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2018 年IPO 個人投資家アンケート:オスカーもラジーもメルカリとソフトバンク

個人投資家がIPO銘柄に投資する際に、最も重視しているのは知名度であることが分かった。成長性は気にするものの、初値売却を基本としている。キャピタルアイ・ニュースとアイフィスジャパンが2018年のIPO銘柄について、およそ120人を対象に実施した調査で明らかになった。メルカリとソフトバンクは評価する案件と失敗案件の両方で上位を独占し、良くも悪くも注目度の高さが実証された。(PDFはこちらからダウンロードしてください)。

■塩漬け状態も
 円グラフ1IPO銘柄に投資したと回答したのは半数以下の52人(43%)。現在の保有状況は、「保有している」と「手放した」でほぼ半々だった。保有している理由の半数以上は、「売り損なった」と「塩漬け状態」で、将来の値上がりを期待する声も一部であった。配当目的は少数だった。他方、手放した派は「初値売り」または「長期で保有しない」を基本としており、ソフトバンク株を購入した投資家からは「損切り」の回答が目立った。

IPOに投資する理由は、「儲かる確率が高い」または「以前儲かった」とキャピタル・ゲイン狙いが27%を占めた。「抽選に当たりにくいので取り敢えず申し込んだ」や「盛り上がっているので何となく」といった消極派は15%で、「社名を知っていた」も12%あった。他方、「会社の成長を応援したい」は6%にとどまった。

円グラフ2

■メルカリとソフトバンクに票集中
「最も評価する銘柄」で1位に輝いたのはメルカリで、31%のシェアを獲得した。2位がソフトバンクで22%。理由はいずれも「知名度が高い」が最も多く、メルカリは「ビジネスモデルの将来性」、「扱っているサービスが好き」が続いた。ソフトバンクは「ビジネスモデルの安定性」と「社長や経営陣への信頼」、「高配当」が並んだ。3位のHEROZは「ビジネスモデルの将来性」が回答の4割を占め、上場後に投資した人の割合が高いのが特徴的だった。

表1

「失敗案件と考える銘柄」はソフトバンクが断トツのトップで、有効回答の68%を占めた。2位のメルカリは14%だった。ソフトバンクは、初値から続く株価の低迷と発行規模の大きさが低評価の理由。「ブックビルディングの価格が不当だった」(40代会社員・男性)、「損をした個人投資家が多く、IPOに悪い印象を与えた」(30代会社員・男性)、「資金吸収額が大きすぎて、相場低迷の一翼を担った」(40代会社員・男性)と手厳しい意見が寄せられた。上場の直前に通信障害やファーウェイを巡る問題も発生し、タイミングの悪さも指摘された。ソフトバンクグループとの親子上場についても「企業倫理として適切か疑問」(50代自営業・男性)など批判的な声があった。

メルカリはユニコーンとして注目され、成長期待が高かっただけに、セカンダリーの動きや決算内容が失望を呼んだようだ。株価が10月後半に公募割れとなったことに加え、「IPOの調達資金をビジネスの拡張に活かしてない」(40代男性)や「海外展開が不調で、国内事業も成長への野心が感じられず、上場ゴールの印象が否めない」(40代自営業・女性)など経営陣へ厳しい目が向けられている。

表2

■IPOは当たらない!価格設定も不適切?
 円グラフ3IPOの印象は「当選しない」が39%に達した。実際、小型案件ではブックビルディングの倍率が千倍を超えることも珍しくない。「儲かりそう」も26%と多く、「リスクが高い」と見る向きも11%存在した。

情報収集の手段は、会社のウェブサイト(26%)と東証や証券会社のウェブサイト(23%)に集中し、ヤフーファイナンス(14%)や一般紙(10%)などを引き離した。

現行のIPOプロセスへの不満も多いようだ。「IPOへの意見」は票が割れ、「公募価格が適切ではない」が16%と最も多かった。「実力がないのに上場」が14%、「上場審査を厳しくしてほしい」が12%、「事業内容が分かりにくい」と「開示情報少ない」がそれぞれ11%、「申し込み手順が分かりにくい」が9%だった。

円グラフ4

[キャピタルアイ・ニュース 池部 渚]


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