23日、サイバーソリューションズが東証グロース市場に上場した。公開価格の1380円を38.70%上回る1914円の初値を付け、1860円で引けた。林界宏社長が東証で上場会見を行った。

―公開価格を約4割を上回る1914円の初値を付けたが、受け止めは
株価は、我々の通信簿だ。投資家からの評価なので、私からコメントするものではない。事業の利益を最大限にすれば、マーケットからも評価してもらえるだろう。
―日立システムズとの業務提携について。その狙いと今後の取り組みで進展や新しいものはあるか
日立システムズとは事業提携だけではなく、資本提携するとお互い一層良くできる。同社も当社のセキュリティなどを取り入れたいのが1つ。2つ目は、当社のビジネスモデルだ。同社はSI(システムインテグレーション)や1回のみのものが多い。我々の商品を売るときに、ストックビジネスや利益率の高さなどのヒントを得て、どこかを変えれば、すごい利益が出るようになるという狙いがあるのだろう。我々も、同社のコールセンターなど、インフラやサービスを利用したい。全国でなにかあったときにすぐに対応するが、協業すると、我々が行かなくても、委託すると全部できる。お互いがそのようなメリットがあって、ジョイントしている。
―ハイブリッド経営とあるが、セキュリティとコミュニケーションの2つの事業でシナジーはあるのか
ある。今、セキュリティのインシデントが起きている半分ほどはメールからだ。我々がメールをしっかり押さえているから、セキュリティの書類を提供するが、ベンダーがメールまで提供することはほとんどない。恐らく、我々がその仕組みと中身を1番知っていると思う。また、顧客のかゆいところに手が届く(ものを提供できている)。「こういうのをやって欲しい」や「こうやったら便利だ」などを提供できることがシナジーだろう。
―ファブレス経営は、今後もずっと続けていくのか
続けていく。 1つはファブレス経営だから技術者がいないのではないかと皆が思うが、そうでもない。3分の2は技術者で、クラウドの運用などは全部技術者だ。我々は仕様を書いて、台湾でプログラミングをやっている。それが終わった後に、我々が全部検証する。検証して、サポートして、トラブルのときにはしっかり謝りに行く。検証しないと日本の顧客は(厳しい)。台湾は最近良くなったが、米国のクオリティは絶対駄目。バグは当たり前だと思っている。日本の顧客はバグがあったら「なんでバグがあるんだ」と大変だろう。そこがカルチャーの違いだ。きちんと検証して、きちんと日本のクオリティを提供できていると思う。
―様々な企業を運営してきたが、将来的にこの会社を手放す可能性はあるのか
いつかは手放さなければならない。死ぬ時とか。2001年で1回上場しており、今回は2回目だ。普通、2回目というのは、あまり良いイメージがない。例えば、1浪やバツイチなど、イメージは良くない。それは冗談として、今日の初値で時価総額は302億円で、嬉しいことではあるが、そんなに嬉しいわけでもない。前回のエグジットでIBMに売却した際は550億円だったからだ。1000億円程度になったら、「何かやった」という気持ちになる。だから自分の責任で1000億円までは持っていって、あとは後継者をしっかりと育てることが私のモチベーションだ。
さらに、過去5年間で利益のCAGR(年平均成長率)は大体24%。複利で計算すると、4年弱で倍。今300億円でも500億円程度になる。それで残りの500億円はどうするかと言うと、これから様々なパートナーシップを組んで提携していくことやM&Aを考えている。できればもう少し短いというか適正な時間で達成したい。
―今後新規事業で考えているものや、将来的に構想しているものはあるか
1つはセキュリティが伸びるので、この分野は強化していきたい。2001年もセキュリティで上場しているため、自分の知っている分野を伸ばしていこうと思っている。 コミュニケーションに関しては、「SecureCommunicationONE」で、顧客の不便なところ(に対応するもの)を提供したい。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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