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上場会見:セキュア<4264>の谷口社長、 軽いAIを店舗に実装

27日、セキュアが東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の950円の2.3倍である2185円の買い気配で引けた。同社は、AI技術を実装した入退室管理と監視カメラ、画像解析のサービスをオフィスビルや商業施設に提供する。各社のニーズに合わせてデバイスとソフトウェアを組み合わせて販売する。谷口辰成社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

システムの段階的拡張と多拠点管理に強みがあり、サテライトやシェアへの導入が容易であると話す谷口社長

システムの段階的拡張と多拠点管理に強みがあり、サテライトやシェアオフィスへの導入が容易であると話す谷口社長

―初値が付かなかった
評価してもらっており、率直に期待に応えていきたい。中長期的にしっかりと企業価値を高めていくことに取り組むことが最も大事な使命だ。株主の期待に応えられるように励んでいきたい。

―システム単位での販売とのことだが、パッケージ化やSaaS化しにくいというようなトレードオフの関係にあるのか
例えば、1つのシステムを作ると、新しい業種や使い方によっては、若干のカスタマイズを伴うが、それはスマホのアプリのように、他の企業に横展開できるので、スケール化は可能だと思う。

一方で、クラウドとオンプレミスという点に関しては、クラウドではAPI(Application Programming Interface)で連携しやすい分、カスタマイズや個別対応が難しい部分がある。両方の商品を持っているので、そこは顧客の用途に合わせて提供している。

―Amazonを始め米中の会社や、国内にはサインポストが存在するが、無人レジの強みは何か
店舗の強みは大きく2つある。分析できるポイントの多さだと思う。(店舗内には)サイネージが付いていて、顧客が取った行動で、画面に表示されるコンテンツが変わる。

例えば、20歳代の男性が特定の商品を何秒間か手に取った時に、特定のコンテンツを配信する。その商品を戻した後に別の商品を手に取った場合には、(店舗のシステムが)別のアクションを起こすといったことができる。また、利用者の視線を追えるようになっており、その分析と分析結果に基づくアクション、例えば、ダイナミックプライシングで商品の値段を下げる、別のコンテンツを表示するといった連携ができる。

また、強みであるAIの実装で軽量化を進めている。GPUやサーバーを使わずに汎用のPC数台で処理できるまでに軽量化している。店舗を構築する時には、我々のほうが、コストが圧倒的に低い。

―無人のAIストアのリリース時期は
AIストアは無人化だけがゴールではないと考えている。目的型の商品に対しては無人化というアプローチがあるが、アパレルやコスメ関係は無人化だけではなく、AIと人が共存する店舗になるのではないか。新しい店舗を実現できるソリューションの提供を計画している。まずは店舗全体というよりは、分析とサイネージの部分と、顔認証と決済の部分を一部パッケージ化してリリースすることを来年行っていきたい。時期は明確にできないが、近い将来のどこかで、AIストア構想としてビジネスプランを発表する予定だ。

―来期中には何かしらの方向性に関する情報が聞けるのか
そうだ。

―AIストアは新しいセグメントになる規模のものか
確定ではないが、その方向性で検討している。

―韓国に開発拠点があるが、世界的に見ると競合はどうなのか
世界で見ると、この市場では中国がかなりの大国になっている。おそらく日本の数十倍の単位でカメラが設置されているので、国内での消費量が圧倒的に大きい。一方で、海外はプロダクトベースのメーカーが多く、ソリューションベンダーが多くない。AIストアもそうだが、AIに加えてサービスに落とし込んでいくところでは、当社に近い会社はない。欧米にいくつかベンチマークしている会社はあるが、国内やアジア圏では、そこまではない。

―顔認証の情報や、無人店舗内での行動の様子など、法的な意味で個人情報には当たらないが機微なデータが集まる場合、それらの情報の扱いに対する基本姿勢は
現在、営業している店舗については、基本的には事前に登録してもらうオプトイン型となっており、了承が取れている。ただ昨今、これから改正される個人情報保護法の問題と、プライバシーに対する配慮があると思う。これらは似て非なるものだが、しっかりと対応していかなければならない。

国も含めてルールの取りまとめが進んでいくが、最低限の法律を守ることは当たり前で、その範囲内で問題ないとしても、それ以上にプライバシーに配慮しなければ、炎上や風評的な問題、取り扱いが難しくなる。データを取り過ぎて、例えば、プライバシーを特定できてしまう機微情報は(扱わ)ないように、ガバナンスは社内的に体制を構築して取り組む必要がある。

―デジタル人材が不足しているが、人材獲得や育成の戦略は
大きくはセールスとセールスエンジニア、完全なハード・ソフト・ネットワークエンジニアという形で、開発サイドとセールスサイドに分かれてくる。我々の場合、セールスとセールスエンジニアが大事で、この領域は、大部分は新卒を採用して、2~3年かけて育成して戦力化していくことを続けている。

一方で、ハードウェアとソフトウェア、AIの人材では、ハードウェアは、高齢なメーカー系に在籍していた人の知見が重要だ。大手の家電メーカーを含めて(いろいろな会社が技術者の)リストラを行っているので、採用は特段問題ない。

アルゴリズムをしっかりと構築して評価できる画像系のエンジニアの確保が最大の課題だ。国内では、画像系の研究をしている大学の教員とのリレーション(形成)や、アドバイザリー契約を結びながら、その大学の学生を採用していく。

昨年に韓国に会社を作ったが、これはハード・ソフト両面での人材獲得が主な目的になっている。日本だけでなく韓国で採用を強化して、人材を獲得している。

―売上債権と棚卸資産で営業キャッシュフローがマイナスになっているとのことだが、定常的なものか
佐藤仁美取締役:棚卸資産については、在庫を戦略的に多めに保有した。その関係で昨年度の営業キャッシュフローはマイナスとなっている。この先も半導体の(供給が不安定な)部分があるため、同様に在庫を保有したい。

谷口社長:通常時はもっと低い次元だが、コロナ禍で半導体に限らずいろいろな部品が供給不足であり、一次的に供給側を厚くしていったほうがビジネスを円滑に回せるため、戦略的に高めに保有している。

―来期や中長期の定量目標は
大きな意味で言うと、成長軌道に乗っているため、セキュリティ事業に関しては、一定程度伸ばしながら、そこにAIストアを乗せていきたい。具体的な数字までは言えないが、過去のトレンドと近い水準での成長をキープできると見ている。

―株主の事業法人と協業関係にあるのか。可能であればそれぞれ聞きたい
ブロードバンドタワーは、早い段階から株主になってもらった。データセンター事業者であるので、クラウド化を推し進めるうえでのパートナーとなっている。それ以外に、ラクスとは、「覗き見ブロッカー」や重要なシステムにログインする際の継続的な顔認証による本人確認ツールと当社の商品を共同で販売している。モルフォはアルゴリズム系なので、我々がAI人材を確保できない部分を協業で補っている。ブレインパッドはAIストアもそうだが、そのようなものから出てくるビッグデータを解析して有効活用することを得意としているため、連携している。プロパティーエージェントは、マンションデベロッパーで協業はこれからだが、IoTマンションなどでセキュリティの需要があるので、協議段階にある。

―CBCは
日本の非上場企業だが、グローバルで1000~2000億円規模で展開していて、海外に二十数拠点を持つ衣料品や薬品の中間材料を扱う商社だ。監視カメラ用のレンズでは中国を除くと世界トップシェアを持ち、グローバルのネットワークを持っている。早い段階からパートナーシップを結び、国内で協業してきた。今後は海外展開を含めて推進していく。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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