27日、NSグループが東証プライム市場に上場した。公開価格の1480円を5.0%下回る1406円の初値を付け、1274円で引けた。大塚孝之社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値の受け止めは
証券会社に行って価格が付くのを見た。その後の価格も少し軟調だ。株価はマーケットの評価でもあるので、真摯に受けとめる。役員それから社員一丸となって、業務に邁進して企業価値を上げていきたい。投資家に向けて情報開示をしっかりと行って、皆から信頼されるような企業になりたいと改めて感じた。
―このタイミングで上場した理由は
2021年にベインキャピタルが資本参加し、(株式を)51%取得してもらった。その間上場に向けて準備してきた。ガバナンスの体制や収益力の向上が、一定の目的を達成できたため、このタイミングで上場した。
―上場の狙いは
30年前にはなかった業界でもあるので、上場によって知名度が向上するなかでの人材の獲得と、財務基盤の安定が1番大きな目的だ。
―連帯保証人として企業が成り手になると、信用力は課題だったのか
そうだ。マーケットは1995年頃からスタートしているが、最初の約10年間はほとんど知られていなかった。信用力は大切なファクターだと理解している。
―今後も少子高齢化や外国人増加で保証人が必要になるケースがあり、NSグループのビジネスはまだ成長の余地があるのか
そうだ。居住用と事業用の2つがあり、居住用は外国人や単身世帯向けだ。10月にセーフティネット法案が施行されたが、需給のギャップが日本においての大きな課題なので、事業の成長余地が十分あると考えている。また、家賃債務保証は急成長しているので、まだ伸びる余地があるだろう。
―主力事業で、シェアを十分に取り切れていない顧客層やエリアは
我々のマーケットシェアは事業用と居住用を合わせて10%強だが、まだ拡大の余地がある。収益の7割が関東・関西という大都市圏が中心だ。そこを今以上に強化していきたい。
―新規上場企業として投資家に注目してほしいポイントや中長期の企業価値向上に向けた経営の考えは
株主に対しての関係をしっかりやりながら、特にIT・DXの分野やM&Aで成長に投資していきたい。ITとDXの分野においては、家賃債務保証と賃貸市場がほかの産業に比べるとデジタル化が遅れているのが、機会だと考える。特に強みとしている(領域が)小規模な管理会社で、そのような会社が自社でIT投資をすることはなかなか難しいだろう。我々がしっかりとそこに投資し、管理会社の業務効率が上がり、賃借人にとっての良い顧客体験を提供できるような会社になっていったらいいと思う。
―今後、どのようなところを投資家に対してアピールしたいか
この産業そのものが一般的にはまだ知られていないので、社会的に貢献している事業であることをしっかり伝えていく。また、我々は収益性が高い会社だと理解しており、EBITDAマージンが約42%であることや、配当性向50%以上であることなどを伝え、投資家に信頼されるような企業になっていきたい。
―2027年12月の業績予想の変化率がかなり高い印象だが、この予想の前提は
この産業全体でのマーケット成長率は大体7%だ。我々は約11%の成長を考えており、マーケットの成長を上回るスピードで成長していきたいというのが前提だ。
―異業種とのM&Aとあるが、検討の余地がある事業者はどのようなところか。また、どのようなサービスの充実を目指しているのか
この産業全体がアナログ中心でデジタル化が遅れているので、不動産テックであったり、デジタルを提供しているところに対するM&Aだ。主なところで言えば、家賃債務保証の居住のマーケットに関しては全国で約200社あると言われており、マーケットは現在6%ぐらい成長している。日本全体の産業の成長率から比べれば、少し高い成長率かもしれないが、元々30年前になかったところが成長してきている。今後、M&Aなど業界の再編が少し起こると見ているので、同業と(組む)という2方向で考えている。
―DX化によってサービスがどのように変わるのか
我々の最終顧客は賃借人でいわゆる家を借りる人たちだ。我々の顧客の6割程度が20代、30代だ。その人たちは、普段の生活ではスマホなどを使いながらデジタルの経験をしているが、不動産の取引になってくると、残念ながら紙とFAXが中心だったりする。賃借人から見れば、自分たちが生活で使っているデジタルを、この産業でも使いたいのは普通の流れだと思うので、そういったところに貢献していきたい。
―連帯保証人というと個人のイメージが強いが、こういうサービスが生きる背景は
日本の社会構造の変化が1番大きいと思う。30年前はこの産業がなくて、家を借りるときにはお父さんやおじさんなど親戚の人に、「家を借りるから保証人になってください」というのが普通だった。ただ、現在では、家族の関係が少し希薄化してきている。もう1つは、民法の改正で連帯保証人になるときに、契約書に極度額を明示することが義務になった。今までは「軽くいいですよ」だったのが、「何百万円まで保証しますよ」になってきたので、お願いする側も遠慮してしまったり、ハンコを押す側もそこに対して真剣に考えるようになり、ずいぶん変わってきた。3点目は、高齢者や外国人が増えてくるなかで、そもそも連帯保証人がいないことが、社会的な構造の大きな変化だと思う。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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