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上場会見:アイズ<5242>の福島社長、広告主も代理店も便利に

21日、アイズが東証グロースに上場した。初値は公開価格の2200円を134.55%上回る5160円を付け、4160円で引けた。クチコミマーケティングのプラットフォーム「トラミー」と、広告主や広告代理店と媒体社を、マージンを取らずに直接マッチングする「メディアレーダー」などを手掛ける。トラミーは、クライアントの商品やサービスを会員が体験し、自身が利用するSNSでクチコミやレビューを公開するサービス。福島範幸社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

メディアレーダー運営で蓄積したノウハウを広告以外の業界にも展開し、展示会のプラットフォームの役割を広げていきたいと話す福島社長
メディアレーダー運営で蓄積したノウハウを広告以外の業界にも展開し、展示会のプラットフォームの役割を広げていきたいと話す福島社長

―初値が公募価格を上回ったが、受け止めは
公募価格を無事上回っている状態は非常に嬉しく思っている。株主に評価してもらうこであるので、今後も業績を伸ばして株価を上げていけるよう、株主の期待に応えたい。

―外部の資金を入れずに成長できているが、上場の目的は
ここまで外部資本を入れずにやってきたが、これから会社をもっと成長させていきたい。そのためには資金調達をして、信頼性も得る。我々はBtoBの企業なので、それによって営業面(の強化)や、提携といった面で、会社をしっかり伸ばしたい。もちろん上場したからには、株主にも評価してもらえる会社になっていきたい。

―今まで広告代理店と企業が水面下でうまくやってきたのに「なんてことをしてくれたんだ」ということはあるのか
むしろ、広告代理店もすごく喜んで使っている。具体的な数字を言えないが、電通だけでもすごい人数が登録しており、博報堂やADK、サイバーエージェントも多くの人が登録している。

例えば、広告主から「今までにない新しい提案をしてよ、代理店さん」と言われ、「明日提案してよ」ということはよくある。代理店は頑張っているが、今までは新しく探す方法がなかった。Googleで検索して見つけたところに問い合わせても返事があるのが翌日であると、もう提案できない。メディアレーダーに来ると、顧客に合ったものを検索して資料をダウンロードし、その資料で翌日に提案できてしまうので、代理店には非常に便利に使ってもらっている。

―企業ではなく代理店が絡んでいこうという使い方なのか
そうだ。広告主も今まで代理店任せだったのが、自分たちで探せるようになった。代理店も自分が持っている情報以外になかったが、探せてすぐ提案できるようになった。広告主も代理店もとても便利になった。

―競合の認識と違いは
メディアレーダーに関しては、同じような競合がない。我々を真似たサービスが最近出てきているが、強いところは1社もない状況だ。あえて挙げると、アイドマ・ホールディングス<7373>が、MARKE MEDIAという、マーケティングのノウハウ資料をダウンロードできるサイトを運営している。そこが近いといえば近いが、彼らはマーケティングのノウハウ資料、我々は広告のサービス資料なのでそこが違う。彼らは月額固定で我々は成果報酬、彼らは多分資料だけだが、我々は資料だけではなくセミナーや動画を見ることができる。

トラミーに関して、ディレクション型(プラットフォーム側が対象者選定や商品発送などを管理するサービス)の領域では、いろいろな会社が活動している。また、非ディレクション型に関しても何社かある。最近ではちょうど上場したトリドリ<9337>がそれに当たる。ディレクション型かつ少人数のインフルエンサーを扱う領域では、トレンダーズ<6069>やサイバー・バズ<7069>が該当すると思う。(トラミーが属する)ディレクション型かつ大人数を扱うポジションで強いところは、今のところないと見ている。

―トラミーについて、定量・定性のいずれでも構わないが、一般消費者の口コミを用いる点に関し、インフルエンサーマーケティングで、フォロワー数の多いメガインフルエンサーと比較して、むしろ口コミの信用強度が高いということはあり得るのか
一般の人たちなので、自分が思ったことを書いてもらっている。「良いと書いてくれ」ということは一切言っていない。会員が「ここは悪いけどここは良い」などいろいろなことを書く。

ただ、「(化粧品などが)自分の肌にはものすごく合わなかった」ということがあれば、口コミを書くことを辞退しているケースもあると思う。理由は、自分のインスタグラムで悪いことを書くことは気が引けるというもので、口コミとは別にアンケートも取っており、投稿を控えてアンケートでしっかり回答してもらえるケースがあると思う。

―2016年に始めたウィークルとクラウドレーダーは、トラミーやメディアレーダーとシナジーがあるのか
ウィークルはBtoCのサービスなので、トラミーとの親和性は非常に高い。トラミーは20~40歳代の女性が登録していて、ウィークルを使う可能性もあり、ウィークルを使う人がトラミーの会員になることもある。

クラウドレーダーは、BtoBのマッチングなので、こちらもメディアレーダーと親和性が非常に高い。今はそれぞれに会員を持って、それぞれのサイトとして運営しているが、ある程度融合することも含めて検討したい。

―今後、いろいろなサービスを展示会のような形で提示したいとのことだが、オンラインでは、サイトで見るだけではなくメタバースが絡む展開はあり得るか
あり得るが、今はそこに取り組む予定はない。メディアレーダーの仕組みでも、必要な資料をダウンロードし、セミナー動画を見ることができる。十分に展示会のオンライン的な立ち位置を作れている。今の仕組みだから使いやすいところもある。メタバースではリアルの展示会のようなものは作れると思うが、探しづらい面もあると思うので、今後もしっかりウォッチして、どの段階で考えていくか検討したい。

―株主にベンチャーキャピタル(VC)などがいない。資本参加の申し出を断ってきたのか
話はかなり寄せられたが、全て断った。我々としてはしっかりサービスを作って上場を迎えて、この先は株主を迎えて伸ばしていきたい。そこまではサービスを作り込んでいきたかったので、一旦内部だけでやっていく判断をした。

―VCが入ると、サービスをゆっくりじっくり作れないのか
誤解を与えてしまうと恐縮だが、VCだと投資の期間もある。それよりはいろいろとチャレンジして失敗してというのを繰り返しながら、サービスを作り込んでいくために時間をかけた。我々は今16期目になっていて、スタートアップという感じでは全然なくなってしまっているが、これによって今までなかった市場をしっかり作ってこられた。

―来期以降の業績予想、中長期的に数値目標を持っていれば教えてもらいたい
今村武史CFO:来期以降の数字については、当社内でも精査を掛けており、12月末決算であるので、決算短信の発表に合わせて、来期の業績の数字をしっかりと示したい。

―現状のサービスのみで30%の成長を続けられるのは、いつ頃までの見通しか
福島社長:今後の成長率については開示していないので、30%かどうかということは一旦伏せても、成長を続けることはできる。

―それが一段落した段階で株主還元に移るのか
その通りだ。まずはトップラインをしっかり伸ばすことによって、株主の期待に応えていきたいが、将来はしっかり配当もしていきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]