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上場会見:ルクレ<648A>、建築業界のDX、人手不足が追い風

15日、ルクレが東証グロース市場に上場した。建設業界向けに写真や図面を一元管理できる「蔵衛門クラウド」を提供する。公開価格の1480円を37.16%上回る2030円の初値を付け、2295円で引けた。有馬弘進社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

ルクレの有馬社長
建設業界の現場の動きについて説明する有馬社長。

―株価に対する受け止めは
株価が全体的に下がっているなか、皆に期待してもらっていると思うような推移だったので、非常に責任を重く感じている。ただ、まだ上がったばかりなので、一喜一憂することなく、頑張って成長していかなければならないと、我々は先ほど誓い合った。

―社名の由来や思いは
ちょうど先ほど昼食を食べながら話していた。先代の池田武史代表は、会社を肥沃な大地だと考えていた。人やプロダクトが育っていくということだ。この肥沃な大地は何かと調べていくと、メソポタミア文明が生まれた土地に、肥沃な三日月地帯があった。英語だとFertile Crescent(ファータイル・クレセント)といい、この間を取って、ルクレだ。

―今後、製造や電気・ガスなど様々なところで展開していくと思うが、新しい領域へ展開するにあたっての、選定基準や考え方は
フィジカル産業は現場が中心になるため、現場業務をきれいに説明しなければならない。ビッグモーター事件のような、問題や事件、事故が起こるところは、現場で何をやっているのかを丁寧に説明する必要がある。そういうものが、製造や運送などでどんどん生まれてくる。説明責任が重いところは、記録を取らなければならない。記録を取るのなら、そのデータを使ってDXしたら良いのではないかというのが、当社の考え方だ。

―グロース市場を選んだ理由は
30年やっているので、スタンダードっぽい雰囲気が漂っているが、2019年に代替わりをしていて、そこからが第2創業だと思っている。当社はメンバーも若いし、スタートアップのような気持ちでやっており、成長性を見てもらえれば、グロースが良いのではないかと思い、選択した。

―上場するにあたって、どういったところに注力して取り組んできたか
25年近くプライベートカンパニーをやっていたので、パブリックという感覚を全社的に醸成していくことが難しかった。それに対しては、内部管理体制を整えたり、上場準備の過程を通して様々な勉強をしながらやってきた。事業に関しては淡々とやっていた。パブリックになるとはどういうことなのかが1番難しかった。

―金利上昇局面で建設業界の株価はかなり厳しい状況になっていると思うが、市場環境をどう考えるか
確かに資材の値段が上がったりと、大変なのはよく聞いている。

野村絵里奈執行役員:追い風だ。2024年から人手不足ということで、建設業界はDXにかなり真剣に取り組んできている。2年経った今でも、まだ木製黒板を使っていたり、デジカメで撮影して、台帳を印刷して作っていたりする業界なので、なかなかDXに真剣に取り組めていない。当社のツールを使ってDXを取り込んでもらうことで、人手不足が解決されていくので、追い風だ。

有馬社長:厳しくなればなるほど、内部での効率化を図っていくので、顧客からも真剣に製品の問い合わせをもらっている。どのようすれば効率的に使えるのかというのも、大手になればなるほど真剣に取り組んでいる状態だ。

―株主還元方針について
当社はグロースでは珍しく、しっかりと利益が出る会社なので、これまでも配当を出してきた実績がある。積極的に株主還元をしていきたい。来期の予想としては1株24円と開示しているので、それ以上をまた積み上げていけるように頑張っていきたい。

―今後の成長戦略は
「施工記録」のIDを伸ばしていくことがメインになる。利益やストック売上比率も、IDの部分が1番大きいので、ここをとにかく伸ばしていく。次の「成長記録」に関しては、今はまだフローになっているので、今の21万人の保護者を、45万人ぐらいまで増やし、そこに対してストックビジネスを今後展開していく。

「整備記録」に関しては、今年の6月から始まったところだが、最初の食いつきというか、ニーズは凄まじいものがあったので、パートナーを増やしていく。整備業界は、損保のシステムがインフラとしてある。損保会社とやり取りをしているので、その情報のやり取りに写真が介在する。そこに当社の「AITURBO」という製品が写真のフロントの部分として入り込むという計画を進めている。そうすると、全国2万社の整備工場や修理工場に、「AITURBO」が自然と入っていくような状態が作れるのではないかと思っている。さらに、新領域に横展開していく。

野村執行役員:補足すると、例えば運送や製造は、既に「蔵衛門」を使っている顧客だ。ただ、「蔵衛門」は建設業界向けのツールなので、今後は業界ごとに最適化していくことで、大きく売上を伸ばしていきたい。

有馬社長:写真を撮って台帳にするということが、建設以外でも運送や製造でも起こっている。電気・ガス・水道だと、強力なライトがついた端末を、下水道事業団は非常に買ってくれる。真っ暗ななかに入っても、ライトをつけると昼間のようになる。「蔵衛門Pad」は6ラインナップあり、それぞれの特性があるので、最適なものを使ってもらえている。

[キャピタルアイ・ニュース 北谷 梨夏]