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上場会見:AlbaLink<5537>、空き家市場は余地あり、AI・DXも味方に

15日、AlbaLinkが東証グロース市場に上場した。公開価格の1300円を42.31%上回る1850円の初値を付け、1755円で引けた。河田憲二代表が東京証券取引所で上場会見を行った。

賃貸マーケットについて説明する河田代表

―初値の受け止めは
良くも悪くもなく、ありがたい評価。株価に、一喜一憂せず事業に集中していきたいと思っていたため、初日は一旦この程度に落ち着いたと、金額をフラットに受け止めている。嬉しさや喜びについては、まだそこまで実感もなく、上場をやり切ったことに対して、嬉しいといったこともそこまでない。ただ、社員や関わってくれた人たちから、祝福の言葉をもらったり、皆さんが笑顔になってくれたことや、現場にも負荷はかかっていたため、まずはやり切れてよかったという安堵感はある。一方で、ここからが勝負のため、明日からしっかりやっていきたい。

―上場のタイミングと、東証グロースへの再上場の理由について
時期について意味はない。2020年末にIPOを考え始め、最短でグロース市場に上場しようと話をして、準備をスタートした。当時の実力からすると、まずはTOKYO PRO Market市場に上場し、先に信頼を勝ち取り、ステップアップでグロース市場に行くことが合理的と判断した。TOKYO PRO Market市場から、また次を最短で目指した際に今の時期となり、予定をずらさずに進めてこられた。

―人口減少で空き家が増えるため供給は問題ないと思うが、需要も減るのではないか
人口が減ることによって空き家が増え、それが相続の増加を招き、さらに空き家が増えるため、供給側は間違いなく問題ない。需要については、当社の場合、個人投資家に販売している。投資家がどういう目的で購入するかというと、資産形成のためだ。不動産の賃貸物件として収益化する目論見で購入している。したがって、我々のビジネスの足を支えているのは、現状賃貸マーケットと言える。

賃貸市場の対象は、現在約5500万世帯あり、そのなかで年収が200~500万円程度で住宅ローンが組めない地方の人たちが、統計上約504万世帯存在する。これに対し、当社が2024年に販売した数が1200件ぐらい。今期は、2500~3000件程度で着地する見込みだ。いずれにしても、割合は0.025~0.05%ぐらいのため、仮に当社から販売するものが全て賃貸だったとしても、市場は十分に大きく拡大余地があると認識している。加えて、戸建賃貸市場における競争優位性は、普通のアパートと比べると高い。駐車場付きで、広さが70~80平米、3~4部屋ある物件は、地方でも強い競争力を持っている。そのため、購入の面でも問題ないと捉えている。

―業績が好調だが、要因は
伸びている理由は、市場の大きさに対してサービスが行き届いていないことと、日本でそのサービスをしているプレーヤーがいなかったことが一番大きい。その穴を埋めていったことで、我々は成長できた。社内で言えば、組織を順調に拡大し、大きなクラッシュもなく成長を継続できている点が要因だ。

市場環境的にはまだ拡大余地があり、サービスを増やしていけば自ずと数字は伸びる。だが、このスピード感で成長できているのは、適切な反響数やリード数を供給しつつ、それを確実に受け止められる組織の成長ができているからだ。当社はこの両軸を丁寧に育ててきた結果、支店数を着実に伸ばし、採用も再現性が高く、育成までをスムーズに行えている。結論として、外的要因は良好な市場環境、そして内的要因は、組織がしっかり形成できていて、サービスを確実に提供できていることと言える。

―事業における各店舗の役割についてどう考えているか
まず、我々のビジネスは、不動産という資産を預かり、次に使う人に継承していくことだと捉えている。例えば、宮崎の空き家を販売・売却したいと思っている顧客に対し、東京から遠隔で電話のみでやり取りして、金額100万円と見積もりを返すのと、現地でしっかり物件を見て、この物件はこういう理由でこういう状況であると査定した結果、金額100万円と見積もるのでは、意味合いが変わってくる。顧客と膝を突き合わせ、顔を合わせて話をし、当社のことも信用してもらい、それらの思いも含めて継承していくことが、各支店の持つ役割だと考えている。

―支店の出店戦略について
外的要因と内的要因の2つの観点がある。外的なことでは、最初に我々は関東に出店し、次に大阪と東名阪で順に出し、福岡に支店を構えた。関東に出した一番の要因はマネジメントの観点であり、東京の近隣である千葉に出店し、大宮、横浜と隣接する都道府県へ展開した。こうすることで、人員を送りやすく、土地勘も活かせるため、支店ビジネスが成り立つかどうかを検証した。

次に、東名阪に出した理由は、我々のビジネスでは、アポイントメントを取り直接話すことを重視しているため、マーケティングの視点から、面を取りに、距離は多少あるが近隣の4圏域ぐらいに行ける場所ということで選んだ。次のフェーズとして、現在行っているのが、この拠点となる旗艦店から、東京と同様にマネジメントのしやすさから、大阪であれば京都、神戸、福岡であれば熊本をまず出し、次に鹿児島という考え方で進めている。

出店の細かい順番に関しては、社内にその地域にゆかりのあるメンバーがいるか、社内で手を挙げるメンバーがいるかといった内部事情も考慮しながら、調整している。

―2026年の出店計画と出店以外の投資の予定について
出店は10支店を検討している。当然、支店を出せば人材も必要となり、人材や採用、教育費に予算を計上する。また、すでに取り組みを始めているが、営業人員が営業以外の業務に費やす時間をどれだけ減らせるかが、生産性に大きく影響すると考えている。書類作成や細かい事務作業、査定などは、AIやDXの力を活用することで、自動化・効率化・省人化が可能だと想定している。投資の回収にはおそらく年単位の時間がかかるが、費用は惜しまずにできるだけ早い段階で実行したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 紫乃]

 

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