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ロードスター(3482)の個人版私募ファンド、第1号は即日完売

個人の資金をターゲットにした不動産投資ビジネスが広がるなか、不動産運用会社のロードスターキャピタルは、国内で初めてエクイティ投資型クラウドファンディングを実施した。私募ファンドに近い手法で、個人投資家から集めた資金を物件に投資する。個人が不動産市場にアクセスする手段は、現物不動産の購入かJ-REITに限定されていたが、機関投資家の牙城だったオフィスビルなどへの投資が可能となる。

秋葉原成信ビル(発行体)

秋葉原成信ビル(発行体提供)

同社は8月に不動産特化型クラウドファンディングサービスの「OwnersBook」を通じて、「秋葉原成信ビル」の出資者を募集。同ビルの取得額である8億6500万円のうち、自己資金(エクイティ)に当たる2億6500万円分を募り、開始から2分で完売した。1人当たりの出資可能額は50万~1000万円で、OwnersBookの会員およそ250人に販売した。会員は30~40代のサラリーマンが多いという。予想以上の反響を受けて、年内にも第2号案件をリリースする。

秋葉原成信ビルは神田駅と秋葉原駅のほぼ中間にあるペンシル型のオフィスビルで、運用期間は3年を予定している。エクイティのほか、ノンリコースローンで購入資金を手当てした。ロードスターもSPCにセイムボート出資している。同ビルの竣工は2008年3月。稼働率は85%だが、「バリューアップの要素がある」(財務担当)。オフィス需要が堅調な環境下、都心の好立地の物件は早期に満室になると見ている。

物件のバリューアップは同社の得意とするところ。自己投資の案件については鑑定評価額よりも2割ほど安い物件を選定しているという。投資対象は5~30億円の23区内の中小規模オフィスとしている。

国内でクラウドファンディングを利用した不動産投資の7割は貸付型。OwnersBookもこれまでは、集めた資金を不動産を担保にしたメザニンローンに融資し、利息と元本を配当とする貸付型のみを運営していた。貸金業法に基づき融資先は開示していない。

これに対してエクイティ型は、不動産信託受益権の形で物件を購入し、賃料や売却益を配当原資とする。リートや私募ファンドと同様にGK-TKスキームを組み、投資先も開示されている。レバレッジ効果で利回りの目線は7%(税金控除後)と、貸付型の4~6%を上回る。「妙味のあるオフィス不動産への投資の道を開くことができた。レバレッジを活用できるうえ遵法性も高い」(財務担当)。今後はエクイティ型の比率を徐々に増やし、5年後には半々にしたい考え。

半面、優先順位はデットに劣後するため、不動産価値の変動リスクを受けやすい。オフィス市況は底堅く推移すると見られているが、価格が下落した場合はエクイティの配当から減額される。投資家は物件の将来的な価値やリスクを踏まえて投資判断を行う必要がある。

エクイティ型のクラウドファンディングは大手も参入を狙っているようだが、第二種金融商品取引業と貸金業、投資運用業の免許に加え、ネット経由での募集に必要な金商法の電子申込型電子募集取扱業務等の許可も取得しなければならない。参入障壁が高く、今のところロードスター以外に手掛けている企業は存在しない。同社は「個人投資家にとってエクイティ型商品は、現物投資とリートの中間にある面白い領域。プレーヤーが増えてマーケットが広がることを期待したい」(財務担当)としている。

[キャピタルアイ・ニュース 池部 渚]


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