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熊本市10年GB:小さくなったひごまる

熊本城(読者提供)

11日、熊本市の10年グリーンボンド(GB)が条件決定した。以下は案件レビュー。

回号 6年度/1
年限 10年
発行額 25億円
表面利率 1.033%
発行価格 100
ローンチ・スプレッド 国債+9bp/国債カーブ+8bp
参照国債回号 376
参照国債償還日 2034年9月20日
プライシング基準 JGB
償還日 2034年10月23日
主幹事 みずほ/三菱UFJモルガン・スタンレー
第三者評価機関 JCR

ESGに資する事業に本来必要なはずの調達額を減額し、プレミアムの2bp(通常債マイナス2bp)を維持することに拘った案件を、10年物ESG地方債の“減額発行シリーズ”と呼んでいる。2bpの幅は、通常債のスプレッドがそもそも狭く、市場変動性の大きな環境のなか、中央を中心とした投資家から受け入れられていない。当然のことながら需要が積み上がらない。減額するのであれば、何のためにSDGs事業を切り出し、それに要する資金規模を算出しているのかは謎だ。SDGs活動を声高にアピールするのであれば、必要な資金を必要なコストを払って調達するのが本筋ではないのか。“シリーズ”の顔ぶれには北九州市、徳島県、滋賀県、三重県、福井県があり、新たに熊本市が加わった。

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