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上場会見:ビズメイツ<9345>の鈴木社長、人材マーケットで伸びる

30日、ビズメイツが東証グロースに上場した。初値は公開価格の3250円を63.38%上回る5310円を付け、5080円で引けた。ランゲージソリューション事業で、オンラインビジネス英会話学習サービス「Bizmates」とビジネス日本語の「Zipan」を提供する。また、外国人ITエンジニアの転職エージェント「G Talent」とグローバルITエンジニアの採用マッチングサイト「Git Tap」を運営するタレントソリューション事業を手掛ける。鈴木伸明社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

話題の幅が広がりがちな日常会話よりもビジネス英会話のほうが簡単ではあるが、初心者向けにもパッケージ商品を準備したいと話す鈴木社長
話題の幅が広がりがちな日常会話よりもビジネス英会話のほうが簡単ではあるが、初心者向けにもパッケージ商品を準備したいと話す鈴木社長

―初値が公開価格をかなり上回ったが
投資家に評価されて本当に嬉しい。期待に応えられるようなIRも積極的に行いたい。

―ランゲージソリューションは、売り上げが法人と個人で4対6だが、カスタマイズなどで伸びしろがあるのは、法人ではないか
最初は個人顧客をWebマーケティングで集客し、売り上げを伸ばしてきた。事業を続けるうちにサービスの質の高さが評判になり、問い合わせに応じて法人分野を伸ばしてきた。法人の営業をより積極的にして、こちらからアプローチしたい。法人の伸びのほうがポテンシャルがあると見ている。

―タレントソリューション事業での人材需要は
ある程度の人数を採用するニーズは、メガベンチャーに多い。人材紹介については、採用ニーズがあるところに積極的に紹介していく。Git Tap というプラットフォームでは幅広い人材がいるので、一定のエンジニアスキルがある人材の需要に応えられる。

―Git Tapを利用する求人企業は、国内の事業法人に限るのか。海外企業と登録者のマッチングの可能性はあるのか
当面は外資系企業も含む国内の企業で、日本企業のIT人材不足の解決にフォーカスしていきたい。プラットフォームとしてしっかり成熟した際には、海外展開も視野に入れたい。

―G TalentとGit Tapの関係は
G Talentは人材紹介なので、当社のキャリア・アドバイザーが、求職者のスキルを把握して企業に紹介する。そのため、厳選して紹介することが重要で、よりハイスキルな人材を迎えるのに有効だ。一方で、Git Tapはハイスキルな人からそうでない人まで登録をしてもらっている。多様なニーズに応えられるプラットフォームとして育てていきたい。

―Git Tapの登録者の属性は
中国やベトナムの人が多いが、アジアに偏っているわけではなく、米国や欧州の人もいる。国籍は幅広い。

―そのような人たちにZipanを使ってもらい、日本語や慣習などの知識を付けて入社してもらうのか
人材紹介では、面接まで進んだタイミングで、無料でZipanの面接講座を受けてもらっている。今後、人材事業が伸びてくれば、個人が有料で使うことでシナジーを上げられる。今はそこまでの規模ではない。

―Zipanは、G Talentのサービスメニューの1つになっているのか
現在は、Bizmatesを利用している法人顧客のニーズに応えることが多い。来日して日本語で仕事がある程度できるが、語学力をもう少し補ってもらいたいという需要に応えている。今後は、海外在住時からJLPTという日本語検定を受けてもらうなど、より基礎的なものから学べるプロダクトに拡充し、国内外を問わずに皆が使えるようにしたい。

―事業ポートフォリオで、今は大半をランゲージソリューション事業が占めるが、長期的には、この比率をどうしたいのか
マーケットの視点で見た時に、ターゲットとするマーケットが1800億円。人材事業は1200億円だが、現状ではその割合に応じた成長が可能と見ている。ただ、IT人材の不足や高度人材の受け入れの流れのなかで、人材事業のマーケットの伸びは非常に大きい。今後、そういったマーケットの成長に合わせた伸びの高さを、人材事業には感じている。

―成長投資で大きい部分は
直近では、テクノロジーを活用してサービスを進化させるIT投資が成長の源泉になる。また、タレントソリューション事業が投資フェーズにあって、Git Tapデータベースをより良く育て上げるには投資が必要だ。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

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