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上場会見:LiNKX<584A>、黒子のシステム刷新、生産性向上に貢献

23日、LiNKX(リンクス)が東証グロース市場に上場した。公開価格の790円を36.08%上回る1075円の初値を付け、1375円で引けた。オサムニア モハメッドCEOが東京証券取引所で上場会見を行った。オサムニアCEOの回答はほとんどが英語だったが、中尾公一COOと小林正典CFOによる補足をオサムニアCEOの発言内容として記載した。

オサムニア モハメッドCEO
エンジニアリング・ファーストを重視していることや、日本人だけでなく海外のエンジニアが一緒になってハイブリッドなカルチャーを育んでいることなどを説明した。

―初値の受け止めは
株価は市場が決めることではあるが、今回の評価は期待の高さだと受け止めている。我々ができるモダナイゼーション(近代化・最適化)で、日本の社会をより良くすることで企業価値を高める。

―モダナイゼーションに取り組む意義は
日本では、65%の企業がレガシーと呼ばれる古いシステムを利用しており、その古いシステムが成長の障害になっている部分がある。その一方で、AI技術の進化のスピードは凄まじく、3ヵ月ごとに新たな技術が登場する。それに対応できる企業とできない企業とで、競争力に大きな差が生まれている。自分たちが持つテクノロジーによって、レガシーシステムに課題を持つ企業に対し、システムの現代化とAI活用を実現することで、競争力を持ってもらいたい。そして、それによって日本社会の活性化に貢献する。

―特定顧客への依存度が高いが、顧客構成についてどのような戦略を考えているか
現在、北国銀行とのプロジェクトで次世代型の勘定系システム開発を支援している。これをローンチさせることが北国銀行にとっても重要なことだが、我々にとっても勘定系システムで大きな実績を作るという意味で、重大なマイルストーンになる。ここにまず注力し、顧客のポートフォリオの偏りについては、北国銀行との成功実績を活かして、ほかのパイプラインへと繋げていく。実際、これについては、既に動いている。

―どのような考えで今回の公募株数(18万9100株)を決めたのか
小林CFO:当社は既に黒字化しており多額の資金調達は必要ではない。希薄化を最大限抑えつつ、グロース市場の上場維持基準である流通株式比率25%以上を確保することに鑑み、今回の公募株数とした。

―成長性を考慮した場合、もう少し増やすという選択もあったのでは
小林CFO:将来的にはそういったこともある程度検討するが、現時点では、まずは市場に認知をしてもらうためのIPOという位置付けだ。資金調達よりも、市場からの信頼を獲得することによって顧客との取引拡大を狙う。また、システムモダナイゼーション市場における存在感を高めることで、採用も含めた認知度を向上させ、成長に向かう。これらが今回のIPOの主目的になっている。

―これまでの顧客である「みんなの銀行」や北国銀行などは、テクノロジーに対する理解度が高く、技術力もあったと思うが、今後は「そうではない」企業への展開もあるかと思う。どのような展開策を考えているか
成長初期段階で、金融機関のミッションクリティカル(24時間365日の安定稼働が求められる極めて重要な要素)な領域で、APIやデータ基盤を支援するとなると、テクノロジーに理解がある顧客からトラックレコードを作るというのは、自然な流れだった。

これまでテクノロジーに慎重だった顧客層への今後のアプローチについては、AIの進化が追い風となっている。AIを「攻め」として活用したい、あるいはAIの脅威に対する「守り」を固めたいというキャッチアップへのニーズが強くなっている。そのニーズに応えており、結果として、現在パイプラインも増加している。

―金融データのノウハウをほかの領域に横展開していきたいとのことだが、具体的には
現在、様々なインダストリーから需要があり、そのなかでも分かりやすくニーズがあるのは製造業だ。ただ、我々としては、どの業界を攻めるにしても、AIによってレガシーな部分を解消していくプロダクトである「AXcelerator」があるため、これが活きる産業であれば、どこであってもポジティブに、アグレッシブに展開していく。

―2026年6月期の予想では、売上高約19億円、営業利益約4億円としているが、ここからいつまでにどれほどの規模まで拡大していきたいか。また、どんな会社にしていきたいか
小林CFO:規模については、数字での開示はしていないので控える。現在の30~40%の成長率を中長期でも維持しつつ、モダナイズの需要を取り込んでいく。当社は、ほかのSIerと比較すると営業利益率が高く、これをさらに改善しながら「AXcelerator」など、既存のいわゆる人工(にんく)ビジネスではない自社ソリューションで、収益性の改善を図り利益率を高めていく。

―日立製作所<6501>や富士通<6702>がAIを活用したシステム刷新事業に関する発表を最近しており、競合相手になっていくと思うが、どのように差別化していくのか
こういった流れは我々も歓迎しており、日本社会にとっても良いことだと捉えている。

基幹系の部分でAIを活用していくには、AIと古い技術の双方を熟知していなければならないが、大手のSIerでも、両方を満たすのは難しい。当社は、その両方のテクノロジーにおいて「尖っている」という点で独自のポジショニングを確立している。大手のSIerが、レガシーは分かるが、AIとの融合の部分でキャッチアップをしたいといった際に、我々がその手助けをする。実際にそうしたコラボレーションは動き始めている。

日立や富士通と競争するのではなく、黒子としてケイパビリティ(能力)を提供し、SIerを支援することで、日本社会全体の生産性向上に貢献していく。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 紫乃]

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