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上場会見:Green Earth Institute<9212>の伊原CEO、古着を燃料に

24日、Green Earth Instituteが東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1160円と同額を付け、1460円で引けた。同社は、「コリネ型細菌」という微生物の遺伝子組み換えで得られる高効率な発酵技術を活用し、石油などを使った化学品の原料をバイオマス由来のものに置き換える技術を研究・開発する。地球環境産業技術研究機構(RITE)で30年近く開発されてきたバイオマスから化学品を製造するバイオファイナリー技術の実用化を目指し、2011年9月に設立された。生産設備を保有せず、研究・開発とライセンス・製品販売を収益源とする。伊原智人CEOが東京証券取引所で上場会見を行った。

燃料関連については予算には計上していないが、政府の規制でバイオ化が進展するとアップセルがあり得ると説明する伊原CEO

燃料関連については予算には計上していないが、政府の規制でバイオ化が進展するとアップセルがあり得ると説明する伊原CEO

―初値が公開価格と同じで、その後ストップ高となった。市場の評価の受け止めは
市場の評価を真摯に受け止め、我々の事業に対する期待と考えている。それに応えられるように事業に取り組み、企業価値の向上に努めたい。

―脱炭素の流れで取り組みがマッチする事業と思うが、ESGに期待する声に長期的に応えるために、どのような目標を掲げるのか
事業そのものがESGであり、SDGsと思っており、我々の売り上げが上がることは、ESGの事業やプロジェクトが広がることになる。KPIを売上高とする理由は、売上高=地球環境問題の解決を表しているため。このため、売上高を上げていくことが我々の目標だ。

―2021年末に上場する企業が多く、足元の相場が悪いと上場を延期する会社もあった。このような環境をどう見たか
上場して事業成長に必要なファイナンスを含めてトライしていくことに、それを前提に伸ばしたりということはほとんど考えていないので、あまり気にしていない。

―延期は特に考えなかったのか
世界の2社とこの分野の競争が激しくなっており、なるべく早く成長していくことで上場のタイミングを選んだので、延期は考えなかった。

―調達資金がパイロット生産に使われるわけで、そこが差別化につながるのか
そうだ。

―分かりやすいたとえで、食品の食べ残しや野菜や何かで余った茎などがこういう物になったなど、事例はあるか
古着がジェット燃料になった。古着を集めており、中の綿がバイオマスだ。その綿を原料にイソブタノールという化学品を作ってジェット燃料にし、実際に飛行機を飛ばした。また、ポプラのおが屑など木材にならなかった部分を原料にエタノールを作り、化粧品の中に入れて、イグニスサニーサワーラインというラインアップに加えてもらった。技術としては、コーヒー滓を使う化学品の生産も実際に行っている。

―食品残渣では
ミカンジュースを絞った後の搾汁残渣を原料に、アミノ酸を作ったことはあるが、サンプルでありまだ上市していない。

―全体から見ると少数の事例か
そうだ。

―メインは分かりやすいものとは違うのか
今ライセンス料を受け取っているのは豚の飼料添加物だ。バリンというアミノ酸を作る技術を持ち、中国の企業にライセンスをして、年産2万トン規模で生産してもらっている。そのロイヤリティを受け取っている。原料はとうもろこしできるグルコースを菌に食べさせて作っているので、非可食ではない。

―非可食残渣の純度はどの程度のものが要求されるのか。それで収量がぶれるのか
微生物が食べるといっても、糖の形になっているので、あまり関係ない。

―代謝経路のショートカットは、特に生態系との関係からリスクフリーか。また、今後、環境浄化への応用可能性はあるのか
微生物の遺伝子組み換えにはいくつかのレベルがあり、我々が使っているのは一番安全な遺伝子や菌を使っている。規制にきちんと従って開発を進めている。

環境浄化に微生物を使ったりするので、我々は広く微生物に関係する事業を考えているので、チャンスがあれば十分視野に入ってくる。

―海外の競合であるバイオファウンドリー2社に対する優位性は
ZymergenやGinkgo Bioworksは菌体開発に非常に力を入れている。逆に生産プロセス開発や、スケールアップにはあまり強くないと感じている。我々には既に上市した実績があるが、他社ではそれが見えない。我々はきちっと市場まで届けられることが強みと現時点では考えている。

―ベンチャーキャピタル(VC)が多いが、今後も継続保有して共同歩調を取るVCは、保有比率で3分の1程度存在するのか
事業会社とRITEを含めて3分の1以上になると思う。上場に当たって、全VCに(それぞれ)50%を出してもらったので、VC(全体の保有)比率は現時点で20%を切っている。それ以外の、以前から一緒に事業をしている会社が安定株主となっている。

―ロードショーでの機関投資家の反応について、ESGを意識したファンドやインパクト投資的なファンドが関心を持っていたのか。取得済みか
取得済みかは把握し切れていないが、どの投資家もその視点での関心が高い。大手の機関投資家では、表題としてESGを謳っていなくても、既に方針として取り組んでいるので、話をするなかでは非常に強く感じた。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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