CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

上場会見:ジーネクスト<4179>の横治社長、製造小売企業に注力

25日、ジーネクストが東証マザーズに上場した。初値は、公開価格(1230円)の2.31倍の2851円を付け、2600円で引けた。顧客対応をデジタルトランスフォーメーション(DX)化するプラットフォームである「Discoveriez」を開発・提供する。電話やメール、チャットで寄せられるVOC(Voice of the Customer=顧客の声)情報の社内共有や活用を支援する。ミャンマーに開発拠点を持つ。横治祐介社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

横治社長は、顧客からの良い声を活かす多くの企業を見てきたため、蓄積したノウハウをより多くの企業に使ってもらいたいと話した

横治社長は、顧客からの良い声を活かす多くの企業を見てきたため、蓄積したノウハウをより多くの企業に使ってもらいたいと話した

―初値が公開価格を上回った
高い評価を受け嬉しく思う一方で、スタートラインであることも含めて大変身の引き締まる思いだ。

―当初、食品業界で普及した決め手やきっかけは
プラットフォームはリスクマネジメント機能が豊富だ。食品会社にサービスを提供する過程で、必要なリスク検知機能を把握してプラットフォームに盛り込んだ。おそらくほとんどの食品会社にとって、この程度の機能があれば足りるだろうという水準にある。

一方で、特に日本では、食品の安心・安全はセンシティブに捉えられている。そのため、食品会社の意識が高いことも採用の背景にあるのではないか。口コミで紹介されるケースが多く、シェアが比較的高い。

―事件などがあって、それをうまくマネジメントできたエピソードはないのか
実際にはあるが、言いにくい。困った結果、導入して収まったという話は多数ある。

―他のシステムと何が違うのか
一般的なコールセンターやCRM(顧客関係管理)は、売るための仕組みという側面が強い。まず顧客を特定して、その顧客に対して何をしたか残す。Discoveriezでは、起きたことが重要だ。誰が言ったかということよりも、何が起きたかに焦点を当てる。

例えば、メーカーのように不特定多数の顧客を相手にする企業では、一般的なCRMで顧客を特定してから行為履歴を積み上げるシステムでは対応が難しい。苦情を寄せる顧客は名乗らず、住所も明かさない。我々の仕組みでは、名乗らない不特定多数の顧客に非常に有効に働く。起こったことや言われたこと、状況に企業として対応すべきことができる。

―競合先と勝率は
米国のsalesforce.comやZendeskが競合だ。勝率については控えるが、聞けばおそらく驚くぐらい採用してもらうことが多い。salesforce.comやZendeskよりも我々が優れているというつもりはない。Discoveriezに対するニーズを持つ企業に対しては非常に強い。一方で、CRMの仕組みと共存でき、両方を使うケースもある。争うばかりでなく、ともに利用されるケースを増やしたい。

―設計思想が対局にあるというCRMのシステムと連携する場合に見込めるシナジーは何か
例えば、営業管理、または営業管理と基幹業務の一部としてSalesforce製品を使う企業が利用することがある。キャンペーンなど様々な情報を収集して業務を進めなければならない局面で、Discoveriezを使って集めた情報をSalesforceのマスターデータに流し込む。

―情報を補い合うことができるのか
そうだ。我々もSalesforceの情報をもらうし、こちらのデータをSalesforceに書き込むこともある。

―今後、特にターゲットとする業界・業種はどこか
製造小売の企業に注力したい。特にスーパーマーケットなどの小売企業だ。スーパーは、顧客の声を集めることやCRMに困る企業が多く、実際に引き合いも多い。最近、プライベートブランドなどで製造の部分に一部関わり始めた。いわゆるSPA(製造小売)の分野で、品質管理や情報共有をどうすれば良いか分からない企業にヒットするのではないか。過去の事例も含めて非常に強い分野だ。

―今後開発するDiscoveriezのライト版はどのようものか。フリーミアムモデルを採用するのか
業種・業態で異なるニーズに合わせたテンプレートを用意し、または機能を制限することでより使いやすくしたものを提供したい。フリーミアムまでは検討が進んでおらず、販売方法や考え方は、プロダクトが市場に適合するかを慎重に見て検討したい。

―従業員の声を聞くという利用のしかたは、ヘルスケア分野につながる可能性があるのか
直接的にヘルスケアと言えないかもしれないが、多店舗展開する外食企業で労務に関するいろいろな声を集めている。個人情報を保護する機能が豊富であるため、従業員の情報を守りながら、起こってしまったことに対して会社としてどう対処するかという使い方や、社内ヘルプデスクとしての利用例がある。

―新規契約件数拡大のために中堅規模の企業を新規取引先として拡大するそうだが、中堅企業の売り上げ規模は
10億円以上100億円未満がターゲットだ。ただ、売り上げと規模が必ずしも比例しないので、あくまで目安と見てもらいたい。

―中期の想定売上高について、2024年3月期は2020年3月期の何倍ぐらいになるのか
三橋健太郎執行役員:倍数については言えないが、中長期的には中堅企業を増やして、徐々にストック型の収益モデルに更新したい。

―契約単価の向上について、平均販売価格をいつ頃までに何倍にしたいのか
横治社長:何倍というより何十%という単位を目安にしてもらいたい。2022年は、今予定している計画に向けて売り上げ単価を増やす。

―何%の成長か
市場の反応を見ながら機能を追加するが、2016年3月期を基準に10~15%程度と想定する。詳しい数字は未定だ。

―新規導入件数と売上高、営業利益、営業利益率の中期目標での成長イメージは
三橋執行役員:売上高の成長とともにストック収益を高めたい。具体的な数字は言えないが、かなりのハイパフォーマンスで成長したい。

―海外展開は
横治社長:中国や香港、台湾などで日系の企業が利用するケースが既にある。ただ、現地のニーズは独自のものがある。日本では、顧客対応の8割は電話だが、中国ではチャットが5割を超えており、チャネルの捉え方が違う。ニーズを掴み、中長期的に展開したいが、時期などは未定だ。状況が整えば進出したい。

三橋執行役員:補足すると、プロダクトは英語と中国語に対応している。

―株主還元は
三ヶ尻秀樹CFO:株主還元は重要で配当も大切だと考える。一方で、当社は成長局面にある。現時点では配当で還元するよりも、プロダクトの機能強化や、将来の収益獲得に向けた営業人員の増員、広告宣伝費の支出などで企業価値を向上させ、株主に還元したい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタル・アイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタル・アイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。