エータイが東証グロースに上場した。初値は公開価格の1510円を68.68%上回る2547円を付け、2600円で引けた。樺山玄基社長が東京証券取引所で上場会見を行った(6月26日取材)。

―会社の概要について
事業内容は永代供養墓の企画・建立、販売代行。これらをフルサポートするほか、お寺などと墓地の利用者であるユーザーの間を取り持つ存在だ。設立は2004年10月で、現在の主力事業である「寺院コンサルティング事業」を2007年頃から始めて10年弱の実績がある。創業時から「人と人の心のつながりをサポートし、社会のこころを豊かにする」という企業理念を掲げてきた。
永代供養を軸とした「寺院コンサルティング事業」に参入した理由は3つある。1つ目は、寺院とユーザーの悩みを同時に解消できると考えたことだ。2つ目は、永代供養という新たなお墓と供養の形が喜ばれると考えたため。3つ目は、既存の従業員が活躍できるビジネスモデルという点だ。
―2024年8月の業績について
開苑寺院数は80寺院。1寺院当たりの売上高が2970万円となっている。展開エリアは関東中心の13都県。21.3%という高い営業利益率で、直近2年間は20%を上回っている。安定的な高収益体制を確立できている。ROAは10.0%で効率的に収益を稼いでいる。売上高前期比は123.2%で、着実な成長を実現している。
一般的に永代供養は墓地の利用者に後継者がいなくても、永代にわたり供養と管理をしてもらえるお墓のことを指す。従来の伝統的な墓地の場合は、墓地の利用者自身が管理する。年間管理費の支払いといった費用負担や墓地の承継者を必要とするのに対して、永代供養墓はこれらが不要となる。少子高齢化や核家族化によってお墓を継承する人が少なくなってきているこの時代に、継承者が不要である永代供養墓は、時代に即していると言える。
当社が提供する永代供養墓の特徴としては、ユーザーのみならず、寺院のニーズをしっかり満たしていることが挙げられる。ユーザーと寺院の両者にとって始めやすく、選びやすく維持しやすい。寺院に対しては永代供養墓を建てる費用を当社が全て負担している。また、最初の企画から集客して案内して契約するといった運営も全てサポートしている。例えば、東京都台東区の運営にあたっては、永代供養墓の企画・建立・広告宣伝・販売・メンテナンス・納骨・供養といった多くのすべきことがあり、供養以外を全て当社の費用負担で受託している。檀家の減少によって、主たる収入源であるお布施の減少で経済環境が悪化しているお寺にとって始めやすく、選びやすく、維持しやすいといった点でメリットが非常に大きいと言える。
永代供養墓のリーディングカンパニーであることがまず強みだ。鎌倉新書が運営する国内最大規模のお墓のポータルサイト「いいお墓」で、全国販売数が4年連続で1位となっている。樹木葬を始めとした高いデザイン性を持った永代供養墓を提供しており、ユーザーから好評なことも非常に大きな要因となっている。2つ目は、ワンストップ・フルサポートと高い利益率を上げている点。募集代行手数料率を高く設定することが可能で、ユーザーが支払う成約額の約80%を手数料として受け取っている。当社のなかでコスト効率化が可能となっており、高い利益率を確保している。
ドミナント戦略がもたらす高い利益率に関しては、既存開苑寺院の近隣で新たな提携寺院を獲得するようにしている。既存苑寺院の資産を有効に活用することで、人件費や広告宣伝費を抑制している。飛び地での展開と比較しても、募集代行コストを大幅に効率化することが可能だ。
―エリア戦略について。主に関東圏で強みを持っていて、九州や東北にも少しずつ広げているが
展開するのは十分な人口があるエリアだ。住んでいる地域、同一市区町村で多くの人がお墓を購入する。人口がいるところではやっぱり墓地の需要があり、その掛け合わせで展開するエリアを選別している。関西エリアもかなり人口が多い。
―すでに配当を出しているが、株主還元の方針について
田中祐治取締役:今後も株主還元という形で配当を出していく。配当性向の目安は35~40%程度。これを1つの指標としながら還元したい。
―今後「墓じまい」が増えてくる可能性があるが、それに対する課題や考えは
樺山社長:核家族化と人口減少によって従来のお墓を守れなくなっているケースは非常に多くて問い合わせが多い。例えばお墓が少し壊れてきたといった時に隣に迷惑をかけてしまうので、しっかりケアしないといけないっていう問題もあるし、本当に守れなくなったときに残された人、ご先祖様に対しても、隣のお墓のご家族に対しても結構不都合なことが起こる。事前に考えることが非常に大事で、家族で話してその家族の形に合うお墓というものがあると思う。そこで良いものを選んでもらえたら良い。
―設立当初は浄水処理に関する事業をやっていたと思うが、今のこの事業になったきっかけは
浄水場の仕事を進めていくなかで、規模の拡大が難しいという創業者の判断があって新規ビジネスを探し、そこで、お寺関係の知り合いから永代供養というシステムがあることを聞いたようだ。一般墓地以外のタイプがまだ日の目を見ていなかったので、社会に対して良いソリューションが作れるのではないかと考えてこの事業に着手したと聞いている。
―お寺に対するコンサルティングをする企業が少しずつ増えてきたと思うが、改めて差別化や強みについて
我々の本当その強みは、ユーザーのニーズとお寺のニーズをしっかり満たしているということ。永代供養というソリューションを提供できていることが挙げられる。お寺というものは社会の人々が利用して支える存在だ。だから、両者のニーズをしっかり満たすことが大事だ。そこは他社に比べてかなり自信を持ってできている。
田中取締役:この17年ぐらいこの事業をやってきたなかでのエリアの構築も強みだ。財務面でも、コスト面で非常に効率化している。全額を我々が負担することでお寺との契約のなかで、そのお墓の成約額に対する高いパーセンテージで我々が売り上げをもらっている。この利益構造によって先行者の強みがある。
[キャピタルアイ・ニュース 菊地 健之]
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