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上場会見:コンフィデンス<7374>の澤岻社長、ゲーム産業の広がりに対応

28日、コンフィデンスが東証マザーズに上場した。初値は公開価格(1760円)を65.4%上回る2911円を付け、2740円で引けた。同社はゲーム・エンタメ業界に開発人材を派遣する。派遣人数は3月末で620人。澤岻宣之社長がオンラインで上場記者会見を行った。

澤岻社長、XRやアニメは、ゲーム業界を徹底的に網羅し尽くした後に次の柱にしていける事業と並行して進めたいと話した

澤岻社長、XRやアニメは、ゲーム業界を徹底的に網羅し尽くした後に次の柱にしていける事業と並行して進めたいと話した

―初値が公開価格を上回った。市場からの反応をどう見るか
一定の評価を得られた。今後もしっかりと市場とのコミュニケーションを図っていくことが必要で、業績拡大や企業価値の向上に向き合っていきたい。

―上場の目的は
社会的な信頼性の確保と、それに伴って優秀な人材を獲得する。例えば、公的機関や大手企業で取り引きできていない部分があり、信用度が高まることで実現できるのではないか。

調達した資金は、コンテンツ産業に積極的な地域拠点へ投入する。また、エンターテイメント領域の優秀なクリエイターの確保は重要であるので、求人メディアへの投資などに充てたい。

―人を送り出す側からゲーム業界のトレンドをどう見るか
非常に変化の速い業界だというのが実感で、この会社ができたころはスマートフォン向けゲームの全盛時代だった。労働市場には家庭用ゲーム機を作った人がたくさんいたが、市場のニーズはスマホのゲームを作れる人が欲しいというもので我々も苦労した。

ここ数年は家庭用ゲーム機を作れる人がいないのかという話が出てきた。他の業界よりもサイクルが非常に速く回るので、市場の変化に対して今の労働市場と求人ニーズとの間に入り、しっかりネゴシエーションすれば我々のビジネスとしてはそれほど問題がないのではないか。

今後の5Gの普及や、コロナ禍の影響でリアルのイベントがやりづらくなることでXR的な空間の重要性は増すので、ゲーム業界の技術やIP(ゲームタイトルやキャラクター)資産が利用されるようになると、業界の収益モデルがこれまでのゲームのみではなくなってくると思う。ゲーム産業自体が広がってくるのではないか。しっかりと市場を見ながら対応していく。

―事業の強みは
ゲーム業界での取引実績が180社以上と中堅以上の会社を網羅し、現在取り引きをしている会社が100社以上ある。3月末で620人以上の派遣人数だったが、彼らがクライアント企業に常駐することで、主要なゲーム会社とコミュニケーションを取れる状態になっていることが強みだ。他社と比較すると当社のシェアは相当程度大きくなっている。

―2024年3月に派遣配属数900人を目標としており、これまでの伸び率からは保守的な目標に見えるが、なぜ900人なのか
派遣会社は有期契約のため、契約終了が一定数で出る。また、将来の業界や各企業の業績を見通すことは非常に難しいので、市場の期待を過度に煽ったり、計画との乖離が生じることは良くないため、保守的に設定している。

―ゲーム以外の領域への展開に強みはどう活かされるか
エンターテイメント領域の拡大に関しては、例えば、アニメ業界からゲーム業界に転職する人や、またその逆もある。同じIPがアニメで始まりゲームに移り、さまざまなメディアで展開する流れがあるため、クリエイターのキャリアの多様化やクライアント企業の事業の発展という文脈で、当社がゲーム業界で培ってきた強みを活かしていけるのではないか。

―ゲーム以外の領域とは、関連のあるアニメなどか
エンターテイメントコンテンツのクリエイターという文脈をずらさないことを前提にしている。

―アニメなどエンタメ業界向けには、これまでのゲーム業界のコア事業同様に人材派遣がメインになるのか
日本のアニメ業界の労働環境や賃金の問題があるなか、我々がセーフティーネットのような存在になれれば、アニメ業界の企業に人材を提供し、転職や事業の縮小に伴って市場に出てくる人を受け入れて他社に展開できれば、非常に良い役割を担えると思う。

派遣の可能性が高いと思うが、その時に人材派遣であるべきか、フリーランスのマッチングであるべきか、業務受託であるべきかというのは市場の特性とクライアント企業のニーズによって調整する能力が我々にはある。

―開始のきっかけはどのようなものを想定するのか
まずはマーケティングだと考えている。クライアント企業のニーズと人件費構造、外注時のコスト感を調べることと、どのぐらいの給与設定でどのような形であれば良いのかリサーチして勝ちパターンを見つけて参入したい。ゲーム業界も同様の変遷を辿っており、我々のノウハウを活かしやすい領域ではないか。

―参入する時期の時間軸は
常にリサーチし、小さなテストマーケティングを社内で行っている。勝ち筋を見つけ、限られた経営資源で進めるためにどこに重点を置くかを意思決定するだけなので、スタートは早いと思う。ただ、ゲームに次ぐ第2~3の柱になることを考えると年単位で先の話になる。

―アフターコロナでゲーム業界の巣ごもり需要が一服するのではないかという見方もあるが、引き続き高い目標を掲げる背景は
外部から見ると、前期には我々の業績は非常に順調に推移したように見えるが、第1四半期には需要が一旦少なくなった傾向があった。初めての緊急事態宣言でゲーム業界の企業が混乱していたことが要因だと思うが、当社はそのようなことを乗り越えてきた。コロナの巣ごもり需要によって企業の需要が増え、それに乗って我々が伸びてきたというよりは、我々の内部努力によって伸ばしているほうが大きいと思う。

コロナ禍前の段階でスマートフォンゲームの企業の業績があまり芳しくなかったなどいろいろな変化が業界のなかで起こってきた。我々は多くの取引先と多くのゲームタイトルのプロジェクトを抱えることでリスク分散をしているので、今後もあまり悲観的には捉えていない。

―アフターコロナもゲーム業界の市場は拡大するのか
コロナ禍で巣ごもり需要がクローズアップされているため、ゲーム業界の企業の決算は好調であるが、労働マーケットは比例して大きくなっていない。我々としてはコロナ禍で業績のダウントレンドはなかったが、労働マーケットとしてポジティブなトレンドがあったわけではない。引き続きゲーム会社の業績が好調ということは新規開発の予算を確保しやすい環境なので、今後の大型開発案件が出てくることを考えると、求人ニーズは増えてくると期待している。

―XR系への展開は、ARやVRのことかと思う。現状ではゲームよりもECとの文脈で語られることが多いように考えられるが、そのような方面への進出があるのか
最終的にはECや商品説明など、各企業には目的がある。その手前の段階でWEB上の空間を訪れたユーザーに快適な体験をしてもらったり、ロイヤリティーを高めるためにエンターテイメントのコンテンツを利用する機会は増えてくると思う。そのような目的を果たすための機能としてのエンターテイメントの広がりをイメージしている。

―実際に声がかかっている状態なのか
恐らく大きな取り組みのなかで進んでいくと思う。今のところはそれほど多くは入ってきていない。業界全体で見回すと、例えば、米津玄師さんがFORTNITEというゲームのなかでイベントを行ったり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで任天堂のスーパー・ニンテンドー・ワールドが人気を博していたり、地方創生で御当地のキャラクターを使ったゲームで観光を促進するという話も出てきている。

そのような話を進めていく時に、ゲーム業界の人はどこにアクセスすれば良いか分かるが、一般の人たちにとってはどこの会社の誰と組めば良いか分からない。その領域に参入することでビジネスの幅を大きく広げていける。

―コンサルティング的な動きにつながっていくのか
広告代理店業界やプロモーション関連の会社の業務に近くなるのではないか。

―XR事業への参入は何年ごろを見据えているのか
チャンスがあれば早くしたい。経営資源を収益の上がる部門に集中していきたいので、大々的に始めるのは恐らく3~5年といった時間軸になると思う。ただ、このようなものは縁なので、大手の企業と共同で何らかのプロジェクトを始めようという話があれば前倒しで進めていくことになる。

―メディア事業と人材事業のシナジーに関してエコシステムを確立するというが、現状と今後はどのようなものか
現状でスタートはしている。例えば、ゲーム業界向けの自社メディアを作って、そこから少しずつリクルーティングを進めていく。また、ゲームデバッグに関して内部のアウトソーシング・プロジェクトがあるので、専門学校生を受け入れて育てている。そこにしっかりと予算を付けて投資対効果を明確にしようとすると、今期の後半や来期になってくる。
―提携やM&Aの考え方は
事業の規模を拡大していくこと、ゲームやエンターテイメントといった業界で存在感を発揮していくこともそうだが、将来的には業界・業種を越えた展開をしたい。当社の方向や戦略と合致し、メリットがある話があれば積極的に考えたい。

―海外展開の考えは
ぜひチャレンジしたい。現地のパートナー企業や当社でどのような事業展開を優先するか定めたうえで進めたい。ただ、どちらかといえば、焦って何が何でもいつまでにやろうとは考えていない。

―フリーキャッシュフローの最大化を掲げるが、どのような考え方か
永井晃司CFO:企業価値を最大化することを前提として、当社は今手掛けている人材派遣事業がメインとなっているので、フリーキャッシュフローと純利益が大きく変わるわけではないが、最終的に利益を拡大していくことが企業価値を最大化する近道と考えているため、フリーキャッシュフローの最大化が企業価値につながっていくという話だ。

―当面の目標はあるか
当社が開示している業績予想は財務会計的な数値を中心に出しているため、具体的な金額は控えるが、現状の当社のビジネスモデルでは、純利益とフリーキャッシュフローは非常に近いものになっているので、業績予想を参考に、そのターゲットを目指していると考えてもらえると良い。

―配当が未定だが配当性向などは
澤岻社長:非常に重要と考えているので、前向きに考えたい。だた、成長途中の会社なので事業計画や成長戦略を見据えながら決定したい。

永井CFO:株主への配当による還元は重要と考えている。また、一定の資本コストを上回る投資先や使い道がなければ一定の配当還元をするべきだろうと思っている。配当をしていこうと考えているが具体的な配当性向や金額は現時点では決定していない。

―昨今のローコードやノーコードの潮流はゲームの領域ではどのようなインパクトがあるのか
澤岻社長:個人的な見解だがポジティブに捉えて良い話だと思う。ゲームに関しては、世界観を作り、ゲーム的な面白さを考え、魅力的なキャラクターを作ることと、ゲームのエンジンを作ることには別の要素がある。エンジン部分や基本的な開発部分の難易度が下がることで、そこがボトルネックになることが少なくなれば、開発コストは下がり期間は短くなる。

そうなれば技術的なことがネックになって出せなかったゲームや優秀なクリエイターが日の目を見るようになると思う。大手企業にとってはそのような心配は不要かもしれないので、市場動向やゲーム会社の動向、転職市場の動向も見ながらアジャストしたい。

―アジャストするというと投資に費用がかかるのか
作り手の裾野が広がっていくと思う。優秀なエンジニアをたくさん抱えていることが強みである会社にとっては、新しいプレイヤーが出てくることになる。一方、参入する側からすると、自分の企画を実現しやすくなるのではないか。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


Updated: 2021年7月1日 — 20:15
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