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上場会見:ヒューマンCHD<7361>の富永社長、顧客視点の開発重視

16日、ヒューマンクリエイションホールディングスが東証マザーズに上場した。初値は、公開価格(2120円)のおよそ1.65倍の3505円を付け、2821円で引けた。同社は、システムの開発・保守を行う技術者に特化した人材派遣事業を手掛ける。富永邦昭社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

特定業種や企業に依存せず、一気通貫でサービスを提供できることなどが強みと話す富永社長

特定業種や企業に依存せず、一気通貫でサービスを提供できることなどが強みと話す富永社長

―初値が公開価格を上回った
株価が付いたことは大変喜ばしい。身の引き締まる思いでいっぱいで、投資家からさらに信頼を獲得できるよう役職員一同で社業に励んでいきたい。

―M&Aで成長してきたが、PMIの考え方は
当社の特徴の1つとして、成果主義ではなく行動で評価する。チャレンジする人材や、人を育てられる人材を増やしたいという理由がある。買収した会社のPMIではDay100プランを組む。100日以内に同じ状態に統合することを目指す。その計画に人事制度の根幹部分を導入するものになる。

一方で、買収先が元々持つ文化も大事にしなければならず、必ずしも我々の色に染めるわけではない。残すべきものと変えるべきものをはっきり100日間でしっかり行うことが大事だ。

―高度なIT人材の確保は困難な状況だが、どうしているのか
特殊な技術を持つとかアーキテクチャ能力が高い人材と解釈したうえで、そのような人材は通常の募集広告では獲得できない。2つのルートを使って獲得する。既存社員の人脈やヘッドハンターを活用する。市場に登場する頭数は少ないが、存在するのは間違いない。見つけた時にどういう理由で来てもらうかが大事であり、人事の方針や行動主義、チャレンジする精神に共感できる人材に絞りたい。

―マーケティング力が高いとはどのようなことか
エンジニア全てがそうではないが、開発することや、ものをつくることをゴールにしがちであるところ、あくまでも出来上がったものを使うのは誰かという視点で提案をすることがクセになっている。その点が大手SIerから見て、アセットコンサルティングフォース(ACF)やヒューマンクリエイショングループは少し違うと評価される。使う人がどのようなベネフィットを得られるかをゴールにする。

例えば、大手生命保険会社の案件で、先方が抱える課題が、コロナ禍で新規顧客の契約が取りづらくなったのでシステムを開発して何とかしたいというものだった。我々はコロナ禍で対面せずに営業でき、営業時に成約できる状態をきちんと解く必要があると考えた。

最新技術を盛り込み、成約に至るパターンとそうでないパターンを見出してうまく成約に結び付けるには、どういう時にどのような会話をすれば良いか提案できるシステムのデモ機を作り、実演して受注を獲得した。システムは手段の1つであり、それを使って顧客にどのような便益を出すかを重視する。

―保有人数や稼働率、契約単価などのKPIについて
KPIは3つで、契約単価を最重視する。なぜかというと、技術力の向上レベルが一番大きく表れる指標であるためだ。計画以上の進捗を見せている。保有人数は、コロナ禍の影響はまだゼロではないので、獲得した人材が待機に回るリスクを完全に払拭できない。足元では若干緩やかに進んでいるが、今期末に目標を達成できないことは全くない。優秀な人材に絞り込んで採用する。稼働率は現在97.3%で、期末(の目標)を97.7%と見ており、その達成は十分に視野に入る。

―稼働率について、昨年はコロナ禍の影響があったのか
一時93%まで下がった。昨年の7月以降回復してやっと97.3%になった。コロナ禍の影響がゼロではなく万全ではないが、計画に織り込んだ範囲内であり問題はない。

―リサ・パートナーズ関連のファンドの株式売り出しがあり、親引け先がリサPだが、その狙いは
株主のBSHは期限があるファンドだ。リサPが親引けしたことは、長期保有するために持ち主を変え、かつ事業シナジーを生み出すためだった。

―今後のM&Aに向けた体制が強固になるのか
リサPは、M&Aの情報を多く保有しており、今も有益な情報のルートの1つしてシナジーを効かせてもらう状況であり、今後も大きく期待できる。

―M&Aの買収対象企業は多いのか
件数としては月に160件の話がある。

―売り手も多いが買い手も多いのか
必ず競合し、ほぼ入札になる。

―買い方の工夫はあるのか
相手のオーナーとなるべく早い段階で会って、特に従業員のことを考えると当社と一緒になったほうが良いという話をする。先方が納得して値段が合った時にディールにできる。値段が合った時というのが難しいのが現状だ。今は価格が高騰気味。我々の値付けの仕方はかなりシステマティックで不当に安くも高くもない。非常にこなれた価格を設定している。そのため、過去2社のPMIも順調に進んでいる。(M&Aを)やるかやらないかと言えばやる。

―のれんの額はどのぐらいか。償却後の採算は
4億2000万円強がシー・エル・エスとセイリングの償却残で、償却は極めて順調に進んでおり、PMIが好調であることが見て取れる数字だ。

下田昌孝常務:年間で5000万円程度の償却となっている。

―償却後の利益率は、ほかの2社の子会社と変わらないのか
富永社長:利益率はほぼ同水準だ。今後一番大きくなる子会社は企画とコンサルティングが中心のACFで、2019年7月に立ち上げたばかりであるため、今の利益率は厳しいが、今期以降はかなり上がってくる。

―配当政策の考え方は
配当性向30%をメドに継続的な配当を目指したい。もちろん30%で十分ということではなく、より多くの配当を出せるように頑張りたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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