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上場会見:HCSHD<4200>の加藤社長、マーケティングが成長を牽引

24日、HCSホールディングスが東証ジャスダック・スタンダードに上場した。初値は、公開価格(1800円)を22%上回る2210円を付け、1890円で引けた。同社は、大手ミシンメーカーだったリッカーの100%出資会社として1970年10月に設立し、電力や航空、鉄鋼など設備投資の規模が大きい企業を主要顧客に持つシステムインテグレーター。広告配信のデジタルマーケティングも手掛ける。加藤俊彦社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

加藤社長は、各事業領域の特長などを説明し、データサイエンス領域とエンジニアリング領域の人材の組み合わせについて言及した

加藤社長は、各事業領域の特長などを説明し、データサイエンス領域とエンジニアリング領域の人材の組み合わせについて言及した

―初値が公開価格を上回った
おかげさまでほっとしている。デジタルトランスフォーメーション(DX)を標榜しているため、注目度は高いと思っていた。50年の歴史のシステムインテグレーションといったところが足を引っ張るわけではないが、色合いとして地味な感じがあり、全くそうでないところに力を入れてきた。そういったところが評価してもらえるには少し時間がかかるが、これからもっと勝負していきたい。

―この時期に上場した目的や狙いは
リッカーミシンの電算部門だったが、リッカーミシンが経営破綻してしまい、次はそごうが親会社となったが、そこも破綻した。親会社の悲劇が続いて上場する暇がなく、親会社の株式をどう処分するか四苦八苦していた。歴史を持つ他社はジャスダック市場に上場しているので、どうかとは思ったが、この5年で会社の中をがらっと変えた。逆に今だから良かったと思う。

―デジタルマーケティングに注力するというが、次期の減収見込みをどう巻き返すのか
昨年はPCとテレビが爆発的に売れてマーケティング費用がずいぶん出たので良かった。今年は好調がそこまで続くのかと思い低めに見積もったが、上期も凄く出た。特にPCのプロモーションは続くと見ている。

ただし、10月に新しいウィンドウズが出る予定なので、新製品のスローダウンがある。下期がどうなるかだ。上期の予想はもう達成しているが、ウィンドウズの絡みがある。NECパーソナルコンピュータが我々の最大の顧客だが、レノボの傘下に入った時に、デジタルマーケティングはシンガポールでグローバル調達するため、取られてしまった。ところがうまくできなかったために全て戻ってきて、レノボのマーケティングも一緒に付いてきた。展開を一生懸命考えなければいけないが、まだ大丈夫だと思う。

―来期以降もデジタルマーケティングが成長を牽引するのか
そう思っている。競合は大手広告代理店で、量では敵わず質の高いことをやっている。頭数を増やすわけにはいかないので、今回上場したのもそうだが、調達した資金をM&Aや人材獲得に使っていこうと考えている。もう1つは、グーグルアナリティクスの知識を中堅・中小の顧客に広げられるサポートシステムを作っている最中だ。来年からサブスクリプションのような形でうまく展開できている。

―中小企業向けのサポートシステムとは
過去に1度、ソフトバンクグループとタイアップしようとして挫折した。もう1度やろうと思っている。当社には昔からITの素養のある人間がいる。今度はデジタルマーケティングが得意な人材とのコンビネーションがうまくいき始めた。彼らの深いノウハウとITの技術で、エンジニアがこうすれば良いというフレームワークを提示できる。これらを出力してシステムを作っている。

―ROEやROICなどの目標設定は
我々はホールディングス化して5つのビジネスがあり、関係会社を持ち、それぞれのビジネスは全く違う。今は総合的に連結でというよりも、それぞれの営業利益率が全然違う。そこでまずサービスラインをどのように見極めていくか、その総和が連結になる。ROEというより資産価値がどれだけになるかも含めて見ることになるが、これからだと思う。

―そうすると事業ごとにROAを見るのか
そのほうが良いのかもしれない。今のところは営業利益率で見ている。

―調達資金をどう使うのか
上場でブランドや信用力を付けて良い人材を採る。新人を毎年15人ほど採用している。同じような人数で中途の入社を採ろうと思っている。デジタルマーケティング人材はITの素養と全く違う。IT人材とマーケティング人材のマッチングができ始めたので、費用が掛かるが、マーケティング人材を採用していく。

M&Aは今後3年の間にはあまり考えていない。ただ、2024年3月に売上高60億円、営業利益率10%を達成した後、100億円と15%に到達するにはM&Aが必須だ。

―株主還元の考え方は
17円50銭の安定配当で分配率は2割ほどだ。大手SIerは3割ぐらいが多いが、投資したいものが多いので、内部留保を担保したい。今年は上場記念で20円とするつもりだが、来期以降は安定配当を考えている。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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