18日、akippa<627A>が東証スタンダード市場に上場した。公開価格の570円を118.25%上回る1244円の初値を付け、1037円で引けた。金谷元気CEOが東京証券取引所で、同日午前に上場会見を行った。

―初値はまだ付いていない現状についてどのように受け止めているか
多くの期待を寄せてもらっていることにまず感謝したい。その期待に応えられるように大きく成長し、投資してよかったと思ってもらえるようにしたい。
―スタンダード市場へ上場した理由は
スタートアップの場合、一般的にはグロース市場へ上場することが多いが、今後の戦略の中にM&Aがあることがスタンダードを選んだ大きな理由だ。これまで、レガシーなコインパーキング事業者と話す機会も多く、安定した企業に任せたいという声をよく聞いていた。そこで、スタンダードに改めて着目した。
スタンダード市場は安定的な会社が上場することが多い市場だが、だからといって成長できないわけではない。当社の成長にとって何が一番良い選択肢かを考えたとき、やはり安定感のある会社になり、M&Aをしっかりと推進していける、それが最も成長につながるとの考えから、スタンダードを選択した。
―グロースは、上場5年で100億円以上という維持基準があるが、それを意識したものではないということか
そこを意識したものではない。気概としては、5年で100億円は、当然乗り越えるべきと社内でも話しているが、そこに関しては意思決定に影響はしていない。
―資金調達について
西野将規CFO:今回調達した資金は、主にプロダクトの機能拡充に充当する。ユーザーやオーナーの利便性を向上し、プロダクトの基盤を強固にして、より安全なプロダクト、サービスを提供していく。
―国内で売上高500億円を目指すとのことだが、いつ頃か
金谷CEO:具体的な時期について回答するのは難しいが、数年内にできる限り早く到達したい。
―売上高500億円は、駐車場事業「アキッパ」で目指すのか
M&Aも含めてだ。駐車場事業の成長率については、まだ高めていくべきと認識している。予想では今期12.6%の成長率を見込んでおり、上期では15%の実績となっているが、ここはもう少し引き上げていきたい。だが、それだけでは届かない部分があり、我々が実現したい世界を考えた際に、M&Aを含めた部分も大きな比重を占めてくる。
―M&Aというのは、長期ビジョンのうちの第2ステージである「スマートパーキング市場での成長」における、レガシーなコインパーキング事業者のことか
そうだ。ターゲットとしては、レガシーなコインパーキング事業者に加え、月極駐車場事業者も対象としている。供給を増やしてスマートパーキング化を進め、アセットライト化を図りながら、ユーザーが便利に使える状態を作っていきたい。
―駐車場事業以外の新規事業の開始やM&Aをされるのではなく、あくまで駐車場事業で伸ばしていく考えか
現状、社内ではPOC(Proof of Concept=概念実証)として、チケット販売やEV充電の実証実験を行っているが、基本的には駐車場直接収益の領域で成長していく。将来的には、その利益を他事業へ投資する可能性もあるが、ほかの事業はまだPOC段階を出ていないため、それも踏まえて、まずは駐車場の直接料金の領域を伸ばすことを狙っていく。
―小粒上場と言われている点についての受け止めと、その状況を払拭し巻き返していくうえでの今後の決意について
その点については、まず既存株主と長年にわたり議論を重ねてきた。上場のタイミングや株価についても、もちろん話し合いをした。しかし最終的に、成長につなげるために、いつ、どの市場に上場するかに関しては、株主にも賛同・納得してもらい、大変感謝している。
ただ、上場時の現在の市況を見ると、当社の価格が低いというわけでは必ずしもないが、最初はこうした価格が付くこともある。とはいえ、上場という選択肢自体が年々減ってきているように感じており、起業家の中にも、もはや上場という選択肢はないと言う声もある。しかし、私たちは、小規模での上場だからといって成長できないとは考えていない。
上場によって得られる提供価値をしっかりと成長につなげることで、今の時代における新しいロールモデルを作っていく。小さく上場したとしても、その後大きく成長し、1000億円、そして1兆円という規模を目指していく。ほかの起業家にも、そうした選択肢があるということ、大型上場やM&A以外にもこうした道があることを示していきたい。
―駐車場の拡大について、個人宅や月極駐車場などいくつか挙げていたが、今後注力していきたい駐車場のカテゴリーについては
小林寛之COO:今後注力したいタイプについては、現在、月極駐車場や個人宅、コインパーキングといったカテゴリーを比較的幅広く展開しており、引き続き幅広く取り組んでいく。
ただ、カテゴリー別に注力先を絞るというよりも、社内でこれまで蓄積してきたエリア別のデータや、どこにどれくらいの台数があるか、今後の需要がどう変化するかといったデータを重視している。これらをAIで解析し、どのエリアに集中的にリソースを投下して駐車場を増やしていけばよいかを検証しながら運用している。高い需要が見込めるエリアに営業人材を集中的に配置することで、今後も駐車場を拡大していきたい。
―エリア別のデータというのは、具体的には都道府県単位のようなものか
当社では、250メートル四方のメッシュ単位で全国をエリア別に分け、その単位で需要と供給を観測している。そのため、あるメッシュで需要が高く供給が少なければ、駐車場を増やす必要があると判断できる。逆に、需要が少なく供給が多い場合は、マーケティングなどで需要そのものを増やす必要がある。こうした需要と供給のバランスを見ながら、どちらに一層力を入れるべきかを経営判断している。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 紫乃]
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