18日、テクノクラフト<622A>が東証スタンダード市場に上場した。公開価格の650円を4.62%下回る620円の初値を付け、559円で引けた。ゴルフ関連事業などを手掛けており、ゴルフカートナビは国内シェアトップの導入実績を持つ。栂坂昌業社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―株価の受け止めは
非常に渋くなっており、「これからだ」や「なにくそ」という精神だ。
―1995年に設立し、このタイミングで上場する理由は
私は現在80歳だが、70歳になった時に、これから社員についてや、誰が責任を持ってやっていくのかを考えた。ガバナンスの効いた状態で後継者を選び、株主に対してしっかり応えられる人が選抜され、末長くステークホルダーにも迷惑をかけることなくやっていくには、上場が1番だと判断した。
―上場でガバナンスを高めて後継者を選びたいとのことだが、何年くらいで交代したいなどの考えはあるか
漠然と言うと、アイデアが尽きるまでだ。現在も毎年数件の特許を申請しており、ようやくそれが来期に始まる。始まってからではないと発表できないが、そういうことを果たし、後継者は任意の報酬委員会を作ったので、公平に広く募りたいし、内部でも現れれば1番良い。選ぶのも私ではなく、客観的な委員会を通して選んでいき、早めにしてもらえればありがたいが、ちょうど基盤ができたのでこれから実施していきたい。
―上場を機にどのように成長していくか
無線型からタブレット型へ収益型が大きく変わっており、この4、5年が当社にとって谷のようだった。利益はしっかり出していて赤字ではないが、大幅に変わっていく時期だ。9月末が決算期なので、様々な計画について今はあまり発表できない。11月に決算発表を、12月には株主総会を控えているので、それまでには今後の具体的な新製品や技術革新、方向性などについて発表できるのではと楽しみにしている。
―ゴルフ市場は人口減少によって、ある程度の縮小も見込まれているが、「ゴルフ場システムプラットフォーム」の具体的な内容も含めて、どのように成長させていきたいか
ゴルフ場でのシェアが63%あり、年間で当社のナビを使用する人が4000万人以上いる。そのデータをAIなどで分析し、できるだけスムーズに(プレーできるようにする)。施設にとっても(プレーが)円滑に進むことが収益につながる。また、そのほかの様々なサービスも重ね、ゴルフ場にも、ゴルフをプレーする人にも役立つプラットフォームを構築している。
―成長領域の1つに海外シェアの拡大があるが、海外の開拓状況とその戦略について
海外シェアについてはこれからだが、今まではどちらかというとASEANなどは人件費が安く、キャディが1人、贅沢な場合は2人付いていた。さすがに今は変わってきており、ようやく人手不足が生じる状況になってきた。ちょうどゴルフのシステムを我々が日本で作った頃の状況と今(のASEANが)マッチしてきていて、これからだと考える。今までもナビが付いているコースはあるが、あと何ヤードあるかなどの単純なものだ。最近は日本と同じようにプレー時間のなかでやっていく時代が来たので、9月からタイでモデルコースを作り、販売を拡大していく計画だ。
―配当の考え方について
現在は投資フェーズになっている。皆から投資してもらい、内部にストックし、AI基盤の構築や新製品の開発などに充てる。安定した利益基盤を早めに構築することを目指している。還元することは1番大事なことなので、早めにやっていきたい。KPIとしてもはっきりしており、5年でリプレースを開始する。
タブレット型は毎月収益があり、年間で1コース100万円前後で、今年度に利益も急激に伸びており、体制が整う。これを5年遡っていくと何台、何コースの入れ替えが必要かはっきりしてくる。先が見えていてもここで言い切れないのは申し訳ないが、KPIは想像できるだろう。
―新潟の事業会社が株を持っているが、地方の会社が上場する・成長していくストーリーのなかで、地元から資金を集めるエコシステムについて、上場してどう思うか。また、新潟を代表する企業の役職員が社外取締役を務めているが、地域でどのように上場企業を作っていくのかの考えは
東証に統合したが、新潟証券取引所が元々あり、新潟で結束を強くして助け合っていこうということで、一昨日には全国で新潟だけがやっている上場企業IRフォーラムがあった。新潟の上場企業が集まって、それぞれ投資家に説明したり、今後について理解してもらったりする会を十数年近くやっていて、地元で応援されている。必ずしも地元だけで利益を(独占)するという意味ではないので、広く全国に出ていくには団結していこうというだけなので、それ以外の意味はない。
[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]
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