株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイト

上場会見:Rebase<5138>の佐藤CEO、増収増益へのこだわり

16日、Rebaseが東証グロースに上場した。初値は公開価格の920円を130.43%上回るの2120円を付け、1671円で引けた。空き物件やスペースの時間貸しのマッチングを行うプラットフォーム「インスタベース」を運営する。掲載数は2万5000件超で、2022年3月期の利用数はおよそ68万件。会議や面接から習い事、パーティーまでと用途は幅広く、新しいタイプのスペースも増加している。佐藤海CEOが東京証券取引所で上場会見を行った。

佐藤CEOは、少子高齢化が進む先進国のなかでも価値あるサービスを提供し、より活気ある世のなかになるモデルケースになることを目指したいと話した。
佐藤CEOは、少子高齢化が進む先進国のなかでも価値あるサービスを提供し、より活気ある世のなかになるモデルケースになることを目指したいと話した

―初値について
高い評価をしてもらえたことにただただ本当に感謝したい。今得られた評価に甘んじず、しっかりと期待に応えていけるよう頑張っていきたい。まさに今日この日がスタートで、このスタートを皮切りに事業規模も、投資家からどんどん期待してもらえる業績や取り組みを進めていきたい。

―市況が良くないタイミングで上場した理由や狙いは
これまで関係各社から本当に今上場すべきなのか考えてほしいという話やアドバイスもあった。9年間やってきたこのサービスが、どのようなフェーズに来たかというと、イノベーター理論でいうマジョリティー層が使うようなフェーズに来ていると肌感でひしひしと感じている。

予約数という1つのKPIを見てもそうだし、SNSを見ていても一般の人たちが普通に使うようになっている。インスタベースやレンタルスペースを認知してる人は非常に増えていると感じている。

時期を遅らせることもなく、このタイミングでこの市況での上場を決断したのは、マジョリティー層の人たちに、より一層信頼・認知してもらえるような、社会的信頼をしっかりと得ている企業となることが、今後のこの会社の成長には必要だと考えた。どのような市況であったとしても、このタイミングでしっかりと上場して、社会的信用を得てサービスを拡大していこうと思った結果だった。

―競合はスペースマーケットか
その通りだと思う。

―一方で、今日時点の時価総額は倍以上になっており、この理由は何か
まず初めに、そのように評価してもらえて本当にありがたい気持ちと、慢心することなくしっかりと今後も事業を成長させていきたいとの思いを大前提として、どのように我々を評価してもらえたのかは、聞いてみなければ分からない。だが、今話に上がった会社との違いというのは、1期目から、この9年間ずっと黒字であること、利益を出ししっかり伸ばしていること、増収増益であるということに非常にこだわってきた。

結果を出すための効率性や費用対効果も見極めて進めてきた。スタートアップやたくさん資金調達をしている企業では、投資家からのプレッシャーも相当あるだろうし、当然に急角度の成長をしていかなければならない。そうすると調達資金を良くも悪くもどんどん投下してプロモーション費用を掛ける。

ただ、我々の場合、資金調達は今まで2017年に1回しかしたことがない。金銭的アセットが少なく、それゆえに採用もそれほどできない。何が宿命づけられていたかというと、少ないリソースでいかに最大限の結果を出せるか、そこに9年間向き合い続けてきた。

例えば、掲載するスペースの獲得は一見営業部隊が動いて取りに行かなければならないと思われるが、4~ 5期目ぐらいまでは本当の意味での営業人員はいなかった。今もそれほど多くない。掲載スペースを人の頭数で実現するのではなく、いかに効率的に最大化できるか、社内でシステムを組み、新たに作り効率性を実現してきた。結果として利益を生み出せる体制となって、それが9年間続いてきている。これが、おそらく話に上がった企業との違いとして、認識・評価されたのではないか。

―創業来黒字にこだわって、それを証明したいという話があったが、ビジネスモデルからすれば、多分ベンチャーキャピタル(VC)的なものから資本参加の申し出もあったのではないか。資金を入れれば広告宣伝費も多めに出すことができ、シェアももっと早く高めることができたかもしれないのに、なぜそういう決断をしなかったのか
自分たちがやりたいと思うやり方でやるということにこだわってやってきた。オフィス1つとっても、代官山オフィスを初めて構えた説明をしたが、「なぜ渋谷じゃないの。隣行けば渋谷だよ」とよく言われた。ここも我々なりのこだわりがあった。

確かに、スタートアップは渋谷や六本木、西新宿、五反田などにも多い。そういうところに固まるが、「そういったところにみんなが集まっているから僕たちも行こう」という考えがもしあるとしたら、それは好きではなかった。だから、一匹狼のように見えてしまうかもしれないが、自分たちが良いと思った場所があれば、スタートアップが多く集まる場所であろうが、そうでなかろうが関係なくそこを選ぶ。

桜新町(世田谷区)に行こうかという話もしていたが、従業員たちから通いにく過ぎると大クレームがあり、東急東横線沿いで通いやすさも一定以上担保でき、主要駅からもそれほど離れてない場所を探していたら代官山を見つけた。オフィス1つ取ってもそういうふうにやってきた。2014年に会社を立ち上げてからエクイティ・ファイナンスは2017年の1回だけだが、それもそうしたかったからだった。

スタートアップにとっては、起業しやすい環境をVCの人たちがこの十数年間で作ってくれて、本当に間違いなく効果があった。その一方で、バンバン調達して、資金を、それが全てと言ってしまうと語弊があるが、プロモーションに投下する。そうすると、なぜ今このサービスが成長できているか、どうしてユーザー数が集まっているのかということが見えにくくなってしまう。

成長という意味では、間違いなくそれも1つのやり方だが、我々はどうして今成長できているのか、今の打ち手がなぜ効果を発揮しないのかということにしっかりと向き合って、我々が思う本質的な成長を、自身も会社としても実現してみせたかった。そういう変なこだわりをずっと持ってやってきた。

―本質的な成長を(追う)
それがいいのか本当の意味では分からないが。

―今期の利益の伸びが、過去に比べると鈍化傾向にある。調達資金の使途を見ると来期は1億円ぐらい広告宣伝費を増やすということで、広告宣伝の掛け方に対する考え方と、来期以降の売り上げと利益成長についてどう考えるのか
大辻琢磨取締役:今期の着地見込みの業績に関しては、売り上げはしっかり伸びて利益が前期と横ばいに近い数字になっているのは、2つ要因がある。1つは2022年の4月、今期の頭に代官山から表参道にオフィス移転をしたことで地代・家賃が上がったことと、内装に少しお金をかけた部分が減価償却する形で販管費に乗っているのが、前期から固定費の部分が少し下がった。2点目が、上場に向けてかかる費用を、営業外と販管費の両方に計上しており、その部分が利益を少し圧迫する形でコストが一時的にかかっている。

ただ、我々のビジネスモデルは、基本的には固定費の比率の高いので、固定費がこれ以上に上がるというよりは来期にトップラインがしっかり上がっていけば、利益もその分上げていけると考えているので、来期以降に関しては、今期と違う動きになってくる

来期以降の利益の成長に関しては、我々はこの第9期を迎えるまで、ずっと売り上げも利益も伸ばし続けることにとにかくこだわってやってきた。上場を機にそれをぱったりとやめるつもりは一切なく、引き続き増収増益にこだわっていきたい。ただ、今後事業を大きくしていくなかで、新しい領域にも展開をしていきたいので、大前提としてしっかりトップラインを伸ばしながら利益も伸ばしていく。営業利益率20%以上を少なくとも確保しながら、超過分の利益を、必要なタイミングで新規事業に投資していく。

来期以降に広告宣伝費を増やしていく説明になっているが、今期でも年間で大体1億5000万円ほどの規模で掛けているので、そこにアドオンするよりは、その内訳としての資金使途になってくる。広告宣伝費の掛け方は、コスト意識を持ってやっている。掛けた広告宣伝費に対してどれぐらいのリターンを得られているか、1つひとつの施策ごとに指標を設けて確認を取っている。

ROAS(Return On Advertising Spend)という広告宣伝費を掛けたものに対してどれぐらいの(リターンがあるかという指標を用いるが)、我々はマッチング・ビジネスなので、実利用総額を生み出せているかというところを見ながら取り組んでいる。その実利用総額に対して我々は約30%の手数料を受け取り、それが売り上げになってくる。広告宣伝費1に対して実利用総額3が作れると、売り上げと掛けたコストのバランスが取れる状態になる。

それをしっかり見ながら、広告宣伝費もかけており、来期以降に関しても認知度向上への広告宣伝費も掛けていくが、基本的な考え方としては、同様にコスト意識を持ちながら、費用対効果を見て良い効果の出る広告宣伝費の掛け方、投資の仕方をしていく。

―今後の成長について、具体的な数値目標がもしあれば教えてもらいたい
来期以降に関しては、コロナ禍が直近では落ち着いてきている部分もありながらも、去年の実績状況でいうと12月に季節的にも非常に伸びた。その反面コロナ禍もすごく拡大して、1~3月と想定よりも落ち込んだ時期にはなったので、その影響が、この年明け以降どういうふうになるかというのが読めない状況ではある。1月以降の数字を見ていくとある程度見えてくる部分もあり、社内ではそのように見ている。

ただ、来期以降の数字は、確約というわけではないが、今期でも前期比120%少しの成長をしており、少なくともそこは最低ラインとしていきながら、できる限りもっと高い成長率で計画を立てていきたい。

佐藤CEO:コロナ禍が収束していくと、そのなかで成長できた少人数利用などが減ってしまうのではないかといった今後の成長を懸念するような意見もあるが、全く問題ない。コロナ禍の状況が良いのかそうでないほうがいいのかというと、もちろんコロナ禍ではないことに越したことはない。足元もそうだが、第8波はあるが、大きな影響は特段見られていない。

今は、コロナ禍前に当然にしてあった人数規模や、利用用途が非常に増えてきている。例えば、コロナ禍前と比べて人数では若干劣るところがあるが、ホームパーティーなどが増えてきている。コロナ禍が収束してくればくるほどそのような用途での利用をしっかり最大化していく。全く望んでいないが、コロナ禍がまた猛威を振るってくるようであれば、今度は少人数に適したスペースの利用やスペースをしっかりとフィーチャーしてプロモーションしていく。

これを両方でバランスよくやれるのが我々のサービスだ。どんな状況でも両方にしっかりと対応できること、これが我々のサービスの特徴の1つだ。

―システム的な面ではN対Nのマッチングに関して、需要やトレンドに応じてバランスを取っていくことを合理化・効率化しているのか
大前提として外注することなく全て社内で開発している。今後も、もちろん必要に応じてそのように社内で実践していく。どのようなスペースを選ぶかは探しているユーザーに委ねられているので、そういったコロナ禍の影響が増してきたら少人数利用に適したスペースを選ぶ傾向がどんどん増えてくる。数字上その傾向が少しでも見られれば、少人数利用に適したスペースをサービスとしてフィーチャーして、プロモーションしていく。そういったことがもう社内で完全にできるようになっている。

大辻取締役:集客の部分は、検索エンジンからの流入がそれなりの割合を占めている。その1つの手法として、いわゆるロングテールのキーワードと言われているような場所を探す人が、例えば、「レンタルスペース」というワードで探して予約するのは、検索キーワードとしてのボリュームは大きいが、なかなかコンバージョンしにくい。

どちらかといえば、例えば、「会議、個室、少人数、渋谷」という複数のキーワードで検索し、我々のサービスが検索結果で上位に表示されてサービスを使ってもらえる状況を、とにかくずっと作り続けてきている。

それはコロナ前でもコロナ禍でも、そのタイミングで必要なキーワードにしっかりマッチするいわゆるランディングページやサービスのページを用意して当たるようにしている。どんな環境でも、スペースの利用ニーズが変わったとしても、我々のサービスを使ってもらえる状況を土台として作っているので、ある程度そこが自動化され、仕組みの部分をSEO (Search Engine Optimization)でしっかり作っていて、それが実現できている。広告宣伝費も含めてのプロモーションやマーケティングなども追加しながらうまくバランスをとっている。

―活用できるスペースの種類が増えているとのことだが、例えば、車を居住空間と捉える見方もある。スペースの概念をどう見るか次第で、そういったものもマッチングの対象になるのか
佐藤CEO:あると思っているし、今までもそういった話は寄せられていた。あらゆるスペースをどう捉えるかによって、我々の今後の成長がどれだけ大きいものと捉えられるか、小さいものと捉えるかに繋がってくる。

言ってしまえば、そこの壁も“スペース”ではないか。極端な話、この部屋で毎週、毎日のようにセミナーが開かれると、人が多く集まるのであれば、これは1つのスペースとも言えると思う。例えば、セミナーに参加する人たちをターゲットにした広告スペースとしてマッチングする。スペースの概念は必ずしも屋内だけにとどまらず、屋外のものもある。あらゆるものがスペースとなり得る。

どんなものでも広義の意味ではスペースと捉えられるということで、大事なのは、この2者をマッチングするプラットフォームを実現できていることだ。汎用的にいろいろな領域に使えることで我々の事業の幅を広げてくれる。事実広げている。

当初は日々実用的に使えるスペースとして、いわゆる会議室と言われるスペースから始まったが、今サービスを見ると分かってもらえると思うが、サロンスペースや屋外のフットサル場、屋上のバーベキュースペース、撮影に特化したスタジオなど、9年前と比べて種類がたくさん増えている。

今後もその場所を必要とする人たちがいる限り、あらゆるニーズを酌み取った場所が生み出されていく。もっと広がっていくと思う。

―今後はスペース利用者と掲載者の相互の課題を解決するような周辺領域を新たな事業対象としているようだが、例えば場所だけではなく、仕事(付随する役務提供)などいろいろあると思うがどのようなことか
今、インスタベースは、スペースを探してる人と貸したい人のマッチングを行っている。現状でスペースを使いたくて探している人たちは、セミナーや勉強会、打ち合わせ、物作りを教えること、講座の開講など、その場所に人を集めて何か開催する人たちというのが大多数だ。

そういった人たちがインスタベースのようなサービスを使って場所を押さえて、そこで自分のやってきたことや自分が教えられることを教える人たちによって、このサービスが支えられて使ってもらえている。そういった人たちが困ってることは場所だけではない。そういった人たちがもっと活動しやすい環境作りや、課題をしっかりとクリアしてあげられるようなサービスを、周辺領域の1つとして新規事業を展開しようとしている。

―タイミングとしてはいつ頃か
まだ具体的なタイミングは決まってないが、来年度4月以降のどこかで、しっかりとリリースできれば良い。

―配当政策は
中長期的には、しっかりと株主に還元していけるようにしていきたい。本日上場してしっかりと成長を実現していけいかなければならないフェーズであり、事業成長の実現にしっかりと資金を投資していきたい。内部留保を一定程度確保していきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]