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上場会見:ファインズ<5125>の三輪社長、SMBに動画を

28日、ファインズが東証グロースに上場した。初値は公開価格の1800円を50.17%上回る2703円を付け、2203円で引けた。SMB(Small to Medium Business)向けに動画を使ってマーケティングを支援するVideoクラウド事業を手掛ける。Webサイトなどに掲載する動画の制作からプラットフォーム上での配信、視聴データなどを分析する「DXコンサルティング」まで一気通貫で提供する。三輪幸将社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

三輪社長は、Videoクラウドについて、動画に対する反響などのデータを収集して効果を可視化するなどして継続的なサービス提供を行うためストック収益となると説明した。
三輪社長は、Videoクラウドについて、動画に対する反響などのデータを収集して効果を可視化するなどして継続的なサービス提供を行うためストック収益となると説明した。

―初値が公開価格を上回ったが受け止めは
株主から期待されていると同時に、初値が付いたなかで、さらに責任を痛感している。

―上場の狙いや認識する課題、成長戦略は
上場したことで得た資金は、人材の確保や、Videoクラウドのアップデートに投資したい。また、セールスコンサルタントの増員が売り上げにヒットするので、営業体制をしっかり構築したい。発展途上で平均年齢27.5歳の会社であるため、採用してきたメンバーの教育に力を入れたい。

―三輪社長が設立したのか
動画の事業をこの会社でやっていこうと始めた。私自身はフリーセルに2008年に入社した。当初はホームページなどの販売を行っていた。その後、ファインズの設立と同時に出向という形で来て、当時はガラケー向けのホームページなどの販売をし、その後、SEOやMEO、予約システムの販売をしていた。今後は動的コンテンツがさらに伸びていく、将来的にはどの企業もホームページを当たり前に持つのと同様に、動画を当たり前に持つ時代が来ることを予見して、2015年に事業を開始した。

―収益構造はフロー型がメインか
現段階ではフロー型で、今後はVideoクラウドの月額を受け取っているので、その売上高の絶対額を上げていきたい。

―クライアントは年間でどの程度の数の動画を作るものなのか。どんな動画を作るのか
当社の作る動画は広告向けの動画とは異なる。企業のブランディングや、採用される人のエンゲージメントを高めていくような、だいたい3~5分ぐらいの若干長めの動画を作っている。

その動画の周期は、ホームページと同じような周期で大体3~5年に一度作り変えるという契約を受けている。

―関連してだが、Video BRAINなど簡単に動画を作れて頻繁にアップデートできるというサービスがあるが、そのようなものとは競合関係にならないのか
基本的にVideo BRAINやリチカは、インハウスで動画を作るニーズが顕在化している中・大手の会社がメインではないか。当社のメインターゲットはSMB領域なので、市場でバッティングすることはほとんどないと見ている。

―現状で内製化はどの程度まで進んでいるのか。今後、どの辺りを内製化したいのか
前期実績で46.5%だが、足元では今期は約60%を目安として活動している。現段階では順調に進んでいる。

―どの工程を内製化するのか
編集やエディターの部分に力を入れている。ディレクションに関してはほぼ100%当社で行っている。エディターが増えると原価をさらに圧縮し、利益率向上につながる。

―株主にEPARKが入っているのは
当社が予約事業に注力していた際に、予約システムの販売先がリラクゼーションサロンや整体サービスなど来店型の顧客がメインだった。そのなかでEPARKと市場でかなりバッティングする機会があり、価格競争に入っていった。

Airリザーブの参入で、そこでバッティングするなかで、ライバル同士でいるよりも手を組んで打倒Airリザーブで進めることが望ましいことと、当社が当時財政状況があまり良くなかったので、第三者割当増資の形で出資を受けた。

当社の顧客の一部をリプレースすると同時に、EPARKからのリラクゼーションエステ部門で予約システムを一部担う業務提携を行った。現在は市場が飽和状態になっているので、足元では新規の販売を行っていない。

―株主還元の考え方は
現状、まだ財政基盤ができていない部分があるので、内部留保に努めていきたい。今後は配当も含めて検討しているが、いつからということは現段階では言えない。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

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