24日、フツパー<478A>が東証グロース市場に上場した。公開価格の1020円を31.76%上回る1344円の初値を付け、1249円で引けた。大西洋代表が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値の受け止めは
公募価格の1020円に対して、初値が1344円で約30%上がっている。IPOディスカウントが20%であることを考えると、(上げ幅は)20~30%が落ち着くラインだと思っていた。そこに対してはまずまずと言うか、市場からの評価として、受け止めている。
―今後の成長戦略としてプロジェクトのラインアップを増やしていきたいとあったが、具体的にはどのようなプロジェクトか
明確に次はこれと開示していないが、AIエージェントという言葉を使っている。検査や人の配置は、個別のAIを自社で持ってプロダクト化しているが、周辺領域の例えば、生産計画を組んだり、予知保全を行うところなど、搬送周りを含め、まだ顧客の業務では人の思考に頼っている部分が大きいので、そこは全て中長期でやっていきたい。どこからやるかはニーズを見ながらで、そういう領域を狙っていく。
―調達資金は人件費と採用費に充当し、採用戦略ではエンジニアが重要とのことだが、どのような考えか
向こう2~3年の成長を見たときに、人の採用は早めにやったほうがいい。特に来年、再来年は人件費に使っていきたい。6割以上がエンジニアの人員構成なので、エンジニアを採れるかが、採用がうまくいくかのポイントだ。チームで組んでいるので、AIのデータサイエンティストだけを市場から取ると、外資含め、値段の取り合いになる。開発できるメンバーが市場でも多い、ハードウェアのエンジニアやソフトのWindowsのデスクトップアプリ開発、Webの開発などを採用していく。そこに関しては今は比較的順調に採用できているので、採用が難しくなる規模ではないと考える。
―データサイエンティストについては、人件費を上げながら成長させていきたいということか
そうだ。ベースを上げていくのが大前提だ。完全に中途で入ってもらうパターンが1つと、社内の部署異動でAIに関してスキルの高いメンバーが行くケースもあれば、大阪にあるため大阪大学などから来ているメンバーが多いが、インターン生として活躍している人にそのまま入ってもらうケースも出てきている。単なる転職市場に出てからの勝負でないのは、1つのポイントだ。
―今期は黒字に浮上する計画だが、確実に黒字が出るフェーズに入ったのか、それともまだ成長投資が必要で、特に黒字にはこだわらないのか
今期まではずっと赤字だったが、2022年にシリーズAの4億2000万円のエクイティ調達を行い、その翌年が1億円を超える赤字で、ここが一番投資した年だ。2024年は赤字幅が縮小しており、今期の黒字で過去の累計の赤字も回収している状況で、来年以降は利益創出のフェーズに入っていきたい。利益を出しながら、トップラインは伸ばしていく必要があるので、投資したところは、もしかしたら営業利益率はそんなに上がったりしないと思うが、トップラインを上げて利益を出すことに集中したい。また赤字に入るとかは考えていない。
―大西社長はイスラエルでも起業経験があるが、今回の上場で何か役立ったことはあるか
社名のフツパーがヘブライ語というぐらいだ。起業失敗という文言以外でこれについて書いていないと思う。起業と呼べるほどの活動でもなかったので、粘り強いメンタリティだけ持って帰ってきて、今日に至る。
―5年後や10年後を見たときに、どのような企業になっていきたいか。どのように成長していきたいか
1回上場して小粒でずっと続いてしまうよりは、例えば関西だと、MonotaRO<3064>のようにかなり大きくなっている企業や、SHIFT<3697>、エムスリー<2413>やZOZO<3092>などのように、ずっとトップラインが伸び、その結果として時価総額も付いてきて伸びるようにしていきたい。10~20年かけて、1000億円、1兆円の時価総額になるような会社を大阪から目指したい。製造業という市場は、間違いなくそれに十分足る産業だと思うので、採用とサービスを、M&Aなどを含めてにはなると思うが、どういうスピードで上げられるかがポイントだろう。
―株主還元策について
明確な細かいものはないが、市場の期待としては、時価総額を上げていくことや、業績を伸ばしていくことがグロースのメインだと思うので、直近は基本的に成長投資していきたい。
―いつから配当を実施したいか
未定だ。
―グローバル展開やM&Aなどは、どのように考えているか
グローバル展開については、最初に起業で失敗したとき、いきなりイスラエルでやろうとするぐらい行きたい人間ではある。日本で製造業向けのサービスをするうえで、大阪がベストだと思って国内でやっている。顧客の工場がどこにあるかに合わせて、日系の顧客が国内展開が済んだあと、次は海外という話は自然な流れだろう。日系企業の進出先をランキングでいうと、中国、米国、タイという順番だが、地域的に比較的ハードルが低い東南アジアのあたりを中心にまずは広げ、そこからどんどんエリアも増やしていけると考える。
M&Aについて実績はないが、シナジーがあるシステム会社など(の買収を考えている)。特に新しいプロダクトを作ろうとしたら類似しているサービスが既存にあると思うので、まるっきりその新しいものを作っているか、既にあるもので一緒にできそうなところがあれば検討していきたい。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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