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上場会見:ヒット<378A>、屋外広告市場は大化けする

ヒットが東証グロース市場に上場した。公開価格の1500円を44.4%上回る2166円の初値を付け、2666円で引けた。深井英樹社長が東証で上場会見を行った(7月4日取材)。

今後の展望や全国展開する上での課題について説明する深井社長

―会社概要について
今年で36期目を迎える、屋外広告を専門に取り扱う広告会社。「屋外広告のリーディングカンパニーとして世界を変えるメディアを創造する」という経営理念を掲げている。2010年頃から15年、広告に特化した大型ビジョン事業を展開している。自社媒体は、61媒体139面。ビル3棟で4面の広告を付けるなどの場合、バラ売りをせずに1つのパッケージとしてセット版売しているところが特徴だ。

前期の売上高は41億2200万円で、自社アナログ媒体が13.7%、自社デジタル媒体が76%、その他サービスが10.2%。2021年以降、デジタル媒体事業が順調に成長し、それに伴って売上は右肩上がりで推移し、これに引っ張られる形で、利益も同様に増加している。この成長の背景には、当社が屋外広告、特に繁華街の大型ビジョンに注力する方針へと舵を切ったことがある。今後も繁華街の屋外ビジョンの媒体を増やすことで、さらに売上を伸ばしていきたい。

―創業35年となるこの時期に上場した狙いは
大きい媒体を作成することにこだわりがあるが、1つの媒体を作るのに約2~4億円かかる。自前の資金でやっていくのには限界があり、株式市場から資金調達をしたいというのが大きな狙いだ。

―全国展開への課題は
地方では人脈がないが、今回の上場で信用を得ていきたい。これがもう1つの狙い。また、媒体本部の中で地方を中心に開拓するチームを社内に作り、媒体開発をスタートするところ、このスピードをどれぐらい短くできるかが課題だ。

―屋外広告が強みとのことだが、今後の展望は
屋外広告の市場は大化けすると考えている。まずは日本で圧倒的な市場占有率を作り、そしてASEAN諸国へ打って出たい。

―広告市場では地域動向や社会情勢に影響されやすいと思うが、リスクについてはどう考えているか
リスクがゼロになることはないが、広告がなくなることはない。また、屋外広告の場合、ネット広告のような投資効率になじみがなく、広告を出すポイントにもよるが、外出時に強制的に目に入るという特性があるため、廃れていくことはないと考えている。

―複数の面を1つの媒体で販売しているスタイルの理由は何か
屋外広告のポイントは、いかに目立って訴求させるかだ。1面より2面、2面より3面のほうがインパクトが出て、屋外広告も強くなる。投資効率と販売価格をウォッチしながら、いかに目立つかをテーマにセット販売を増やしていく。

―「屋外広告+スマホ広告」のサービスとはどのようなものか
深井取締役:スマートフォンの位置情報を使用した需要ターゲティングのHIT-moviという商品がある。

渡部シニアマネージャー:屋外広告の視認範囲にいたかいなかったかをスマートフォンの位置情報ログをベースに判定し、アプリのアドネットワークに広告表示をする他社の広告プラットフォームがある。それと組み合わせ、当社のビジョン面を見たか、その時に見ているか、もしくは過去に見た可能性が高い人のスマートフォンのアプリ広告面に当社のビジョンに表示されている同じ広告を表示させる。単純にバナー広告を出すよりも、重層的な広告効果が生まれて、より高い確率でタップされるというサービスである。屋外広告のビジョン放映だけでは、インターネットとの橋がかかりづらいので、そこの架け橋になるプラスアルファのオプションサービスだ。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 紫乃]