27日、セイワホールディングス<523A>が東証グロース市場に上場した。公開価格の1250円を2.40%下回る1220円の初値を付け、1520円で引けた。野見山勇大社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値が公開価格を2%ほど下回り、その後にストップ高という値動きになったが、 受け止めは
価格は市場から判断されるものだと考えているが、しっかり評価してもらい、身が引き締まる思いだ。企業価値を高めて、投資家の期待に応えられるようにしていかなければならない。
―原則は撤退しないとしているが、撤退基準を設けている。16社をM&Aしており、現在の参加企業は14社だが、既に何社か撤退基準に基づいて実施したことはあるのか
過去に撤退している会社数は2社だ。この撤退基準ができる前に1社がグループ間で合併している。撤退基準の策定後に1社を売却している。
―撤退基準のどれに引っかかったのか
井川径成副社長:撤退基準の2(2期連続赤字または3期中2期赤字)と3(必要設備投資控除後の営業利益が3期中2期赤字)、4(事業環境の悪化が高確度で予見)だ。1社については、コロナ禍で事業環境が非常に急速に変化するなかで、メインの顧客が仕事を内製化してしまい、規模も小さい会社だったため、グループ内で合併して事業集約した。もう1社は、撤退基準の2と3(に該当している企業)で、業績的に苦しかった。コロナ禍で顧客の設備投資がかなり冷え込み、グループとして注力していくのはなかなか難しいと判断した。相手を探し、その会社にとっても、そちらのほうがより発展するだろうと考え、決断した。
―2026年5月期の予想はすでに発表済みだが、2027年5月期の成長イメージについて
具体的な数字は、これから事業計画を策定していくので、この場で明確に答えるのは難しいが、既存のグループ会社をそれぞれ成長させていくオーガニック成長と、M&Aによる成長の2つの軸でやっている。投資家の期待に応えられる成長率を達成したいと考えており、そこを含めて事業計画を算定していく。
―上場の目的はなにか
野見山社長:大きく3点ある。1点目は、連続的なM&Aを可能にする経営基盤とブランドイメージの確立だ。2点目は、企業成長を支える経営人材と管理人材の採用育成で、3点目が高成長を支える財務基盤の強化と資金調達力の向上だ。
―年平均で2.7件のM&Aを実施しているが、今後もこの数字を継続していく考えか
当社の事業承継が社会にどれだけ貢献できるかと期待されているのは理解しているので、期待に沿えるようにしっかりやっていく。
―金属や輸送用機械などの領域に取り組んでいるが、どういう領域を取っていきたいか
ニッチで競争力のあるものづくり企業が日本には多くあるので、そういった会社を継続的に譲り受けたい。注力する分野は、グループに今あるところが中心になるという理解で問題ないが、新たな注力市場を拡大していく可能性はある。
―新しい領域とは具体的にはどの辺りを考えているか
ニッチなところだ。
井川副社長:社内では明確にこの領域というのはあるが、事業戦略上、伝えていない部分もある。グループのなかの構成を見て、想像してもらえればと思う。
―技術承継機構<319A>やセレンディップ・ホールディングス<7318>との違いや特徴はなにか
野見山社長:セレンディップHDと技術承継機構は、間違いなく日本のものづくりのロールアップという基盤を作ってきた企業だと認識している。彼らがマーケットをしっかりと作ってきたおかげで、当社もしっかりと正当に投資家から銘柄として認知されるようになってきた。これは好き嫌いの話ではあるとは思うが、彼らは金融系ファンド(出身者)や会計士中心でチームアップをしている。どちらかというと既存のやり方を踏襲し、少しファンド的な感じで運営しているだろうが、我々はがっつりハンズオンで入り込んで、その会社自体を伸ばしにいくところに強みと自信を持っている。結果として、高い利益率とその伸びを実現できていると考えている。
―UntroD野村クロスオーバーインパクトファンド投資事業有限責任組合への親引けや、りそなアセットマネジメントが運用しているファンドの関心表明など、機関投資家からの評価も高かったと思うが、どのように訴求したのか
日本の構造的な社会課題である事業承継について、投資家も解決していかなければならないという思いがあるように感じた。特にクロスオーバーインパクトファンドは、社会的な意義を非常に重要視している機関投資家なので、その辺りの要素があったのではと推察している。
また、りそなを含めた機関投資家は、当社が安定的なトラックレコードをしっかり積み上げてきていることと、製造業のバリューアップでしっかり結果が出て、今後も同じM&Aができるだけの余地やマーケットの成長率があり、それを束ねてバリューアップできることを評価したと推測する。ただ、マーケットのなかでM&Aロールアップの銘柄群ができていると思うが、そこで比較して割安・割高を投資家は見ているのだろう。
―過去2.7件のM&A件数だが、上場したことで市場から資金が調達ができ、もう少し件数を上げていくのか。財務とのバランスを含めて、どのように考えているか
目論見書と成長可能性資料に記載がある通り、市場から資金を調達し、全てをM&A待機資金に充当する。EV/EBITDA5倍の会社を買収する財務規律があるので、逆に言うと、それを5で割ってもらうぐらいのEBITDAは毎年ミニマムで積み上げることになるという推測をしてもらってもいいだろう。
財務に関しては、一定程度整った貸借対照表となってきているので、それを活用しながら成長していく。今回、エクイティでそれなりの比率で調達をしているので、短期的にはあまりエクイティに頼ることなく、借入金を中心とした財務戦略をしていきたい。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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