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JR貨物2本立て債:電力無担保化で一般担保が際立つ

5日、JR貨物の2本立て債(AA-:R&I/AA:JCR、総額100億円、主幹事:三菱UFJMS/みずほ/野村/大和)が条件決定した。以下は案件レビュー。

回号 年限 発行額 償還日 表面利率 対国債 対カーブ
7 10 50 35/6/11 1.854% +37bp +34bp
8 20GB 50 45/6/9 2.757% +34.5bp +33bp

※発行額:億円

京都貨物駅から輸送されるJR貨物のコンテナ(2024年10月24日、京都市下京区)

ユーティリティセクターの10年・20年物は、5月22~23日のJR西日本債(AA:R&I)と東京地下鉄債(AA:R&I/AAA:JCR、総額200億円)でそれぞれ国債カーブ+34bp、+33bpに大幅調整されており、今回のJR貨物2本立て債は同じスプレッドを踏襲し、各50億円の発行額に対して10年物が1.6倍超、20年グリーンボンド(GB)が1.7倍超のオーダーを取り込んだ。格付けは先行銘柄を1~2ノッチ下回るものの、一般担保付きであることと銘柄の希少性が効いている。発行体の起債は昨年6月の2本立て債(総額140億円、10年GB:1.228%・国債カーブ+24bp/20年:1.947%・+20bp、主幹事:みずほ/野村/三菱UFJMS/大和)以来1年ぶり。同社は、貨物列車の車輪に軸を取り付ける作業でデータの改ざんなどの不正が行われていたことが昨年9月に明らかになっているが、今回のディールへの影響はなかったようだ。

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