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5月の10年地方債第1陣:ショック後のC+20bp、大量供給を捌く

9日の地方債市場では、10銘柄の10年債が条件決定した。以下は案件レビュー。

発行体名 年限 発行額 償還日 表面利率 対国債 対カーブ 決定時 方式
埼玉県 10 250 2035/5/18 1.577 22 20 主幹事
千葉県 10 200 2035/5/25 1.544 22 20 前日大引 交渉
神奈川県 10 150 2035/3/20 1.557 20 20 主幹事
長野県 10 350 2035/5/25 1.577 22 20 主幹事
静岡県 10 200 2035/3/20 1.524 20 20 前日大引 交渉
兵庫県 10 100 2035/5/23 1.577 22 20 主幹事
奈良県 10 100 2035/3/20 1.557 20 20 主幹事
広島県 10 100 2035/5/22 1.544 22 20 前日大引 交渉
福岡県 10 100 2035/5/22 1.577 22 20 主幹事
大阪市 10 200 2035/5/21 1.577 22 20 主幹事

発行額:億円/表面利率:%/対国債・対カーブ:+bp

大阪・関西万博のPR(2025年4月21日、大阪駅)

国債カーブ+20bpに決まり、4月の+15bpから5bpワイド化した。4月債はセカンダリーでの需給軟化に対応し、3月の+9bpから6bp上方修正したものの、”トランプ関税”の発表によって相場が大荒れとなり、金利が急低下した。この事態を受けて流通実勢がそれまでの+10bp台半ばから同後半に広がったうえ、5月は大量供給を控えていた。こうした状況で、5月の第1陣は安定消化を目指して再び大幅な水準調整を行い、+20bpで10本・計1750億円の起債をこなした。

鎌倉大仏(2020年2月24日、神奈川県鎌倉市)

10年物国債の利回りは、日銀の追加利上げへの思惑などによって、昨年度末までに上昇傾向が続き、3月27日には1.590%を付けた。一方、米国時間4月2日の”トランプ関税”政策の発表を受けて急激に低下し、7日に1.105%と、1週間ほどで約40bp下がった。その後はボラティリティを伴いながら1.3%近辺で推移。5月債は供給の増加と第1陣の集中が見込まれたなか、2ヵ月連続でのワイドニングは4月の早い段階で既定路線となり、一声国債カーブ+20bpの主張が投資家から聞かれた。

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