18日、ジェノバが東証グロースに上場した。初値は付かず公開価格の470円の2.3倍である1801円の買い気配で引けた。GNSS(Global Navigation Satellite System=全球測位衛星システム) 補正情報配信サービスなどを手掛け、測量や土地家屋調査、建設、ドローン物流、農業などでの位置情報利用を支援する。顧客がGNSS受信機で取得したデータとジェノバが配信するデータを組み合わせ、誤差が数センチメートルに収まる高精度測位を実現する。河野芳道社長が東京証券取引所で上場会見を行った。 ―初値が付いていないが、感想は ―独自性の高い事業と見るが、競合の認識は 電子基準点は、現在2つのメーカーが作っている。1つはトプコン<7732>という測量機器メーカーで、もう1つはトリンブルだ。この2つが電子基準点を分けているが、競合先はトリンブルの電子基準点を主に使っている。サーバー・システムでトリンブルの解析ソフトを使っていることが理由だ。ソフトを使用するにはトリンブルの機械が最も良いため、その基準点を使って情報を配信していると聞いている。 当社は1300の基準点を使い、基準点間の距離が短い形で測定する。そうすることで顧客に安定性や信頼性の高いデータを供給する。これが2社と当社との違いだ。 ―国内展開のみか ―これまでの売上高の伸び率が11.5%で、今期は6%弱と一服感がある ―災害での利用は、従量課金か定額課金か ―市場シェアの今後と業績予想について。市場はとても伸びそうだが、予想業績の伸びが小幅に見える。この状況が続くのか。中長期的な計画は 河野社長:当社のデータだけでは高精度の位置を測れないので、機材が必要となる。これまで、測量機器メーカーの販売店に対してデータを配信してきた。測量機メーカーが測量機を販売する時に当社のデータが一緒に出ていく。これは、測量機器では非常に重要なポイントで、高精度の位置情報を必要とするほとんどの顧客は、販売店から購入する。そこにサービスを提供することで徐々に顧客が増えている。 新規では、KDDIや日立産機システムといった会社と、新しいビジネスパートナーを作っている。現在、新しい市場について両社と事業を進めている。上場を機に知名度や信頼度を上げることで、様々な顧客との連携が可能になると感じている。そこで新しいパートナーを形成し、様々な市場に事業を拡大したい。 ―業績の伸びの見方が保守的という点で、受け手側の事情があるというのは、GNSS受信機メーカーとの関係で、伸びが小幅になるということか ―クライアントの設備投資に依存するということか ―中長期の成長イメージでは、4倍程度の伸びを想定しているようだが ―要求精度がより低いミッドレンジ市場で、位置情報を提供する通信キャリアと競合するが、事業を拡大する際に、競合との関係では何が顧客に刺さるイメージか キャリアが使う計測方法は、いわゆる基準点から未知点(の距離)を1対1で計測するものだ。これは、(基準点からの)距離が離れると、データの精度が悪くなる。当社は、距離が離れる問題はなく、未知点に非常に近いところで仮想基準点を設定でき、精度が安定する。安定性で差別化し、それを必要とする顧客に事業を拡大していく。 ―KDDIは競合でもあり協業相手でもあるのか ―最近、人流をデータとして扱うunerry<5034>が上場してきた。同社もスマホの位置情報を使うが、マーケティング分野でジェノバのデータが使われる可能性はあるのか ―株主還元の方向性について [キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平] |
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