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上場会見:プラスアルファ・コンサルティング<4071>の三室社長、 タレントパレットの成長早める

30日、プラスアルファ・コンサルティングが東証マザーズに上場した。初値は公開価格(2300円)を18.26%上回る2720円を付け、2822円で引けた。同社は、自然言語処理やデータマイニング技術で、顧客の声など大量のデータを分析・可視化する「見える化エンジン」やCRMの「カスタマーリングス」、人事情報管理の「タレントパレット」などをSaaSで提供する。三室克哉社長がオンラインで上場会見を行った。

三室社長は、タレントパレット事業に注力しつつ、データが利用されていない領域に進出するといった事業の方向性を示した

三室社長は、タレントパレット事業に注力しつつ、データが利用されていない領域に進出するといった事業の方向性を示した

―初値が公開価格を上回ったが、受け止めは
投資家の期待が非常に大きいと実感して、さらなる飛躍に向けて頑張っていきたい。

―上場の目的や狙いは
見える化エンジンやカスタマーリングスというマーケティングの事業を行っている間は、上場のことは考えていなかった。タレントパレットを開始して非常に大きなポテンシャルを感じ、世のなかに広めていきたいということから上場を目指した。タレントパレットの成長のために、人事の周辺分野で例えば、M&Aをし、アライアンスを組むなど選択肢を増やすことがIPOの目的だ。

―見える化エンジン事業は今期の契約が減少する見込みだが、タレントパレット事業に注力するために今後も減少傾向が続くのか
見える化エンジンに関しては特殊な事情がある。前期は1.6%と低い成長率だが、その前の2019年度は11%程度成長していた。見える化エンジンは3つのソリューションのなかで最もコロナの影響を受けやすい。特にホテルやレジャー、空運の顧客が多く、その部分で少し減ると想定している。見える化エンジンのポテンシャルは高いのでそれが終わった後にはある程度の成長をしていける。

―タクシー広告で宣伝をよく見るが、どのようなルートでリードを獲得することが多いのか
最終的なリードはWEBでの問い合わせが多い。そのためにタクシー広告で認知してもらってWEBへ誘導する。また、WEBでのセミナーも含めた活動でリストを集めている。

―1件の顧客を獲得するコストは何ヵ月分の収益の範囲内で許容するのか
野口祥吾取締役:1件当たりの顧客開拓コストは開示していない。

―今後の展開として今までデータがなかった領域への進出にリーガルテックを挙げている。これはクラウドサインなど電子契約の普及に伴って契約周辺の領域へのアプローチか
三室社長:可能性としてはいろいろあると思う。我々の強みの1つにテキストマイニングという文書を解析する技術を独自に保有している。

契約もそうだが、論文や特許などを分析する可能性はある。以前に特許・論文のデータを分析してその企業の現在の注力分野はどこなのか、M&Aで会社が合併することで両方の強みをバランスよくというような分析をしたこともある。そのようなものも含めて展開できればと考えている。

―上場時期に関して質問がある。時価総額を考えると、あと1期待てば東証1部への直接上場も可能だったと思うが、傍から見るとマザーズに急いで上場したように受け止められる。狙いは何か
上場の目的はタレントパレットの成長を早めたいというところがあった。タレントマネジメントという領域は、導入する企業は今まで使っていない企業が非常に多い。今まさにタレントパレットの導入を早く広げることが成長につながり、社会にとっても良いことだろうと「できるだけ早く」と意識していた。

―関連して、カオナビやビジョナルが狙う市場に近いと思うが、これらとの違いや強みは
サービスの根本的な目的が異なると思う。我々はマーケティングでの分析などデータ活用を人事の世界でもやるべきというのがスタートなので、競合する部分があるが、アプローチは異なる。日本のある程度の規模の会社に必要とされていることで、タレントパレットは非常に評価を受けていると思う。

ビジョナルに関しては少し脅威として感じるところは当然ある。彼らは採用からタレントマネジメントに入ってきて、我々はタレントパレットから採用に進出するので、この後いろいろな戦いがあるかもしれないが、刺激的な何かが起こるかもしれないと楽しみにしている。

―4つめの新サービスの投入時期と、売り上げと利益の成長率の考え方は
今まではだいたい4~5年おきに新しいサービスを導入してきた。目標はそのぐらいだがタレントパレットの可能性が非常に大きいこともあり、人材紹介や採用、研修、ヘルスケアはそれぞれが1つの新しい柱になり得る領域なので、全く新しいものを企画しながらもタレントパレットの新領域自体が柱になるよう両面でサービスを立ち上げたい。

基本的に、額は今の延長で成長できる。ただ、規模が大きくなるので率で換算すると今までよりは少し下がるだろう。

野口取締役:利益に関しては、売り上げが増えていく時にそれほどコストを増やさずして積み上げていける。現状の30%強の利益率は上昇傾向になっていくと見ている。

―近年は売り上げを13億円のペースで積み増しているが、当面10数億円ずつ伸びていくイメージで利益率は少し上昇するという理解で良いか
SaaSのビジネスなので新規顧客を積み上げて、その分が売り上げとして増えていく事業モデルであるため、イメージしている形だと思う。額については、今後のマーケティング施策などで変わってくるが、新規顧客の分が積み上がる。

三室社長:タレントパレットの新しい展開は、そのプラスアルファになるだろうと考えている。

―資金使途は
IPO後に、タレントパレットの人事の周辺分野に関してはM&Aやアライアンスを考えているが、具体的になっていない。今までの利益を積み上げてきた内部留保はキャッシュとしては45億円弱あるので、今できる投資には耐えられる。それ以外にもファイナンス的な選択肢が増えてくる。

―ROEについて
野口取締役:資本効率が重要なので、ROEは重要と捉えている。現在は非常に高い水準にあり、この水準を上げるか下げるかというよりも、利益の絶対額をどう増やしていくかに注力したい。ROEをコントロールして、一定のレベルに抑えていくとか、特定の水準を目指すといったことは現在のところしていない。

―株主還元の考え方は
三室社長:株主への貢献は非常に重視している。1つは企業価値を高めていくことになるが、配当性向20%程度を維持したい。もちろん成長や経営に必要な部分では内部留保をしながらきちんと配当に回せるよう努力したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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