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ログリー(6579):3月期決算、広告トラブルを乗り切る

ログリーが27日、都内で2019年3月期の決算説明会を開き、吉永浩和社長と岸本雅久CFOが質疑に応じた。同社はメディア企業の広告枠をネットワーク化し、募集した広告を自動配信するネイティブ広告配信のプラットフォーム事業を手掛ける。

吉永社長によればCookieを使わないユーザー属性推定技術はEC事業者の関心が特に高いという。

吉永社長によればCookieを使わないユーザー属性推定技術はEC事業者の関心が特に高いという。

通期の売上高は前期比48%増の23億7200万円で、営業利益は同40%増の1億7500万円、経常利益は同30%増の1億6000万円だった。売上高、経常利益ともに過去最高となったものの、第4四半期に広告トラブルが発生したことで、営業利益などが目標値を下回った。

同社では今年2月、事前審査した広告の内容が配信後に無断で書き換えられるトラブルが起きた。審査では広告と、広告をクリックすることで表示される広告主のサイトをチェックしたが、表示先のサイトが基準に沿わない内容に変更されていた。

配信を1週間ほど停止して再審査を行ったことに伴い、出稿数が減り、広告枠のオークションで決まる単価が下がり、第4四半期の売り上げが減少。加えて、出稿先の媒体社に、広告を表示していれば本来得られたはずの利益を補填したため、コストが膨らんだ。

配信再開とともに、無断差し替えを自動検知して通報する仕組みを作り、現在は出稿数、広告単価ともに以前の水準に回復しつつある。「広告欄への出稿を希望する広告主が増え、広告単価が順調に上がってきている」(吉永社長)。アナリストからの質問に対し、完全回復は下期になる見通しを示した。これまでにはなかった月次の業績開示も行う。

事業拡大のために発行体は、技術の高度化とM&A、動画領域に注力し、人材を充実させる考え。システムの高度化では、技術に関する特許を4月に取得した。

昨年5月に施行されたEUの個人情報保護規則であるGDPRや、Appleのブラウザ「Safari」による制限で、ホームページを閲覧したユーザーに関する情報である「Cookie」を使用できず、利用者属性の特定が困難になるなど、ネット広告業界は厳しい局面を迎えている。

こうしたなか、ログリーでは「Cookieを使わずに従来のような推測精度を取り戻す研究をしてきた」(吉永社長)。機械学習でユーザーを推定する仕組みで、実装に向けてテストが進んでいる。単価上昇と売り上げ増加に貢献することが見込まれ、適時開示が必要なレベルのインパクトがあれば開示する。当初は自社内での利用を想定していたが、発表直後から広告関連企業やEC事業者、プラットフォーム事業者からの問い合わせがあり、「他社にも何らかの形で開放できないか検討している」(同)という。

M&Aは、企業もしくはプロダクト買収を検討し、動画領域は拡販フェーズに入る。また、システム拡販と開発継続のための人材が不足していたが、第1四半期終了までに10人ほど増員する。

2020年3月期は30億2900万円の売上高と1億9100万円の経常利益を見込む。業績予想で2.5%上昇する売上原価の内訳について岸本CFOは、広告企業間の競争の激化によって、媒体社への還元に充てる費用が大きいものの、「製造原価としてのエンジニアの人件費やサーバーにも資金を充てる」と話した。

昨年11月にPR支援を手掛けるビルコムと合弁で設立したコンテンツマーケティング支援のクロストレックスの事業については、「まだ準備段階で実験しているところ」(吉永社長)で、業績は今期予想に算入せず、どのタイミングで加味するか監査法人と協議しているという。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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