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上場会見:テンダ<4198>の中村社長、ラボと自社ツールでDX推進

10日、テンダが東証ジャスダック・スタンダードに上場した。初値は、公開価格(3250円)の2倍となる6500円を付け、5500円で引けた。同社はホワイトカラーの業務を効率化するITソリューションとビジネスプロダクト、ゲームコンテンツ事業を手掛ける。開発の上流から実装・保守までサービスを一貫して提供する。中村繁貴社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

テンダラボモデルで顧客に寄り添う柔軟な開発を実現していると話す中村社長

テンダラボモデルで顧客に寄り添う柔軟な開発を実現していると話す中村社長

―初値が公開価格の2倍だった
値が付いてほっとしているのが正直な感想だ。非常に高い評価を得た。それだけ興味を持ってもらえたのはありがたい。

―この時期に上場した狙いは何か
両代表制を採っている当社の小林謙会長は、創業当初から上場を考えていたようだ。私が入社した時から話していた。機が熟したのが理由の1つだった。

昨年には上場の準備が整っていたが、コロナ禍があり市場にとっては逆風だった。だが、ポジティブに捉えると、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進が加速し、マーケットに当社のサービスがマッチする適切なタイミングだったと感じている。

―ITソリューション事業とビジネスプロダクト事業の連携が差別化要因になるとは具体的にどのようなことか
株主の博報堂プロダクツは、当初は株主ではなく顧客として1~2人を派遣していた会社だった。ITソリューションを提供する過程で、博報堂グループ全体がDXを推進したいという相談を受けた。ただ、具体的に何をしていいか分からない。要件を出さないと請負もできず、人を出したところで開発に適切な人材かも分からない。

そこで、ラボ契約の形で最初に常駐して一緒に業務を分析した。そのタイミングで当社の「D-analyzer」という業務を可視化するツールを導入し、どこで冗長化しているか発見した。請負でシステムの一部を切り出したものを扱いながら顧客に寄り添った形で上流工程に携わり、要件が具体的にまとまったものは一気に作るために受託開発した。

BtoBtoCのシステムもあり、リリース後に成長させる時に再びラボモデルの契約になる。その際のやり取りには、自社ブランドのコミュニケーションツールである「TEんWA」を使うし、リリース時には「Dojo」でシステムマニュアルを作って納品する。その後、システムを扱うための教育などに「Dojoセロ」を提案する。事業が非常に多い会社なので、それを複数の部署に展開する。今では年間数億円クラスの取引になり、2年ほど前に業務・資本提携を提案された。それがケースの1つだ。

―顧客の業務を分析するなかで自社開発ツールが登場し、有機的に効果を発揮するという理解か
その通りだ。他社のツールも提案するため、当社の製品を販売することが目的ではない。当社のプロダクト自体が、ホワイトカラーの生産性を高めることを目的に作られているため、親和性が非常に高い。ITソリューションの要所で連携するサービスを提供していることが強みになっている。

―安定成長を継続するというが、具体的な成長目標の数値はあるか
中期経営計画を内部で持っており、3年の計画で年率115~123%ほどの売上高成長とし、10~15%程度の利益成長を計画する。

―各事業の見通しは
ゲーム事業は、ボラティリティが高いと思われがちだが、当社の場合、役務提供を委託されるビジネスなので変動が少ない。堅調に下支えしてくれる状態を作りたい。

業績を牽引するのはITソリューションとビジネスプロダクト事業だ。直近ではITソリューション事業で、DXが進み「急に在宅ワークになった。基幹系システムをどうしよう」というニーズに対応する需要がある。2021年5月期には利益が伸びているが、コロナ禍で売り上げが影響を受けた。システム開発の発注がなくなったのではなく、後ろ倒しになった。企業は投資をしたいと考え、「時代の変化に追い付けないので投資をしたいが、動けなかった」という印象を受けており、非常に伸びるマーケットと見ている。

ビジネスプロダクト事業に関しても、クラウドのサービスやプロダクトを出すので、売り上げを伸ばしていけるが、投資が先行するため、利益が売り上げほどには伸びないのが2022年5月期の見通しだ。現状でプロダクトは、ストック型ビジネスよりもインストールモデルのシェアが高い。今後3年でサブスクリプションモデルを含めたストック型に転換する予定だ。一時的にコスト増で利益が落ち込む「フィッシュカーブ」が起こるはずだが、トップラインを確保したままカーブを吸収して利益率を伸ばしていきたい。

―ROE目標はあるか
現状では配当性向20%を目安に考えている。今後もっと高めていけるようにという思いはあるが、メーカー事業も持っているため、投資とのバランスを見て考えたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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