15日、チャットプラスが東証グロース市場に上場した。公開価格の1080円を111.48%上回る2284円の初値を、上場2日目に付けた。大江繭子社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―Anthropicによって今後SaaSは厳しくなるのではないか。IBMの株価が大幅に下がったが、市場の変化をどのように見ているか
我々の製品は複数のAIの技術を取り込んで開発している。AIの技術が上がれば上がるほど、プロダクトの精度も上がっていくと思っているので、そのAIに直接取って代わることはなかなかないだろう。チャットボットは、社内のナレッジを検索する目的で使われることもあるが、そこがメインではなく、基本的には社外の問い合わせに対する解決を促すものなので、現状は市販のAIに取って代わることはすぐにはないと考えている。
―ロードショーでの投資家の反応で印象的だったものは何か。また、特に評価されたところは
「少ない人数で非常に効率的にやっている」という話をしてもらうこともたびたびあった。現在の従業員は22人で、1人当たりの売上高もかなり高い。スピーディーに経営していくということで、会社の文化としてミーティングが毎朝ある。今日のタスク、週のタスク、月のタスク、年のタスクがカレンダーのようにびっしりとなっており、それを皆で朝チェックして、やっているかやっていないか、あとは顧客の声もそこで毎朝確認している。昨日あった話が、そこですぐ判断できる状態になっている。
顧客の声は、朝のミーティングだけではないが、そういったところでいち早く開発も営業も管理・経営も含めて、その声を聞くということを重点的に行っている。これが結構効率的なやり方で、(従業員数が)少なくてびっくりされることが多かったが、これが特徴だと思う。
―上場後の成長戦略は
まずはAI Agent Plusという製品を集中して伸ばしていきたい。昨年、AIエージェント元年と言われたが、現場ではそこまでの活用が進んでいる状況ではまだない。人を1人雇うのと同じぐらいの働きをしてくれるという価値観の下、導入してもらえるように、より機能をアップして、様々なことをAIエージェントがしっかり判断して、遂行できるところを目指していきたい。
―調達資金の使い道は
森下俊光CFO:調達資金は、新規機能やサービスの開発と人材投資、販売促進活動に使用する予定だ。当社は、既に安定的、経常的に利益を上げられる収益費用構造になっている。フリーキャッシュフローが積み上がるので、積み上がったものは、将来のさらなる成長投資に向けていきたい。
―解約率はどのぐらいか
大江社長:月次平均で大体1.8~1.9%だ。
森下CFO:補足すると、安定収益を支えているChat Plusが1.8~1.9%だが、AI Agent Plusはそれより少し低い解約率となっており、単価も高い。解約率は低いので、LTVの最大化、最適化ができ、収益への貢献も大きくなっている。
―M&Aは考えているか
大江社長:現状では具体的にというところではないが、将来的にはM&Aも考えており、人数的にも事業的にも拡大していきたい。
―海外展開は考えているのか
現状、具体的に海外のどこかで展開することは考えていないが、Chat Plusは既に13ヵ国語に対応しており、クレジットカードでの購入も可能になっている。把握しているなかでは、海外からの直接の申し込みもあるが、日本企業の現地法人でいくつか使ってもらっており、タイであればタイ語で、その企業の現地のスタッフが、顧客とやり取りしていると聞いている。タイに限らず、インドや東南アジアを中心にいくつか使われているのは把握している。
―海外のローカル企業への販売は考えているか
現状は具体的には考えていない。売らないというわけではなく、そこに注力するかという視点で言うと、今はそこまでプライオリティが高くない。
森下CFO:AWSのプラットフォームで出しているものはあるが、すごく注力して売れているかというと、まだそうではない。ただ、将来的な海外展開を目指して、足がかりのようなものを作っていけている。
―株主還元の今後の方針は
まだ成長途上の会社なので、成長投資を優先して考えている。安定・経常的に利益を出せる事業基盤になっているので、余剰キャッシュフローのなかで、株主還元を考えていきたい。今の収益が計上される限りにおいて、経常的に配当することを考えている。配当性向は、まだ上場したばかりで、実績がないので、今後の成長投資と実績を踏まえて考えていきたい。決まったら適時開示などで公表する。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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