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上場会見:ドリームベッド<7791>の小出社長、プレミアムとハイを充実

23日、ドリームベッドが東証2部に上場した。公開価格(1460円)を110円下回る1350円を付け、1256円で引けた。同社は広島市に本社を置き、マットレスやベッドフレームを製造する。独占的ライセンス契約を持つ米「

小出社長は、中核ブランドのSertaの認知度向上に基づいた売り上げ拡大について話した
小出社長は、中核ブランドのSertaの認知度向上に基づいた売り上げ拡大について話した

(サータ)」を主力ブランドとし、日本仕様で生産して全国の家具販売店やホテルなどに販売する。小出克己社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値の受け止めは
少し厳しい評価だったと思うが、そこは我々も今のような状況なので、真摯に受け止めてどう変えていくか社内でもう1度よく検討し投資家の期待を裏切らるようなことがないようにしたい。

―上場の目的は
もともと創業同族の企業だったが、20年以上前から公開企業を目指して組織や仕組みを改革してきた。2017年に前任の社長が急逝した。当社の継続性を考えた時に上場が最大の選択肢だろうと、当時の役員や社員と相談しながら上場を決断し、3年をかけて今日にいたった。

―海外マットレスメーカーの参入の影響はあるか。競合環境の認識について
市場環境を民間統計に基づき簡単に言えば、2025年にマットレスの市場規模は2300億円程度が期待できる。価格帯によりプレミアム、ハイ、ミドル、ローの色分けができる。我々が対象とするプレミアムからハイ、ミドルの市場規模が全体の60%の1400億円だ。ローの市場とは取り扱う商品の価格帯や品質が違うため、現状では大きな影響があるとは考えていない。プレミアムやハイをいかに充実させていくかでさらに成長を目指す。

―介護分野をどう考えるか
一般のベッド分野とは客層や技術的な面が違う。従前は当社も介護ベットを取り扱っていたが、市場環境が寡占状態にある。パラマウントベッドやフランスベッドが非常に強い。市場が非常に限られるため、現状では進出を考えていない。

一般市場でのベッドの機能を付加し、品質を上げ、海外物との競合にどう勝っていくかに最大の重点を置いて取り組みたい。海外製品も品質が上がってきていると思う。国内で作られる物とは差があると認識しているし、新しい技術を今後開発できる自信もある。

―スリープテックとは
過去に蓄積してきたデータを活用しながら、将来的には顧客の睡眠に関するデータとマッチングして顧客により合うものを作っていきたい。その前段階としてもう少し手軽に活用できるスマホを利用したものもあると考えている。

―財務上のKPIは
利益率に1番関心を持って取り組んでいきたい。2019年3月期と2020年3月期は、戦略的な費用投入があったが、ベースの利益性は落ちていない。その前の期でいえば、経常利益率は10%前後あった。できるだけ早くその水準に戻したい。売り上げ規模の重要性は認識しているが、利益性に最大の経営目標を置いて進めたい。

―中長期での具体的な経営数値の目標は
このような環境下であり中長期といった数字を具体的な目標として捉えるのは難しい。コロナ禍の影響が見通せるような時期に中長期の数値を再度検討したい。

―そのタイミングで公表するのか
そのようなことも公表できると考えている。

―株主還元の方針は
来期は20円配当で対応したい。利益状況によるが新工場への投資の問題がある。内部留保も重要な要素と捉えている。利益とのバランスを考えながら、さらに充実できるものはしっかり充実させたい。

―基本的に20円の安定配当を続けたいのか
当面は20円を確実に配当したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

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