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上場会見:ビタブリッドJ<542A>、競わず”プレミアム定番化”で顧客創造

2日、ビタブリッドジャパン<542A>が東証グロース市場に上場した。公開価格の1370円を5.04%下回る1301円の初値を付け、1279円で引けた。大塚博史社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

他社との差別化要素や海外市場について説明する大塚社長

―初値の受け止めは
堂々と公募割れをしているが、刹那的なものはあまり気にしていない。10、20、30年単位か分からないが、ここから長い旅に出る。こういう成長を歩めば、自ずとこういう企業価値になっているだろうというイメージで進んでいる。もちろん市場の温度感を厳粛にしっかりと受け止めているが、全くもって焦っていない。

―IPOの目的は
(上場を)考え始めたきっかけはコロナ禍だ。社員もたくさんいたし、顧客もいたし、盤石な財務基盤は経営していく上では必須だと(感じたのと)、作っていきたい商品が山ほどあった。この両方を実現するために、資金調達をしていく必要があった。

一方、我々は東証プライム企業のベクトル<6058>というPR会社のグループ会社だった。資金調達をしようと思っても、PR会社としてのステークホルダーが集まったなかだと、「なんでD2Cのヘルスケアにお金を出すのか」ということになるため、資金調達手段が限定されていた。大きいことを実現しようと思ったときに、自由な資金調達手段が必要だし、財務基盤の盤石化と研究開発をやっていくために必要だった。資金調達の手段として、より種類が増えるのが、IPOだと判断した。

―株主還元の方針について
しばらくは事業を成長させ、株価を上げていくことによって株主に対しての還元を実現したい。配当よりは時価総額を上げていくことを考えている。株主優待は間違いなくやる。我々の商品が2Cの商品で、ヘルスケアやウェルネスケアという株主と相性の良い商材がたくさん集まっている。また、D2Cという通販の仕組みと優待の仕組みが相性が良いので、我々ならではの株主優待のかたちで株主に一部応えることができたらと思う。

―2026年2月期の売上に占めるターミナリアファースト(機能性表示食品)の割合は
7割前後だ。前年同期より比率は少し下がったが、大きくは変わらない。

―累計の会員数は270万人だが、ターミナリアファーストの定期顧客はおよそ何人ぐらいか
公開情報ではないので、この場では言えないが、2ケタ万人の規模だ。

―数年前には30代男性が多いとのことだったが、ターミナリアファーストの既存顧客のボリューム層について
順番で言うと、50、60、40、70代ぐらいだ。平均すると50代中盤から後半ぐらいで、 8割が女性。皆ダイエット目的から入るが、その後は食事を摂る度に必ず出る血糖値スパイクを抑えて、アンチエイジング効果のようなものも求めて買っている。最近、一部の人はリベルサスとかマンジャロを好むが、そういう考え方ではない別の顧客が集まっている。

―ターミナリアファーストの戦略は違う世代にアプローチしていくのか、それとも既存のボリューム層でさらに増やしていくのか
後者寄りだ。マーケティングするときに、デモグラフィックで切って実施することがあまりない。どちらかというと定性的なニーズを持っている顧客にしっかりと当てていきたいということだ。ターミナリアファーストは日本のダイエット総市場で3年連続1番売れている商品で、 認知度は20%もない。高橋麻朝さんを入れると、ようやく二十数%になるが、まだまだ全然知られていないし、手に取ってもらえていない。今後そこもしっかりと進めていって、顧客に喜んでもらえるように増やしていきたい。

―D2Cで広めていくために、どのような方法でPRしていくのか
基本的には今の活動がベースになるだろう。認知自体はあまりいらない。100人中100人が知っているが誰も買わないよりは、100人中2人しか知らないが、2人とも手に取ってくれるほうが、D2Cにとっては大事なことだ。コスト効率を日々しっかりと見ているが、その場で出会って顧客の問題を共有して手に取りたいと思ってもらえるような通販コミュニケーションを(していきたい)。あまり広告という言い方をしたくなく、通販広告は我々にとっての店舗だ。D2C店舗接客をたくさん続けていくことが基本線だ。

ただし、今の時代に合わせて言うとLLMO(大規模言語モデル最適化)などは外したくない。LLMOのための施策として、様々な媒体で我々の商品を知ってもらうとか、より情報を書かせてもらうことなどはやっていく。店頭という場所は手に取りやすい場所なので、今後広げていく。

―D2Cで利益を確保する手段として、既存顧客の継続率を高めることが大事だと思うが、ターミナリアファーストの継続率は高いのか
非常に高い。前職の経験もあって分かるのは、かなり高水準を維持できていると感じる。

―1年後も継続している顧客は高い水準でいるのか
はい。

―既存顧客とのコミュニケーションを充実させていくのか
事業が成長するほど、売上も利益も大半が既存顧客になってくるため、注力事項だ。ただ、今後新商品が増えていくときには、新規が主になる。ステージに応じて、それぞれ注力していく。

―ほかの商品も伸びているというが、1番手、2番手で伸びている商品はなにか
それはGABAシリーズで、ジャパンプレミアム DHA&EPA+GABAとGABAの2つが伸びている。

―他にもあるか
直近では、アクティブリッチ5という高齢者の歩行機能をサポートする商品が勢いよく伸びている。

―いずれも認知機能や高齢者向けということはシニア層向けの商品ということか
あまり世代で切っていない。例えば、GABAやDHAなどは世代を気にせずに作った。私も飲んでいる。シニア層を取っていくというイメージで作ったわけではなく、ニーズを持っている人々に向けて提供している。だが、指摘通りアクティブリッチ5という歩行機能をサポートする商品は、60ぐらいから70、80代がピークでより必要とされているマーケットなので、上の世代が多い。今後は、基本的には変わらず、世代を切って商品を作るよりも、サイコグラフィックでこういう定性情報や「こういう意識を持った顧客にはこういう商品で解決したい」というものを作っていく。世代バラバラの様々な商品が今後増えていくだろう。

―アクティブリッチ5もGABAシリーズも、競合商品はたくさんあるだろうが、そのなかで差別化して選ばれるポイントは
”プレミアム定番化”というテーマでやっている。市場で平たく並べたときに、高機能であるとか、今までなかったヘルスクレームなど、「私にとってはこれが最適だな」と思ってもらえるようなポジショニングを取っているのが、差別化と競争優位になると思う。個人的にはそもそも競争したくなくて、顧客創造がテーマだ。

私はこの業界に二十数年いるが、二十数年前も「競合がいっぱいいる」とか「レッドオーシャンだ」と言われていた。10年前も5年前も言われていて、永遠にレッドオーシャンだと言われ続けるだろう。顧客創造という考え方でやっていけば、我々はダイエット総市場で超後発だが、ファンケルや富士フイルムなどがいたなかで1番売れる商品になったから、レッドオーシャンといったことはあまり気にしない。最大の最適を求めて、特殊な個性のある商品を作っていけば、自ずと顧客が付いてきてくれるのではないだろうか。規模は追っていない。長く続けることが大事だ。

―2026年2月期の売上高が151億円の見込みという発表をしているが、ターミナリアファーストの比率が少し下がるということは、ほかの商品で売上が伸びるということか
そうだ。ターミナリアファーストはもっといけるが、皆に「お前らは1本足打法だ」 などと言われてしまうので、少し抑えてほかの商品をもう少し増やす。比率は徐々に変わっていくだろう。

―オンライン診療で新しい顧客を取っていくというよりは、ビタブリッドジャパンCシリーズなどの既存顧客向けに、新たなクロスセルを提案していくのか
はい。まずは補足的にそういうかたちで、どうしても我々の商品では応えきれない悩みを解決できるようなことをベースで始める。ここにも夢を持っていて、今後より可能性が広がる製品・サービスがここから生まれてくるだろう。

―海外市場の進出先の選定はどのようにしたのか。また海外をどのように見ているのか
海外をどのように見ているかというと、その国の人たちが喜ぶならやるという感覚だ。最初から海外を見ているというやり方ではなく、むしろ逆だ。何のために仕事をしているかというと、「儲かりたい」や「時価総額を1兆円にしたい」ということよりは、1番最初は自分自身や家族、子供、友人など、そういう人たちに喜んでもらいたいから作り始めた。誰のためにやるかというと、1番近い人たちからやっていく。私は日本人なので日本からやる。日本でやれることはまだまだ多いし、日本が大好きなので、日本の社会課題に貢献できることをまずはしっかりやっていきたい。もちろんその先に日本を飛び越えたら海外があるという感覚だ。

ただ、社員に韓国人や中国人、イタリア系の人もいるが、その社員が「自分の故郷に錦を飾りたい」と言ったら、それはもうそういう人たちにとっては身近な人になるので、そういう時はやりたい。市場が大きいからやるなど、日本で売れたから向こうでも売れるだろうと思ったら大体失敗する。私も2、3年ぐらいは上海に住んでやっていたので(分かる)。その国の人たちのためを思うのと、この商品は日本だからできているというような相性もある。「豆腐だったらそれは日本だよね」のようなものがあると思うので、そういう形で商品と体制を作り上げて順序よくやっていこうと思う。

台湾で既に進めているが、私はサントリーの台湾立ち上げに参画した。海外では非常に珍しく、台湾は十数年前までは無理だったが、定期便を受け入れてくれる国になったので、非常に相性も良い。日本の商品についても、好意的に受け入れてくれる。徐々に意向を確認しながらスタートしている。

宗教における文化が非常に好きで様々な国に行くが、イスラム圏が文化的に面白かったりする。 ハラール認証は2、3年とか年月がかかる。スタッフが揃って、「インドネシアで私がやりたいです」という人が出たとしても、いざやろうと思ってそこから3年かかると結構時間を食ってしまうので、ハラール認証だけは先に取っておこうと、認証手続きを進めている。

[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]

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