22日、アイデミーが東証グロースに上場した。初値は付かず、公開価格の1050円の2.3倍である2415円の買い気配で引けた。法人向けのAI/DXプロダクトやソリューション、個人向けのリスキリングを提供する。エンタープライズ企業のDX人材育成のため、オンライン研修の「Aidemy Business」を展開。そこから「Modeloy(モデロイ)」というソリューションの利用につなげ、DXに必要なテーマ選定やPoC(実証実験)、開発などで企業のDXを支援する。石川聡彦CEOが東京証券取引所で上場会見を行った。 ![]() ―売買が成立しなかったが、受け止めは ―上場の目的として、これまでできなかったアクションプランを実現してさらに成長していきたいとのことだが、具体的には ―Aidemy Businessの利用を途中で止める会社もあるのか 止める会社が一定数いるのは事実だ。特に、SaaS系の会社と比べれば、解約率は高い水準になってしまっている。それは人材育成というサービスの特性上、「やりきった」という解約もあるのも事実だ。満足してもらえないこともあるが、やりきった解約もある。人材育成だけで継続してもらうのではなくて、Modeloyを通じたクロスセルの提案の幅を広げていくことで、会社としての契約がずっと続く状況を目指せると思うので、フォローアップしていきたい。 ―Aidemy BusinessからModeloyに移行するタイミングが、利用する会社によって重複する可能性があるが、人材リソースのキャパシティとの関係について聞きたい ―Modeloyの利用者数は ―人材戦略について、オンボーディングで工夫していることも含めて聞きたい 技術職については、フルのリモートも認めている。1人ひとりプロフェッショナル性の高い人材が集まっており、そういった人を採用していく。一部にまだAI/DXに関する知識がない人もいるので、自社のAidemy Businessのサービスを社内でも利用できるようになっているので、知識をキャッチアップしてもらう。このような人材育成に取り組んでいる。 ―リスキリングに政府が力を入れており、経済産業省が一昨日に発表した支援事業にアイデミーも採択されたが、法人向けのシェアが伸びている。今後も法人のほうが良いのか、国が旗を振っているので個人向けのリスキリングが想定以上に伸びるのか 経産省でも、我々を事業者として補助の対象として発表した。厚生労働省の教育訓練給付金という制度も、数年前から補助対象の業者として選定されている。今後も国の強い後押しを受けながら加速していくのではないか。 法人向けの学び直しも、政府の支援策が始まっている。法人向けでは、厚生労働省の人材開発支援助成金というアイデミーが対象となる制度があり、法人顧客の学び直しも支援してもらえると思う。法人も個人も、国の強い支援があるなかで事業を展開できるのではないか。 ―今は国内のエンタープライズ企業が顧客だが、将来的に中小向けやグローバル展開は ただ、今はエンタープライズにまだまだ集中する時で、従業員1000人以上のエンタープライズは日本だけで4000社あると見込んでいる。1年の取引先が263社、累計で400社とシェアを10%も取れていない。少なくとも累計で1000社ぐらいに無理なく到達できると想定しているので、そこまではエンタープライズに特化する。 ―国内外の競合は。また、将来的にどんな会社にしたいのか ほかにもAI関連のスタートアップであるJDSC<4418>やPKSHA Technology<3993>といった会社は、顧客から比較対象として名前が挙がったことはないが、ビジネスモデルとして近いものもあるので、比較対象にはしている。教育研修では、AI/DXに特化していないが、インソース<6200>は法人研修に強い会社として、稀に顧客から引き合いに挙がる。 目指している形というわけではないが、ビジネスモデルが似た会社として、グローバルセキュリティエキスパート<4417>がある。セキュリティ分野に特化して人材育成とコンサルティングを提供する会社だ。分野が違ってビジネスモデルが似ているため、参考にしている。将来的に、エンタープライズとの強い関係性という意味で、SHIFT<3697>はソフトウェアテストを切り口に、さらにいろいろなサービスに引き伸ばしている。そこはベンチマークにしたい。 ―今後の株主還元方針について、具体的な数字などがあれば [キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平] |
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