CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

上場会見:ヌーラボ<5033>の橋本社長、ワークフローをフルサポート

28日、ヌーラボが東証グロースに上場した。初値は公開価格の1000円を4.50%下回る955円を付け、910円で引けた。主力サービスの「Backlog」は、チームで情報共有しながら作業を進めるためのプロジェクト管理ツール。米国とオランダ、シンガポールにマーケティング子会社を置く。2004年3月に福岡市で創業。社名の由来はNull(ヌル=無)とLab(研究所)を合わせた造語。橋本正徳社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

橋本社長は、特別な知識がなくとも職種の垣根を越えて利用できるBacklogの、リファラルでの広がりを説明した

橋本社長は、特別な知識がなくとも職種の垣根を越えて利用できるBacklogの、リファラルでの広がりを説明した

―初値が公開価格を下回ったが
マーケットの評価なので真摯に受け止めたい。役員・社員一丸となって、業務を進めて業績を向上させるとともに、情報開示などをしっかりと行い、投資家に信頼される企業になりたい。

―上場の狙いは。また、福証への重複上場を選ばなかった意図は
上場の狙いに関しては、採用だ。内訳としてはエンジニアとマーケティングスタッフだ。

赤津光成取締役:上場企業としての知名度や信頼感が、大企業の顧客を新規に獲得するうえでは、非常に重要なので、ビジネス上のメリットを強く意識して、このタイミングでの上場に踏み切った。

福証について重複上場の選択肢はあったが、当社の場合、ビジネスをグローバルに展開していることもあり、将来的に海外機関投資家とコミュニケーションを取るにあたってベストな市場であるため、福証を選ばなかったというよりは、東証グロースを選んだ。

―Backlogが事業の中核だと思うが、改めて事業の強みは
橋本社長:最も注目してもらいたい数字は、LTV/CAC(顧客生涯価値/顧客獲得費用)が14.6倍で良い数字だと思う。この数字の意味するところとしては、広告宣伝費をそれほどかけずに、顧客に対する生涯価値を生み出していることだ。

顧客が当社の製品をすごく好きで愛用してもらい、解約せずにずっと使ってもらえる点で、LTVが大きくなっている。当社の製品を人に紹介したくなるほど好きで、我々の宣伝以外のところでリファラル(口コミや紹介)が働いて、顧客獲得単価を抑えながら顧客が増えていくことが特徴で、かなり大きな強みになっている。

―typetalkは競合が多いイメージだが、cacooはどのようなコンセプトで出てきてで実際に、他社では作れないプロダクトなのか
cacooを作った経緯は、Backlogにはwikiという機能があり、テキストで書いたものを皆で編集できるナレッジウェアの機能だが、そこに画像を貼る時に、Photoshopやillustratorなどのソフトを、(自分の使う端末などに)ローカルにインストールしないとその画像を操作できず、皆で画像を編集することができなかった。それを変えるために開発した。競合製品はいくつかある。国外にMiroなどがある。我々がcacooをリリースした2009年にはほとんど競合がいない状態だったが、徐々に競合が出てきた。

それなりの技術力が必要なので、すぐに真似をすることは難しいが、競合がいないことはない。むしろ競合がいない場合にはマーケットの選択ミスのような感じもするので、競合がいることは健全だと思う。

―今後の成長戦略について
Backlogがリファラルですごく成長している。本当に愛されているプロダクトと思っている。顧客が顧客を呼ぶ流れになっているので、セキュリティ不安があるような大規模な顧客に関しては、セキュリティやアカウントのユーザー管理の機能を強化するオプションである「Nulab Pass(ヌーラボパス)」を販売する。

さらに、顧客に対して作図ツールの「cacoo」やチャットツールの「typetalk」を導入してもらい、顧客のワークフローを初めから終わりまでフルサポートしていきたい。

―開発中であるとか開発を検討しているサービスの方向性は
しばらくは今の3サービスとオプションの計4サービスにフォーカスして進めたい。そのなかで将来の可能性を探りたいので、顧客の声があればぜひ聞きにいきたい。

―海外子会社の現状と今後について、どのように展開させていきたいか
赤津取締役:現在は、採用拠点という形でエンジニアやマーケッターのスタッフが駐在して活動している。直接的には、海外子会社で海外ユーザーの売り上げが上がっているものではなく、あくまでスタッフの採用拠点という形式で展開している。

今後、グローバルな体制で優秀なエンジニアやマーケッターをしっかり雇用していくことが重要で、急拡大させるわけではないが、しっかりと良い人材を採れるように拠点として機能させたい。

橋本社長:国外の競合他社が国内にも進出しており、国内におけるグローバル競争が既に始まっている状況だ。我々もエンジニアの採用を国外で行い、グローバルマーケットでの競争力をつけていきたい。

―グローバルでエンジニアを採用するメリットは
日本向けに作るのと、インターナショナル・チームで作るのとではユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスが変わってくる。よりマーケットの大きいグローバル視点のプロダクトが作れるように、特にフロントエンドのエンジニアを採用する。もう1つ、SREというサーバーなどを保守運用するメンバーがいるが、その人を採用することで、サーバーを24時間見られる状態を築こうと考えている。

―東京に拠点を移さないのか
3〜5年ぐらいはない思う。それ以降もないのではないか。
赤津取締役:本社所在地を福岡から移転することは具体的に検討していない。
橋本社長:福岡市から出ることもないと思う。

―長期的に見て配当政策は
赤津取締役:我々のビジネスモデルでは安定したキャッシュフローを生み出すことが強みであり、然るべき時点で方針を変える可能性はあり得るが、足元では成長のための投資を続けていくことが重要なので、内部留保や成長投資に回すことを重視したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタル・アイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタル・アイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。