12日、フィットクルーが東証グロース市場に上場した。公開価格の2200円を36.36%上回る3000円の初値を付け、2617円で引けた。鹿島紘樹社長と矢野佑樹常務が東京証券取引所で上場会見を行った。

―女性専用パーソナルジムという事業を中心に据えた背景は
私はそもそも整骨院を営んでいた。患者には “お母さん世代”の女性が多かったが、彼女たちが家で元気になることが家庭を明るくし、ひいては地域を明るくする。もっと広く言えば社会を明るくできるのは、女性が元気になることなのではないかと。それを体現した結果、ジムを立ち上げる時に女性専用にした。
もう1つは、男性はトレーニングする時に、男女が混在していてもそんなに気にならない。一方で、女性は男性がいるとどうしてもトレーニングしにくいので、専用にする必要性があった。
―時価総額が現状で30億円未満だが、上場してから 5 年ほどで 100億円となる必要がある。どう広げるのか
上場した理由の1つに資金調達があるが、我々はそれをもって出店を加速していきたい。出店ビジネスであり、店舗数が売上を伸ばす1つの要因になるので、出店を着実に進めていくことが100億円を目指すことになる。もちろん、これは審査の過程にもかなり議論になり、本当に100億円を目指せるのかという点はしっかり議論させてもらったうえで今日に至った。
―何年後に何店舗という出店目標はあるのか
矢野常務:何年後に何店舗という明確なものはないが、当社はパーソナルトレーニングジムを行っており、トレーナー1人ひとりのスキルや能力が非常に重要と考えている。当社のトレーニングの仕組みを広げていく予定だが、トレーナーの育成と出店のバランスを見ながら出店戦略を検討し、年に20店舗ぐらい出店していきたい。
―老若男女を問わずに整形外科医が監修したトレーニングと栄養指導を行う「Dr. plus Fit」(男性も対象)は大阪にのみ出店しているが、今後は
鹿島社長:現在は4店舗全てが大阪にあるが、今後は関東圏や全国の地方にも広げていきたい。
―長期的に見て、20~40歳代の女性は減っていく。そうすると店舗の拡大戦略から舵を切る局面が生ずるのではないか。それを見越して育てていきたい事業はあるのか
それがまさにDr. plus Fitで、これは男女ともに、そして高齢者も対象にしているので、その出店戦略が成長のカギになってくる。
―短期集中型の「UNDEUX SUPERBODY」とそのセカンドラインで月額制の「UNDEUX SUPERBODY LIFE」は、平均で単月黒字達成まで0.3〜0.4年、投資回収期間が平均1.7年と収益性が高い。これは、新規出店を後押しする強みで、それを実現できる要因としてデータに基づいた広告・出店戦略などいろいろあるだろうが、最も効いている要因は何か
集客面だと思う。ターゲットは20~40歳代の女性なので、広告を全体に打つよりもやりやすい。
―「Dr. plus Fit」は男性も利用可能なので集客戦略が多少異なるだろうが、既に確立しているのか
始めて3年近く経っていて、地域に密着した形で集客を行う。UNDEUXブランドはネット集客がメインとなるが、地域密着を目指すDr. plus Fitでは、紹介での集客や、デジタル広告ではなく、アナログ広告も有効で、別の集客としてこの3~4年運用しており、確立できている。
―昨年7月に上場したフィットイージー<212A>が、ジムでAIカメラを使って利用者の運動量を測定したいと上場時に話していた。フィットクルーの場合、今年9月にAIを活用した自宅トレーニングサービス「TOROWASU(トロワス)」というスマホアプリの提供を開始したが、今後の事業でのAI活用に何か見通しはあるか
我々は基本的に1対1で提供するサービスなので、AIに頼るよりも人をしっかり育成していきたい。この先どのようなAIが出てくるか分からないが、顧客の結果につながるようなAIが出てくるのであれば、もちろん取り入れていきたい。今の段階で何かあるとは考えていない。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]
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