24日、PRONIが東証グロース市場に上場した。公開価格の1750円を7.14%上回る1875円の初値を付け、1745円で引けた。柴田大介CEOと小林亮執行役員が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値の受け止めは
小林執行役員:一定の評価が得られた。判断するには時期尚相かもしれないが、適正なプライシングだったのではないか。極端に上がる、あるいは初値が割れると苦しいところだが、どちらでもなかったので、いいところに落ち着いている。
―新規上場企業として、投資家に注目してほしいポイントは
柴田CEO:我々が対峙しているDXやAI、SaaSの市場は、日本でも必ず伸びていく。もう1つ、日本の会社のほとんどが中小企業で、そのうちの8割がDX化をしたいのにできていないが、そのマッチングをできるのが強み、マーケットとしての強みだと考えている。
それを実現することで、中小企業の挑戦を支援して日本経済に貢献するというパーパスを、社員皆が持っているので、そこに注目してもらい、長い目で応援してもらえると大変ありがたい。
―発注会員が24万社を超えるが、どのように開拓してきたのか
我々は、BtoB受発注プラットフォーム「PRONIアイミツ」というサービスサイトを10年以上運営しているので、足元ではそこを経由して、毎月3000~数千件が入ってくる。その10年間の蓄積で、件数も安定している。カテゴリーは例えば、AIに特化したカテゴリーやサイトを作ることで、その新規サイト経由での相談が増えるのもある。
―今年1月にローンチした「AI最強ナビ」の手応えはどうか
別サイトとして運営していて、この1年近くで問い合わせは順調に伸びている。我々は総合型のプラットフォームとして運営しており、そのなかでSaaSもAIも需要が強くなっていると思うが、伸びていくところを切り出すことで、提供できるものが変わってくるので、今後もそういう取り組みは重要と見ている。
―マーケティングに力を入れているのか
例えば、AIに関しては、事例のコンテンツや記事を作っている。リスティング広告は費用対効果が合いやすいので、毎月出稿している。
―DXコンシェルジュは、アウトバウンド営業を行っていないのか。マッチングしたものについてインバウンドで対応し、カスタマーサクセスとしての役割を果たすのみなのか
2パターンあり、1つは問い合わせに対して要件定義をしてそのまま答える。また、例えば、SaaSの管理ツールを導入した発注者に対し、1週間や1ヵ月後に、前回発注に関するフィードバックや、追加発注の有無などを聞き、これをアウトバウンドと定義するかどうかは別として提案する。ただ、対象は我々のプラットフォームを1度使った顧客のみなので、PRONIのことを知らない人たちに対してのアウトバウンド営業はしていない。
―現状、マッチングする案件に関して、DXコンシェルジュの人員が関わっている割合はどの程度か
Webサイト上の質問だけで発注先の候補が2~3個に絞られてしまうカテゴリーは一部ある。そうしたカテゴリーのみは完結しているが、それ以外に関しては基本的に全てDXコンシェルジュが電話でサポートしている。ほぼ入っていると考えてもらってよい。
―PRONIのビジネス拡大に伴い、DXコンシェルジュの稼働がボトルネックになる可能性はあるのか
マッチングシステムを内製で作っており、このシステムの改良に従って、DXコンシェルジュ1人当たりの生産性が、去年から今年にかけて毎月上がっている。DXコンシェルジュ部隊を強くしなければならないのがボトルネックになるかと言えば、なるだろうが、それを超えるぐらいに生産性が上がっている。利益が去年はマイナス3億円から今年はプラスに転じ、来期の見込みで8億円ぐらいまで改善すると想定している。
―長期的に、DXコンシェルジュを削減するなど、人件費周りのコスト構造に手を付ける可能性はあるのか
現時点で考えていない。発注者のニーズには顕在的なものと潜在的なものがあり、潜在需要を引き出せるのは人の力しかないと考えていて、ラストワンマイルで話を直接させてもらうことで聞けるものが多い。世の中全体でDX化が進んでいないのは、そのような背景があると考えている。
80%の企業が「何となくやりたいと思っているが、やり方が分からない」ところに対して、最後はヒアリングをして具体的に要件を定義する。もしくは、「御社と同様の会社は、こういうことをやって経営効率を上げました」という最後の一押しが凄く重要なので、我々の強みとしても、生産性を上げながらどんどん伸ばしていきたい。
また、マッチングシステムについては、商談は基本的にオンラインで行う。例えば、商談を20分ぐらい行った後、昔は、そのDXコンシェルジュが自分の話した内容を、自身でテキストにしてシステムに入力して結果を出していた。どこの会社も営業の履歴を残しているだろうが、我々はAIを使っているので、商談が終われば、その内容が全て自動的にテキスト化され、案件のマッチングはシステムでAIがやってくれる。担当者はそのまま次の商談に行って構わない。
DXコンシェルジュが出す価値は、人と接する部分だけでよくなっているので、1日の商談数も増え、生産性がかなり上がっている。人がテキストを打ち込むとミスもあるし、申請などの手続きもある。そういったものがなくなるので、生産性は今後ずっと上がっていく。
―2~3年後に、マッチング数をどの程度まで増やしていきたいのか
小林執行役員:過去の年次推移を上回っていきたい
―具体的には
柴田CEO:今は開示していない。
―資本参加しているベンチャーキャピタル(VC)の社数がかなり多い。おおむね純投資だろうが、事業会社も入っている。VCをこの程度入れた理由は
VCは全て純投資で、一部、事業シナジーを見込んでごくわずかなポーションで事業会社も入っている。具体的に何かが進んでいるわけではなく、基本的には事業会社も含めて皆、今後はエグジットしていく。
―VCの参加で、資金以外の事業成長に役立った認識はあるか
金融機関系のVCも多く入ってもらっていた。金融機関以外でも顧客の紹介などを受けていた。定例で打ち合わせをして、その場で事業方針に対するアドバイスや、私からも相談しに行くこともあったので、大変助かった。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]
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