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上場会見:システムエグゼ<548A>、リソース配分とオフショア

6日、システムエグゼが東証スタンダード市場に上場した。公開価格の950円を11.58%上回る1061円の初値を付け、951円で引けた。大場康次社長と藤林隆司専務が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値が公開価格を上回った
大場社長:多くの投資家から評価された結果と受け止めており、心から感謝したい。一方で、株価は短期的な需要と市場環境の影響を受けるので、これに一喜一憂することなく、確実、着実に事業を伸ばして成長していきたい。

―調達資金の使途について
人材の高度化が1番大きい。システムを開発するうえで技術力をしっかり高めなければならないので、まずは社員が人材として最も重要なので、その底上げと、AI 駆動開発やソリューション開発などに投資したい。

―AI駆動開発について具体的には
開発の標準化にコストが非常にかかるので、精度を高めていくために投資を行っていく。

―IT銘柄が売られているなか、AI を脅威として見ていないとは思うが、そうであるとすればその根拠は
リソースの適切な配分で影響は非常に小さいと見ている。逆にAIの利用はビジネスチャンスと捉えており、システム開発で生産性と品質を向上できることが収益性に繋がる。

―AI駆動開発にはシステムエグゼのみならず、ほかの開発会社も注力している。開発手法が広がることで各社の力が底上げされるだろうが、それを踏まえたうえでの他社との差別化について
AIを利用したシステム開発で、開発という枠組みでは他社とそれほど差別化できない内容になると思うが、我々は、エンドユーザーと直接取引することで顧客とのコネクション、パイプラインになるような上流工程や提案に人的リソースをしっかりと配分して、他社と差別化できるよう提案していければと考えている。

―業績予想について。AI活用が利益を生み出す原動力になっている開発会社もあるが、2027年3月期の利益率は
藤林専務:当然、収益改善はとても重要な命題と考えている。社員数が10%増えるから利益が10%増えるかというと、なかなかそうはいかない。とは言うものの、AI駆動開発で、どの程度工数が削減できるかに繋がると思う。だが、それに対して、今度はAIプラットフォームの利用料がかかってくるので、すぐに利益に直結するというのは、直近では難しい。

利益率の改善については、“BotDev(Borderless OneTeam Development)”をベトナム子会社と行っている。グループ会社なので品質も上がるし、ベトナムのほうがまだコストが安いので、うまく活用することで利益の改善を図りたい。

―2026年3月期の予想営業利益率は約6%だが、ベトナム子会社の活用を増やすことで、どの程度の改善余地があるのか
社員の規模で考えると、大手のエンドユーザーとの直接取引を全て対応できる量ではないので、日本のビジネスパートナーを活用しているが、人件費がどんどん上がっている。

そこをベトナムのBotDevに置き換えることによって、単純にコストが下がり、同じグループ会社なので、同じ品質で取り組めるメリットがある。その2つで利益の改善に繋げていきたい。

大場社長:具体的な利益率のアップは、ここでは明言できないが、今話した取り組みで着実に収益性向上が望めると見ている。

―従業員の採用ペースは
開発において人的リソースが非常に重要であり、社員数をしっかり伸ばしていこうと考えている。新卒では年平均40~50人を採用してきたが、今後、AIの開発状況によって人材の計画については、様子を見ながら考えなければならない。ただ、社員の数は会社としては非常に重要な要素なので、引き続き拡大を考えている。

―目安として何%程度伸ばしたいのか
これまで従業員全体に対して10%程度を新卒採用で補っていこうとしてきたので、同程度と考えてもらえれば良い。

―オフショア開発が担う下流部分がAIに代替され、比重が減っていくように見えるが
比率が下がっていく可能性はあるが、皆が考える通りではなく、ヒトとAIが丸々置き換わるわけではなく、AIを利用するところに、非常に技術者が必要と考えている。AIの利用増とヒトの減少が直結する構造ではない。

―採用について調整はしても、大きく減らすことはないのか
そうだ。

―3月31日に起きたClaude Codeのソースコード流出という事象が、開発に与える影響はあるのか
藤林専務:プラットフォームの原因で漏れている話であれば、それを止めるのは難しいとは思う。当社については、漏洩しないように閉じた世界のなかで開発できるAI基盤を独自で開発している。“SmileCHAT”や“Agentic Coding”で生成AIの技術を使っているが、それが漏れないような形に自社でカスタマイズしていて、その対応で進めていきたい。

大場社長:品質保証の仕組みに“ExecTORA”があるが、基本的にはそのなかで管理し、セキュリティを強化しつつ標準化しながら開発を進めている。

―配当性向40%への引き上げはいつまでに実現するのか
藤林専務:5年後、10年後ということではなく早期に、少なくともこの1~2年の間にと考えている。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

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