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上場会見:みのや<386A>、独特のお菓子で客単価向上

7月18日、みのやが東証スタンダードに上場した。初値は公開価格の1540円を64.35%上回る2531円を付け、2523円で引けた。

強みである「スポット商品」や独特の商品を取り扱っていることについて説明する正木社長

―商品の回転率が高速なことと大量販売が強みになっているが、 メーカーから信頼を得るために、これまでどのように実現してきたのか。また、店舗数が増えるなかで、それらを新店でも継続していくための取り組みとして、どのようなものを考えているのか
直近では208店舗で、今日も大阪で新規オープンしているが、全てが直営店舗だ。店長あるいはパートナー、アルバイトにも、一気に売ることを日々浸透させている。商品が店に着いたらすぐに展開するのは簡単そうで簡単ではない。様々な商品の優先順位をつけて一気に販売するビジネスモデルだ。

―今後、ショッピングセンターへの出店がほとんどだと捉えており、一般的に路面店よりも駅に近いショッピングセンターなどは、賃料負担が重いと思うが、どのように今の収益性を維持しつつ、より高めていくのか
収益性は非常に重要なことで、路面店でもショッピングセンターでもそれぞれ長所と短所があるだろう。ショッピングセンターの良いところをより伸ばし、路面店の良いところを伸ばしてトータルで収益性を出す。例えば、ショッピングセンターの店舗のオペレーションは、パートナーの兼務店長という制度があり、多い人は5店舗の兼務をしている。パートナーとの連携が教育の一環であり、 連携することで、パートナーでも陳列しやすい仕組みを考えながら、属人的なやり方で仕組みを考えている。それによって社員人件費が低減しているので、それがコストを吸収している。

―初値の受け止めは
株価については非常にありがたいと思っており、経営者として真摯に考えている。今後も投資家に期待を持って保有してもらえるような形で継続的に経営し、まだ上場企業の1年生なので、様々なことを市場で経験していきたい。投資家との対話も非常に重要になってくる。

―ディスカウントストアやスーパー、ドラッグストア、専門店は競合という位置付けではないのか
常に様々なお菓子を売っているチェーン店は、切磋琢磨する仲間という意識だ。それぞれビジネススタイルなどが違って、皆お菓子を一生懸命売っている。我々もそれに負けないように一生懸命になることで相乗効果が生まれるし、様々な店舗からヒントをもらうこともあり、互いに専門店として頑張らなければならない強い気持ちがある。長年チェーン店をやって、お菓子を販売している企業もたくさんあるので、謙虚な気持ちで勉強していきたい。

―売上が上昇傾向にある理由はなにか
1つは、価格が上がっている。原材料が高騰しているので、自然増と言うか、今のところお菓子業界が好調なので、価格が上がっていても購入してもらえて、売上に良い影響が出ている。あと1つは、顧客に付加価値のある商品を提供すること。こちらは、価格競争にあまりならないような、当社独特の商品も品揃えしながら、客単価を上げていると感じる。

―スポット商品が特徴だろうが、全商品の何割ぐらいなのか
厳格な数字は捉えていないが、数字の高くなる月と低くなる月があり、平均すると約3~4割がスポット品の売上になる月もある。ただ、スポット商品にあまり頼りすぎるといけないので、通常品の特売なども行う。スポット商品が強みでもあるが、ほかも強化していかないと、スポット商品の強みを生かせないことになる。

―昨今、原材料価格が上がっていて仕入れ値も上がっていると思うが、スポット商品は値上げ傾向の影響を受けにくいのか
スポット商品が出回る一定の理由がある。例えば、七夕のセールの商品が余剰になってしまい、七夕が終わった後に、当社で販売することもある。それを高速でできる。メーカーも計画的な製造をしているが、はみ出す商品が必ず出てくるので、メーカーと当社の間で、「お互いにそういうときに声をかけてください」ということを伝えている。

―スポット商品の仕入れ値は上がっているのか
当然少しずつ上がっているが、定番商品と比べたらまだ安い価格で販売する。ストック商品だから安くということよりも、メーカーに迷惑がかからない程度に売ることも大事だ。

―2025年6月期の原価率は62.6%だったが、原価率は大きく変わったことはあるか
10年ぐらいかけて徐々に上げている歴史がある。仕入れで定番品などもかかっていると思うが、一朝一夕にここまで来たわけではない。売上が下がってくるので、一気に上げるのも良くない。 一定の利益率は保つという形になる。

―人手不足やコスト高への対策は
人手の確保については、パートナーでも一部で業績連動賞与的なものを導入している。社員もパートナーもそれを楽しみにしている。

―「既存の型にとらわれない新たな店舗運営スタイルの構築へ」とあるが、新たな店舗運営とはどういうものか
我々は様々なスタイルに名称をつけ、それを進化させている。陳列スタイルの具体的な名称は企業秘密で言えないが、様々なスタイルを実験している。どうしたら購入頻度が上がるかなどを店で試したり、店長同士が情報交換したりする。

―正木社長が重要視している経営上の指標はなにか
ROEも経済的な指標としてあるが、1つは総粗利額だ。もう1つは既存店前年比で、これは業績を向上させる。ただ、粗利ばかり追いかけると、売上が減ってしまう。掛け算なので、粗利額と既存店前年比はドミナント出店をしていくとカニバリゼーションを起こすが、そうしないようにうまく上げていく。これは解がなく、既存店前年比は常に我々のテーマだ。

―付加価値のある商品が当社ならではの独特な商品と言っていたが、具体的にどういったものか
例えば、煎餅などの米菓は大手メーカーの商品は扱っているが、それだけではなくて地方でしか買えないメーカーの商品や小さな規模のメーカーの商品の扱いを増やしている。なかなか買えない、あまり見ない商品が特徴になっている。

―店舗での取り扱い商品は全国である程度統一されているのか、それとも店舗ごとで特色があるのか
店舗ごとに特色が出る。エリアによって顧客層が違ったり、地方色も多少出るので、扱っている品目は同じだが、どういう傾向のものが多く出るかは、立地によって変わるので、そこをきっちりと分析しなければならない。分析も簡単ではなく、失敗と成功を繰り返しながら徐々に成功に持っていく。

―路面店とショッピングセンターで出店しているが、将来的にチャレンジングな出店形態はあるのか。また、今までの「おかしのまちおか」とはまた違った何か新たな取り組みなどは考えているのか
今は「おかしのまちおか」をとにかく300店舗にすることを考えている。将来的には、アイデアはいくつもある。ただ、それは「おかしのまちおか」がもっと確固としたものになるまで取っておく。

―今後その店舗の拡大に伴って、物流センターの増強や新規の投資は何か考えているか
5年程度で店舗数が増えて、容量容積率も一定の期間で倉庫に限界が来るので、5つ目の物流倉庫も必要になってくるときもある。ただ、直近では、まだ十分余剰がある。

[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]