6月30日、ジーデップ・アドバンスが東証スタンダードに上場した。初値は公開価格の4510円を136.81%上回る1万680円を付け、1万3680円で引けた。DXサービスではディープラーニングを行うためのワークステーションやサーバーを開発・提供。AIソリューションやメタバース、CGなどに関するシステムを扱うビジュアライズソリューションのほか保守運用も行う。NVIDIAなど大手半導体メーカー4社とパートナーシップを組む。飯野匡道社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値1万680円とストップ高の終わり値1万3680円についての感想は
非常にありがたい限りで、一方で、それだけ評価されているのは身の引き締まる思いだ。ただ、株価に一喜一憂せずに、しっかり足元を見て、ビジネスを進めて、最終的にシェアホルダーやステークホルダーの負託に応えていきたい。
―NVIDIAの製品で、6年連続トップとのことだが 何のトップなのか
DGXシリーズというAIサーバーだ。
―それが6年連続国内販売トップなのか
そうだ。
―シェアは
伝えることができない。
―成長戦略である独自のAI学習環境の提供という項目を、もう少し具体的に聞きたい
例えば、AIに関しても、画像認識の分野では、過度な期待というピーク期があったが、そこを過ぎ、PoC(Proof of Concept)は終わった。完全に運用・実装フェーズに移った。CAGR(年平均成長率)もやや緩やかになっている。
一方で、我々もそうだが、相談を受ける案件の数は増えており、金額規模も1ケタ上がっている。AIスタートアップの各社がそうだが、PoCだけで終わらずに、いかにその先の運用・実装フェーズを取り込むかが課題になっている。
同じように、PoCから入れるのが我々の強みだが、そこだけでは終わらずに、実装・運用フェーズまでスタートアップと同じ目線を持って、同じ目標があり、入り込みたいという思いは一緒だ。組むことによって、顧客に対してよりシームレスにサービスを提供できるのではないか。
―既に取り組んでいることは
今まさにいろいろ声を掛けている最中で、近々にまた話せる機会があると思う。
―メタバースに関しては、懐疑的な投資家が存在する。一方で、monoAI technology<5240>や今度上場するグリッド<5582>などに対する競合優位性は
それらの会社は競合とは考えておらず、むしろ、組むことによってより使いやすい、より現実に沿った形のサービスを顧客に提供できるのではないか。
我々はどちらかというとシステム寄りの会社なので、開発を支援する環境も提供できる。また、その先の顧客に、安定して稼働するような環境を提供できる。それぞれの強みを持ってうまく座組を組んでいければと考えている。
ビジネスメタバースは、これからビジネスとしてどこまで立ち上がるか見極めながらやっていく必要がある。
―KPIは売上高営業利益率だが、具体的に数値ではどれぐらいなのか
大橋達夫CFO:まずはターゲットとして10%を最低限として、そこからどんどん伸ばしていく。
―調達資金でサーバーを購入するとのことだが、改めて聞きたい
調達した資金を使いクラウドサービスに力を入れていく。
―それは、何のためのクラウドなのか改めて用途を聞きたい
飯野社長:我々のメインの市場がAIの生成なので、それで利用できるシステムになる。
―新たにデータセンターとの提携もしたが
データセンターは顧客に提供する安定した利用環境を用意して、ラッピングして提供するイメージなので今回の設備投資とは別になる。
―その関係では、オンプレミスとプライベートクラウドのハイブリッドがあるが、オンプレミスは残るのか
今、流れが2つあり、クラウドもあるが、クラウドから戻ってくるオンプレ回帰の流れもある。データの秘匿性や、利用コストを見た時に、トータルでオンプレのほうが安く収まることもある。オンプレとクラウドのマシンをうまくデータ連携するところも含めて、トータルとして顧客が使いやすい環境を構築したい。
―為替について。今は円安だが
大橋CFO:特段ヘッジ会計などは行っていないが、為替対策はしている。市場のTTS(Telegraphic Transfer Selling rate)にプラスアルファして社内レートを組んでおり、それで売価に転嫁できていることが、非常に大きい。
―期が終わってみて大きくぶれることは
そういうことはない。
飯野社長:営業コストにバッファーとスピード感を持って、それを更新して対応している。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]
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