23日、犬猫生活が東証グロース市場に上場した。公開価格の2990円を17.06%上回る3500円の初値を付け、4200円で引けた。佐藤淳代表が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値の受け止めは
公募価格を上回るスタートで、途中ストップ高まで行ったので、一定の評価をしてもらったと思う。グロース市場に上場したので、いかに成長していくかを株主に伝えることができるかが重要だと思っており、そこがしっかり伝わったと受け止めている。寄付の取り組みなども特殊な仕組みにはなるが、株主にどのような評価をもらえるかは、5分5分で見ていたが、単なる慈善活動ではなく戦略的な投資で、それによって企業が成長していくところを含めて、評価してもらえていると見ている。
―前澤ファンドが筆頭株主だが、上場したことで前澤氏からメッセージやアドバイスはあったのか
前澤氏も愛犬家で、当社の事業に非常に共感をして出資してくれているので、「ここからが本番として日本や世界のワンちゃんと猫ちゃんのために、この後も頑張っていってほしい」といったメッセージをもらった。
―日経平均株価が6万円を超えるなかで上場し、今はAIや半導体などの大型株が注目されていると思うが、中小型の株式にもっと注目してもらうために必要なことはどのようなことか
情報発信が必要ではないかと思う。どうしても中小は一般の投資家から見ると、不安要素が大きくなってしまう部分があるだろう。高い成長性を見込んでいる分、割高に見えてしまう部分はあるので、なぜ高い成長を続けることができるのかをしっかり説明していく必要がある。今、不景気になるかどうか少し怪しいところもあるが、不景気に強く、一度使ってもらうと長い付き合いになるので、業績が安定して積み上がっていく理由があるので、そこをしっかり発信していきたい。
―ペット業界に物価高の影響はどのくらい出ているのか。また、今後の懸案としてはどういったことがあるのか
物価高の影響は、海外産の原料を使っているかや、海外で作っているか、国産の原料を使っているか、国内で作っているかで違う。海外の原料やメーカーは影響を受けていそうだが、我々はどちらも国内だ。とはいえ、原油価格が上がると飼料が上がって、そうすると鶏肉の値段が上がる。一部に影響はあるが、今はそこまでダイレクトには来ていない。国産でリスクを回避できていると思う。今後の懸念は、値段が上がることもあるが、フードを入れるパッケージの原料がなくなって供給が少なくなってしまうことなどを心配している。推移を見守りながらしっかりと供給していくことが大事だ。
―動物病院などのM&Aについて、どれくらいの頻度で考えているのか
現状で具体的に答えられる案件はないが、動物病院も一定の大きなグループ病院にしていかないと、地方で1つ、2つあるだけだと、人の循環がうまく作れない。目指すところは、都市部と地方を含めて、大きなグループ病院を作っていく。例えば、支社がある大手の保険会社などはそうだと思うが、都市部で人を育てて、その後に配置転換で様々な地方を経験する。グループになっていくと、そのような融通が利くようになってくるので、将来的にはそこを目指したい。そのために一定のスピード感を持ってM&Aを進めたい。
―動物福祉の活動について、購買動機として約33%が「保護犬猫活動につながること」とアンケートで回答しているが、これは社長のなかでも高いか、もしくは低いか
33%は現時点ではちょうど狙った位置だ。もう少し財団の活動をPRしていくなかで半々ぐらいになるといいと思う。財団の活動を1つの特徴としているが、商品自体も非常に強みがある。
今、3割は財団から知ってもらって、残りの6~7割の顧客は「商品がいいな」と思って来てくれている。逆にそこからこのような活動もしていることから、深くファンになってくれる。両方ともいいと思うので、長期的には商品から来る顧客が半分、財団から知って商品に興味を持ってもらう顧客も半分を目指す。
―海外に展開しているが、海外でも既に動物福祉を展開しているのか。また、今後の展開は
台湾で寄付は具体的にはまだ行っていないが、やはり形としては現地で活動した分に関しては、現地に返していけるように仕組みを作りたい。台湾で本格的に展開するなかで、そこでどう循環させていくかを考えているところだ。海外ごとにそういった仕組みにできるといい。
―台湾は現地工場で作って展開していると思うが、ほかの国に進出していく場合、そこでも現地生産で展開していくのか
ケースバイケースになると思う。日本から輸出する場合、肉類を使っていると検疫で輸出ができない国がかなり多い。フードに関してはメイドインジャパンではなく、監修を日本として、現地もしくはいくつかの国から作ると、ほかの国へ輸出できる国もあるので、そういった海外の拠点を1つ作ってやっていくと思う。一方、サプリメントなど、肉類を使わない商品は日本で作ったものをそのまま輸出ができるので、商品と地域によってうまくミックスしながら展開していく。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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