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上場会見:フロンティア<4250>の山田社長、アフターパーツをメーカー直販

1日、フロンティアが福証Q-Boardに上場した。公開価格(930円)を3%上回る958円を付け、930円で引けた。2003年に現在の主力事業である自動車アフターパーツの販売を開始した。同社は、ファブレスメーカーとして製品の企画・開発と品質・納期管理、輸入販売を手掛け、自動車アフターパーツのプライベートブランド(PB)販売と電子玩具などのOEM、ネット通販の3事業を展開している。2018年7月にTOKYO PRO Marketに上場した。上場や事業の今後について山田紀之社長に話を聞いた。

山田社長は、今後展開したいネット直販事業は、現在手掛けているBtoCの通販事業とはだいぶ違ったものになると話した

山田社長は、今後展開したいネット直販事業に関して、現在手掛けているBtoCの通販事業とはだいぶ違ったものになると話した

―初値が公開価格を上回ったが感想は
とりあえず公募価格を上回ってほっとしている。

―社外品のPB事業で扱うサイドバイザーとファブレス事業の強みは
サイドバイザーに関しては、当社がアフターマーケットのセカンドパーティーのメーカーとしては日本初の自負がある。パイオニアとしての立ち位置があり、かつ、日本でサイドバイザーを作る場合、1車種につき1300~1500万円の型代がかかる。

当社は、来年の春頃には100車種程度のラインアップを持つことになるので、これから参入する会社があったとしても、型を作るための設備投資もなかなか難しい商材だと思う。参入障壁が高いのでライバルが増えていかない。型も含めて中国のローカルの工場を育ててきたので、クオリティもさることながら、価格も、他社よりダントツで安く作ることができ、高いコストパフォーマンスを発揮している。

特許出願中でまだ取れていないが、(当社のサイドバイザーには)他社が採用できない取り付け方法がある。ホンダの純正品に比べて4分の1の作業時間で設置でき、人件費削減につながる方法を採用し、他社の追随を許さない状況に非常な強みがある。

新しい商材を作る企画力に特化しているので、時代の流れに対応するのが早い。バランスシートも、極端に多額の設備投資や増員が必要ない形態なので、損益計算書でも損益分岐点を超えている。売り上げが10%伸びたら営業利益が30%伸びるような体制になっている。重たい設備投資がなくスタイリッシュな資産構成となっている。

―自動車の台数は減り、車自体が変わっていくとする投資家の見方もロードショーではあったようだが、どう考えるか
自動車がこれから自動運転に切り替わっていくうえで、私が考えた将来像では、各個人の移動手段に加えて、自動車がパーソナルスペースになっていく。移動しながらそこに居住空間を発生させる意味合いで、1人1台ずつ持つ社会に入っていく。ワンルームマンションのイメージだ。そうなると台数は減らないのではないか。車中で使用するコンテンツも増えていく。「半家」みたいな形になっていくので、我々が供給するものは増えるという考え方を持っている。人口は減るが、保有台数は増えるイメージだ。

―OEM事業に参入した背景と、PB事業での経験を活かしたOEMでの強みは
PB事業で香港の子会社を作った時に、単体で仕事がないか、香港のスタッフに営業をさせ、自動車でハンズフリーで携帯電話を受けるヘッドセットを仕入れて売っていた。その際に、加賀電子グループからノベルティのヘッドセットを作れないかというオファーを受けた。音声コマンド入力で操作するゲームの初回予約特典で、ノベルティとしてヘッドセットを付けたいという話から付き合いが始まった。

ノベルティの不良品率が低かったため、信用を得られ、通常の商品を作る流れにつながっていった。当時は、AV機器も手掛けており、モニターやDVDプレーヤーなどを作っており、それらとの相乗効果も出ていた。今作っているPCや携帯電話の玩具は、プラスチックの成形品のなかに基盤と液晶画面が入っている。設計を加賀電子が行い、当社が製造する。製品としてはサイドバイザーのほうがはるかに難しい。

電子玩具は、単純な人形ではないし、製品のなかに電子基盤が入り、玩具メーカーとしては今までにない路線だった。玩具を作っていた人は電子機器を扱いたくないし、パソコンを作っている人は、玩具を作りたくない。隙間産業の生産管理を行っている。

―そうして業績を伸ばしている
加賀電子には、プロパーで資本参加もしてもらった。OEMの安定的な紹介を得られる。ベースとして堅い収益性があり、少しずつ育てていきたい。

―まだPB事業に注力すべきではないかと見ている意見もあったようだが
OEM事業は、ボリューム感も資本関係もあるため、引き続き堅い商売として進めていきながら、大きく伸ばすところはPB事業と考えている。PB事業は当社の粗利のほとんどを担っているので力を入れて伸ばしていきたい。中期経営計画ではOEMをどんどん進めていく。

―今後の計画に掲げる「アフターパーツ版SPAモデル」の確立とは
かなり長期モデルで10年程度は見たいと思っている。SPAのAはアパレルのAで、ベースモデルはユニクロだ。メーカー直販モデルを作りたい。メーカーが直販するという意味でSPAモデルという言葉を使っている。当社は実店舗を持って売るつもりはない。顧客に買ってもらうのはWEBサイト上で、具体例として分かりやすいのはMonotaROだ。MonotaROのようなアカウントIDを持って購入するWEBサイトを利用してもらい、消費者が直接メーカーから買ってもらうモデルを考えている。

BtoBを基準としたネット販売のモデルのなかで、消費者にはアカウントを取ってもらい販売する。販売の価格層が違うので、その点もアカウントでコントロールする。

―販売価格層が異なるとは
自動車販売店と自動車部品商社、一般消費者では、販売価格を変えなければ機会損失が発生する。

―そうするとシステム的には綿密な管理が必要になるのか
そうだ。そのために中期計画でDX化を行う。(仕組みの一環として)自動販売システムを自社で開発して導入したい。

―営業・経常利益率が6%ほどだが、今後の成長イメージは
私の重視する経営指標は経常利益率で、10%を目指す。中計の3ヵ年計画で確実に営業・経常利益率10%以上を達成する。これまでも年率10%以上で成長しているので、この3ヵ年も同じペースで成長させていく予定だ。

―財務戦略について
今回の福証Q-Boardへの上場での調達資金で、今までフォローできていなかった高級車や高級品の小ロットの製品向けの工場を作る。目先のところでは現金が結構あるので、当面新たな調達を考えていない。次の市場を睨んで事業計画を立てていき資本政策をよく考えなければいけないので、新株発行などは検討していない。

―自己資本比率の目標はあるか
特に定めていない。高過ぎてもよくないと考えている。この決算期末にも35~38%の間ぐらいの自己資本比率があるが、30%あればよいと思う。40%を超えてくると「投資に回さないと」という意見もあるので、内部留保とバランスシートを見ながら考えていきたい。

―株主還元の考え方は
通常配当で15円と、記念配当で5円を、創業以来初めて配当する。公募価格から見ると2.2%程度の利回りとなっている。そのレベルの還元を継続していきたい。

―配当性向目標は
株価に依存するので特に決めてはいないが、できれば株価に対して2%の利回りを維持したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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