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上場会見:スパイダープラス<4192>の伊藤CEO、建設の生産性を上げる

30日、スパイダープラスが東証マザーズに上場した。初値は、公開価格(1160円)の1.48倍の1722円を付け、1685円で引けた。熱絶縁工事のエンジニアリング事業と、建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」のICT事業を手掛ける。アプリは、ビルやマンション、商業施設など大規模建築物の建設で使われ、現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促す。伊藤謙自CEOが東京証券取引所で上場会見を行った。

伊藤CEOは、プロダクトを顧客とともに作り上げてきたと話した

伊藤CEOは、プロダクトを顧客とともに作り上げてきたと話した

―初値の受け止めについて
非常に評価された初値で、PSRの面で見ても良い数字だった。
―昨年秋の社名変更から上場までに会社が大きく変わったと思うが、この半年の感想は
ユーザー数が広がり、SPIDERPLUSの製品名が認知された点で、上場を見据えて社名をレゴリスから変更した。また、半年ほど前から優秀なメンバーが増えた。成長が加速し、効率的なマーケティングが可能になった。社内(体制)も売り上げも、物凄い勢いでバランスよく成長している。

―コロナ禍の影響でポジティブな面はあるか
建設業界全体がコロナ禍に際して、DX化に対する取り組みや考え方が非常に強くなった。建設業界では、今後数年にわたってDXへの投資が行われるのではないか。

―これまでサブコンを中心に販路を拡大してきたが、上場を機に販路に変化はあるのか
口座を持つ既存顧客の全てが、全社で導入しているわけではない。そのため、NRR (Net Revenue Retention=売り上げ維持率)の部分で伸びる余地がまだある。また、大林組や鹿島、長谷工コーポレーションなど大手のゼネコンにも使ってもらえるプロダクトに成長していることから、ゼネコンにも広く使ってもらう方向だ。

―国内外の競合状況は
国内の競合は数社存在する。そういった会社とともに(サービスを)広げられる。ただ、取るか取られるかの世界ではあるので、我々はオプション機能を最も多く持ち、それが強みとなっている。

海外では、数社のCon-Tech (Construction-Technology) 企業がある。米国であればプロコアテクノロジーズやプラングリットだが、現状では両社とも米国内での売り上げが総売上高の90%を占め、競合したことは一度もない。海外展開するタイミングで、どのような戦略を採るか検討する必要がある。東南アジアはまだブルーオーシャンと見ている。

―海外展開する際の課題は何か
日本国内では、圧倒的に多くの建設会社がiOSを使っているが、アジア展開ではandroidへの対応が絶対となる。資金調達で、システムを大幅にリニューアルし、まずandroidに対応し、多言語化する。

ベトナムなどローカルの地域の人は、簡単な英語であればコミュニケーションを取れるが、詳細な意思疎通には現地語が必要であることから多言語化も必須だ。海外にマーケティング費用を大きく投下するのではなく、既に付き合いのある日系企業が多く進出する場所で、モデルケースとして使ってもらい、よりフィットする国を調べながら広げる。

―国内建設業界の課題について、例えば、人手不足だから外国人をたくさん入れなければいけないという未来を描くのか。将来の建設業の変化の見通しと戦略は何か
我々の顧客でも外国人の現場監督が増加している印象がある。なるべく早く日本のツールでも多言語化して、言語を選べるようにするべきだと思う。

建設業界の一番の課題は、人手が足りないことだ。また、働き方改革でこれまでグレーとされた残業時間(の適正化)や、完全週休二日制の実施が迫っている。それまでに、生産性をどこまで上げることができるかが建設業界の課題ではないか。我々の製品が、それらに対してどこまで役に立てるかということになる。

―建設のみならず造船やプラントなどほかの分野への展開のスケジュールは
現状は建設に特化するので、そこに最も注力する。だが、直近でプラント関係の会社の利用がかなり増えた。プロモーションを積極的に展開したい。

―2ケタ増収で赤字だが、広告宣伝費と利益のバランスや黒字化のメドは
大村幸寛CFO:広告宣伝費については、コロナ禍の影響でウェブマーケティングやテレビCMを使うなどオンラインマーケティングを中心に行った。ユニットエコノミクス、すなわちLTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)のバランスを見て投資している。ここ数年は売上高成長率を重視する。状況を見て1~2年、または数年を先行投資期間と位置付ける。

―黒字化はそれ以降か
バランスを見て考える。

―年間増収率の目標値は
伊藤CEO:ICT事業で年間40%の成長を目指す。

大村CFO:根拠は、NRRが145%であるため。既存顧客のみでも年間45%程度伸びる見込みだ。

―蓄積したデータをAIで分析するとのことだが、システムの使い方の広がりはどのようなものを想定するのか
伊藤CEO:AIを用いてやりたいことは山ほどある。現段階でそれを話すことはできないが、手作業で行うルーティンワーク的なものをAIがほぼカバーできる領域はかなり多い。そこをAIで省力化することは近い将来に確実に実現する。そういうものに投資する。

―提携やM&Aは
M&Aは、良い会社があれば積極的にしたいが、投資家から「今の段階では絶対に内製化して進めるべきだ」という意見があった。M&Aするのであれば、我々が不得意な分野を得意とする企業を完全に吸収して一緒に開発したい。

―配当政策は
大村CFO:売上高成長率を伸ばす段階では、内部留保を含めて成長する。中長期的な観点では、数年先には配当も含めて還元を考えたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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