん使ってもらえるものを継続できる形になっている
そうだ。
―競合環境が変化するなかでの今後の事業戦略や、新規事業の展開、M&Aなどの計画は
小川代表:事業成長に関しては、3つの柱がある。新規事業としては、タイミートラベルやタイミーキャリアプラスという事業、タイミーのデータアセットを用いた新規事業を作ってきている。このアセットが物凄く強味になっているので、データを使いながら今後もアグレッシブに新規事業を作っていきたい。M&Aなどもあるので、あまり手段を限定せず、しっかりと成長曲線を維持していくことを実現していきたい。
■”赤提灯”モデルの成功
―タイミーの主要な顧客である物流、飲食、小売における今後の展開について
小川代表:3つの戦略も、物流、小売、飲食に根付いて立てているので、既存の企業の成功体験を作って、より全拠点で使ってもらう。また全てのエリアに広げていく。あとはプロダクトを用いて、より難易度の高い業務をタイミーに任せてもらうことが非常に重要だと考えている。
(東京・新橋にあるタイミーのワーカーのみで運営する)「THE赤提灯」という居酒屋があり、タイミーだけで回すことができる時代になっている。初めて来た人でもできるようにマニュアルをしっかりと完備し、事前に動画マニュアルを作って見てもらう。
また、どの部分の業務をどのレベルの人にやってもらうか切り分けることによって、飲食店であれば飲食接客経験が1年以上ある人限定であったり、いくつかの業務を絞った求人を出すことによって、「THE赤提灯」のようなモデルが成功している。
「THE赤提灯」はタイミーが主体的にやっているものだが、ほかにも、店長以外は全てタイミーのワーカーで運営している企業もある。これまでの求人媒体だけでは人が集まらなくなってきているなかで、新しい働き方をどう取り入れていくのかが、企業において非常に重要な経営課題になってきている。今後も多くの経営者と人材獲得手段について対話を進めていきたい。
―アルバイトスタッフがタイミーワーカーのみで運営している居酒屋「THE赤提灯」の成果と今後の展開について
勢い余って重なったことを言ってしまったが、「THE赤提灯」も、ぜひ皆さん食べに来てもらえれば嬉しい。新橋駅の入口のほうに店舗を構えており、客単価4000~5000円ぐらいの居酒屋になっている。自分も行く時は週1ぐらいで行って、実際に食事をしてそこで働いたこともある。誰でも働ける環境を作れている。
タイミーを取材してもらうなかで、自分でも体験してもらうのが、経営者自身もやっているし、そうすることが1番分かりやすいので、そんな体験ができるような場としても、今後もできればいろいろなところに、「THE赤提灯」のようなモデルを作っていきたい。
■仕事を切り分ける
―物流業界との協業や今後の展開について
2024年問題は実際多く起きている。トラックドライバーが運転のみに集中できる環境は非常に重要になってきている。荷役分離で、今までドライバーが荷積みを行って、運転をして荷下ろしをしていたが、荷積みと荷下ろしの部分をタイミーワーカーで実現する“スキマバイト”、朝7時から8時半の1時間半だけ求人を出してもらい、その時間だけ荷積みをすることが実現できている。
これによってトラックドライバーの残業時間や労働環境も改善できている。今後も、業界に根付きながらやっていくことは非常に重要だ。先日センコーと、業務提携を発表したが、「センコーとしても未来の倉庫を作っていくんだ」という杉本健司社長の思いがあり、自分たちとしてもそこにぜひ伴走したい。
これから人手が足りなくなってくる日本において、より働きやすい、残業は一切ない、地域の人が働きに行きやすい倉庫を作ることによって、これからの課題も大きく乗り越えていける。ロボティクスだけでない、かつロボティクスは導入費用が多くかかるので、労働環境の改善というソリューションとして、タイミーを今後あらゆる業界に根付かせていきたい。
―そのような荷役の部分を“スキマバイト”のワーカーが担って、それによってドライバーの負荷軽減や作業時間の短縮で効果を上げていると見ているのか、また、今後さらにその効果を広げていけるのか
現時点では既に事例がある。社名は伏せて、個別でまた話せたらと思うが、タイミーワーカーをどこで活用してもらえるかを現場の人に聞き、拠点単位ではあるが、実際に残業時間が減った事例も出ている。物流業界としては非常に重要な部分なので、今後もしっかり強化していきたい。このような数値をしっかりと業界に発信していきたい。
―タイミーにおける介護業界の重要性や成長可能性、今後の事業展望や課題について
各業界に特化した専門チームを配置しており、介護に関しても専門チームがいる。タイミーには介護の有資格者が約23万人登録している。潜在介護士が隙間時間を用いて介護施設、人手に困っている介護施設に働きに行く、そこで働いてみようかなと長期雇用につながっていく、そんなことが実現できている。タイミーとしては、有資格者のマッチングにも幅広く着手していきたい。
介護施設1つとっても、全てを有資格者がやらなくてもいい。有資格者が本当にやらなくてはならないのは何なのかしっかりBPRしていくことが非常に重要で、専門部隊が実際に現地に赴き、「ここはタイミーワーカーで清掃をすれば良いのではないか」、「ここは有資格者でなければ難しい」「ここは正社員でなければ難しい」ということで伴走していきたい。
―インバウンドが伸びているが観光業界の人手不足がその成長の足かせになりかねないと言われている。観光・宿泊業界での取り組みについて教えてほしい
物流・小売・飲食に次ぐインダストリーとして観光・ホテル・旅館業界を捉えている。年間成長率としても非常に高い率をキープできている。旅館などでは高齢化がけっこう進んでいることと、アクセスもそこまで良くないことで、人手がなかなか集まらない点に大きな課題を感じており、そういう声を聞く機会がある。
例えば、温泉旅館の組合や、エリアとして共同でセミナーなどを行ってもらい、エリアでどうやって人手を確保していくのかという話をしたり、賄いや、働きに来てくれた人に「お風呂に入っていいよ」というような特典を付けたりして、求人に魅力付けをするという取り組みなどでコラボしている。観光業界においては、非常に重要な機能を担っていける。インバウンドで今後も加速していく業界だと見てチームをしっかり組成しているので、サポートしていきたい。
■現場体験を続ける
―今後の採用戦略や人材獲得の方針について
2年ほど前の従業員数は約300人で、今は1000人になっている。今後も採用を強化していきたい。カスタマーサポートを24時間しっかりやっていくということもそうだし、働き手と企業の数が増えれば増えるほど、サポートが重要になってくる。
営業体制についても、14拠点のメンバーを拡充していく。プロダクト戦略が基軸になっているので、エンジニアリングメンバーの採用も強化していきたい。
―小川代表自身が年に1回タイミングを使って働いているとのことだが、使ってみて、タイミーのアプリは、100点満点で自己採点すると、何点ぐらいで、今後どの辺を改善・強化していきたいのか。機能面やUI/UX、レスポンスなどいろいろあるだろう。また、上場後も年1回タイミーを使って働き続けるのか
毎年働くなかでサービスは順調に進化をして、順調に推移しているが、60点ぐらい。ちょっと高くつけたかもしれないが。
だいぶ使いやすくなってきている。リロードの時間など細かいところもそうだが、即金体験や、出勤の仕方などが改善を積み重ねている。徐々に使いやすくなっていると思う。
残り40点は何なのか。自分が多くアルバイトをしてきたなかで、通常のアルバイトとタイミーは何が違うのか考えると、“バイト友達”みたいな考え方だろう。アルバイト経験のある皆さんは、何となく仲良くなって一緒にごはんに行ったりすることもあるだろうが、タイミーは1回ごとにマッチングがあるので、通常のアルバイトに比べて友達が若干作りづらい。
むしろ友達を作りたくないという人もいるので、自由に働ける、しがらみなく働けることにメリットを感じている人もいるだろうが、いやらしくない形で自然につながっていく形、「〇〇さんがまた同じ現場にいるんだ」というような帰属意識のようなものを感じながら働けるほうが、働く豊かさはできるので、そんなコミュニティ的な機能を将来的には作っていきたい。
上場後も年1回働くかについては、ここでコミットするとあと60年ぐらい働かなければならない可能性が出てくるので、それは難しいと思いながらも、タイミーという会社は日本のインフラを作っていく点が非常に重要なので、少なくとも5年間は働き続けたいとここで宣言したい。
これからも業種が増えていくだろう。いろいろな業種で自分も実際に現場体験を行って、よりクリアな戦略・戦術を出せるようにしていきたいので、ぜひ取材してもらいたい。
―プロダクト開発の方向性について、尖らせていきたいとのことだが、ワーカー同士の交流について、SNSのようなものを想定しているのか、それとも違うものなのか
八木CFO:具体的な検討や実験はやっていないので、手段としては特段何かこれというのはない状況だ。
■いろいろな仕事にアクセス
―将来的に働き方のインフラになっていくとのことだが、いわゆる社会のセーフティネット的なものにもなっていくイメージがあるのか、それともまた別の世界観を打ち出していけるのか
具体的に絞る必要はあまりないが、セーフティネットとなると、なるべくネガティブをなくすみたいな、少し後ろ向きなところになると見ている。それはそれで重要だが、タイミーはタグライン(企業や商品の価値を短く言い表す言葉)として「はたらくに“彩り”を。」なので、よりポジティブに、プラス面を打ち出している。
それが翻ってセーフティネット的な意味合いもあるかもしれないが、どちらもしっかり取り組んでいきたい。タイミーはいろいろな仕事にアクセスできて、今までは障壁があったものを取り外して、好きな時間にどの仕事でも誰でもできる世界を作りたい。
―流通総額や売り上げなど、何かしらの数値目標、何年にどのぐらいというものがあれば教えて欲しい
将来的な数値目標については6月21日と上場時のプレスリリースで、決算概要で開示している主に損益計算書の目標数値や売上高、利益となっている。流通総額について目標数値は開示していないが、手数料から割り戻すと大体同じになる。中長期については、このタイミングでは中計などは発表してないが、引き続き高い成長を維持できるように、チーム全体で全力投球をしていきたい。
―2024年10月期が40億円程度の予想で前期比109%増とのことだが、この伸び方は一過性のものなのか。事業構造上、同程度の成長が望めるものなのか
基本的にはトップラインが伸びて、コストも変動的なもの、大きなものはないので、利益は安定して増えていくと見ている。
成長率については、売上の成長率が徐々に高まってくるので、利益率が上がっていくところで、利益の成長率自体は徐々には減っていく一方で、額としては増えていくイメージだ。
―爆発的な伸びというよりは安定して着実にか
その通りだ。
―109%増の背景について、スポット的に何かあったのか
利益率の改善も大きい。去年の営業利益率が12%程度だったので、利益率の改善も相まっている。黒字化してまだ2年で、低い段階なので利益率の改善自体の幅も大きい。
―上場後のファイナンス戦略は
資金使途と実際の投資の目的に照らしてデットやエクイティ、その他の調達手段を使い分けてファイナンスを組み立てていこうと考えている。それぞれ外部環境も含めて、総合的な観点を含めてファイナンスをやっていくのが、今の戦略になっている。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]
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