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上場会見:ブロードエンタープライズ<4415>の中西社長、管理業務をDX

16日、ブロードエンタープライズが東証マザーズに上場した。初値は公開価格(2790円)を7.7%上回る3005円を付け、2420円で引けた。同社は、マンションオーナーや不動産管理会社、ハウスメーカーなどが建築・管理する集合住宅に、インターネットサービス「B-CUBIC」を提供。初期導入費用をゼロにするスキームも提供し、クライアントの経済的・心理的負担を下げる。2019年に、顔認証付きIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」をリリースした。中西良祐社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

B-CUBICの解約率は0.1%で、回線速度の高速化に伴い契約も更新され継続すると話す中西社長
B-CUBICの解約率は0.1%で、回線速度の高速化に伴い契約も更新され継続すると話す中西社長

―初値が公開価格を上回ったが、終値は下がってしまった。投資家からどのような評価を受けたと考えているか
上回ったということは非常に評価されたと思うが、最終的に下がってしまったということで、12月には上場会社が多く、(そのような)個人投資家の動きとなった。今後はたくさんあるうちの1つではなく、注目される成長企業を目指して企業価値を高めていきたい。

―同業や同様の商材が多いなかで、強みは手軽に導入してもらえることか
大きく2点ある。1つ目は、経済的なハードルを下げるという意味での導入費ゼロ円だ。もう1つはWi-Fiの業界とIoT、オートロックの世界は全く別の業界で、それぞれにライバル企業が存在するが、Wi-FiとIoTインターフォンをワンストップで提供できる会社は今のところない。上場企業でRobot Homeという会社があり、Wi-FiとIoTを提供しているが、元々はTATERUという会社で、外販ではなく自社で建てる物件をIoTマンションにする。営業現場でバッティングすることはない。

―オーナーが一括で頼めて手間もかからないのか
もう1つは、附随した強みだが、Wi-Fiサービスには光回線が必要で、IoTサービスにも回線が要る。我々はワンストップで提供できるので2本必要な回線を1本にでき、ランニングコストが半分で済むことが強みになっている。

―商材は自社開発か提携か
ハードに関してはメーカーがあり、OEM提供を受け、ソフトウェアやアプリはAPI連携してもらったうえで、企画やディレクションしてソフトウェア会社に開発を依頼している。

―商材がすぐに出てくるイメージか
開発コストや在庫を持たずに、スピード感をもって提供したい。

―BRO-LOCKに関して、今後、宅配ボックスなどいろいろなIoT商材を付け加えていくとのことだが、そのほかにどのようなものを賃貸マンション向けに付けていくと便利になるか
B-CUBICというインターネットWi-Fiをベースに、つながるIoTデバイスとしてローンチ済みのものは、BRO-LOCKとスマートロック、セキュリティカメラがあり、スマート宅配ボックスは、インターネットにつながることで、荷物がボックスに入った時点で、アプリに着荷の通知が届くといったことができる。

もう1つはスマートサイネージだ。管理会社が現地に足を運んでいたこと、例えば、エレベーターの点検の日やゴミ捨ての曜日の案内を投函していた、掲示板に貼っていたというものを遠隔からスマートサイネージに流すことで同じ効果をもたらすことができる。賃貸管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に貢献していける。

―全ての設備を後付けできるのか
インターネットがベースになっているのでそのマンションに合わせた設備を5つのなかで組み合わせてもらうことが可能となっている。

―売上債権を流動化して初期導入費用をゼロにすることは珍しいと思うが、2020年12月期の営業キャッシュフローがマイナスとなている。その背景や今後の見通しは
鈴木崇史CFO:流動化が営業キャッシュフローに影響していることは間違いないが、流動化が回り出したのが昨年ぐらいからで、そこまでは自己資金や融資で進めてきたので、営業キャッシュが先に出ていく形でマイナスになって、その分財務キャッシュで補填することを2019年頃まで行ってきた。2020年から流動化が本格化してきたので、今はまだ全てが流動化できているわけではないため、マイナスだが、来年早々に解消する取り組みを行っており、流動化が営業キャッシュフローのプラスに転じる要因になることは間違いない。

―その先に、何を見ているのか、マンションオーナーの困りごとを解決することか
中西社長:マンションオーナーの最終目的は満室経営だ。いかに魅力的なマンションに見せ、入居者に選ばれるマンションづくりを我々がWi-FiやIoTを使って実現できるか、コストをどのように抑え、支払い方法を工夫できるか。IoTという軸をぶらしたくない。

セキュリティカメラやスマートロック、宅配ボックス、スマートサイネージ、さらにどんな形ができるか模索中ではある。大型の賃貸マンションでも適用できる。管理人の採用難と人件費の高騰があり、IoTを組み合わせることで管理人業務をDX化していく。計画段階だが、分譲の管理会社とは話をしており、ニーズがあると聞いており、現場の声を形にしている。一部計画と開発、特許の申請をしている。2023年にスタートできたらと考えている。

―B-CUBICとBRO-LOCKの理想的な売り上げ構成比は
B-CUBICはサブスクリプションモデルで、急激な成長よりは安定的なベースで継続するビジネスであり、全国に展開するには早いので、営業拠点を2024年までに全国主要都市13ヵ所に広げていく計画がある。

BRO-LOCKに関しては、売り切り型の商品なので、9万円×20戸で180万円で、当期の損益計算書にヒットする。B-CUBICで安定成長しながら、BRO-LOCKでしっかり利益を出していく。

イメージだが、BRO-CLOUDは管理人の給料が仮に月額10万円であるとしたら、DX化したうえに、我々の月額のサブスク費用を例えば5万円で提案する形を考えている。例えば、大京であれば管理棟数が9700棟あり、そういったさまざまな管理会社にどんどん提案していき、SaaS型のクラウドサービスとして展開したい。まだスタートしていないので、どこまでかとは言いにくいが、向こう3年の中期予算でいえば、BRO-LOCKのほうが、売り上げ規模としてはB-CUBICを上回る予定となっている。

―株主還元の考え方は
税引き後利益5億円を達成した時点で配当性向20%を実現したい。

―その数字は、直近のものを見るとすぐのように見える
2025年を目標としてプライム市場に上がる計画を持っている。その基準をクリアするためには、その部分は当然クリアしなければならない計画で考えている。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]