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上場会見:室町ケミカル<4885>の青木社長、3事業のシナジーで成長

26日、室町ケミカルが東証ジャスダック・スタンダードに上場した。初値は、公開価格(820円)のおよそ1.73倍ほどの1424円を付け、1462円で引けた。同社は、医薬品の製造・販売、イオン交換樹脂の販売・加工、健康食品の企画・製造・販売の3事業を手掛ける。1917(大正6)年に売薬の製造販売を目的に設立した。青木淳一社長がオンラインで上場会見を行った。

青木社長は、会見で成長への意欲を語った

青木社長は会見で、事業内容や成長への意欲について話した

―初値が公開価格を上回った
大変評価され非常にありがたい。一方では、信頼に応えるべく、やるべきことをやらなければならないと強く決意した。

―この時期に上場した理由と狙いは
1つは知名度の向上だ。今後の成長を考えた時に、主力3事業でいろいろな技術を持つため、上場して世に広くアピールしたい。同時に知名度の向上で当社の経営理念に賛同してもらい、かつ、できれば優秀な人を迎えたいという思いもある。

2018年5月期まで、不採算事業などの影響で利益が減少していた。体質改善のための諸対策を行い、現在では利益を安定的に確保できる状況になった。ある程度伸びた時点での上場よりも、伸びしろが大きいこのタイミングでの上場を選んだ。

また、医薬品事業で大型の開発案件が進行している。開発が成功した場合には、それらの量産設備への投資に公募資金を充てる。これら3つが主な理由だ。

―不採算部門で利益が減少した要因は何か。どのような取り組みで利益を確保できるようになったのか
主に健康食品分野の打錠製品など不採算の製品がいくつかあったが、現在ではほぼ撤退した。その影響で、今期は対前期比で売り上げは減少したが、体質改善のために不採算製品から撤退し、製造体制も見直した。一部減損処理もして、かなり筋肉質な体制になった。対策をほぼ終えており、トップラインを上げて着実に成長したい。

―医薬品事業で2021年5月期の売上高が減少する見通しだが、これは一過性のものか
そう考えている。特に、輸入原薬のうち2~3種類の主力製品は、これまでに使用していなかった顧客への展開を進める。来期にも採用のメドが付き、今後さらに医薬品事業は伸びると見込んでいる。

一方で、化学品事業のイオン交換樹脂が半導体などの分野で非常に好調なので、それに牽引される形で売り上げが伸びる。成長分野で営業を拡大したい。

―商社とメーカー機能を強みとする医薬品製造企業はほかにも存在する。特に差別化要因となる強みは
商社機能という面では、ほかの会社もあるかもしれないが、多くの原薬を海外から調達できる。原薬もあれば中間体もあり、安価で安定的に調達することができる。ルートも欧州や中国、インドなど複数あることが強みだ。自社工場に異物除去装置や精製・合成工程を持ち、顧客の要望に応じて組み合わせて提案でき、評価されている。

―化学品事業では、例えば汚染水処理など環境が絡む場面もあると思うが、SDGs的な取り組みはあるか
そのような依頼もあり対応する。また、再生事業にも取り組んでいる。イオン交換樹脂や分離膜は消耗品であり使用するうちに性能は落ちてくる。通常は新品と交換するが、我々は引き取って再生処理を行い再度供給する。顧客にとっては新品の購入価格よりも安く済むメリットがあり、廃棄量も減らせる。今後の伸びを期待する。

―3事業のシナジーは
最も歴史が古いのが医薬品事業で、主力製品のポリスチレン酸スルホン酸カルシウムが、高カリウム血症改善薬としてある。その原料になるのがイオン交換樹脂で、化学品事業とのシナジーがある。その粉砕技術も化学品事業から応用する。

さらに、医薬品事業で大型の開発案件が進行中だが、そこでの精製技術は化学品事業の開発部隊に協力してもらって技術を確立しようとしている。近々特許も出したい。

ゼリー形態の健康食品事業を扱うが、ゼリーの製造技術をそのまま医薬品ゼリーに活かす。今後もシナジー効果を最大限に活用して成長したい。

―医薬品事業に対してほかの2事業が貢献するという理解で良いか
傾向としてはそうだ。例えば営業面で、それぞれの事業の営業部隊からのシナジーもある。各事業間で最大限に活用したい。

―今、株価が一時的に不安定だが、今後の見通しや目標はあるか
株価については、業績をきちんと上げることに尽きる。現在、中期経営計画を策定中なので、公開できる段階で改めて説明する。今後の成長戦略についてもそこで説明したい。

―株主との対話の方針は
今のところ半期に1回のペースで、できるだけ私から直接説明し、投資家の意見を聞いて経営に活かしたい。

―海外投資家とのコミュニケーションを想定するのか
想定している。今後、そのような依頼も出てくると予想し、要請がある場合には対応したい。

―市場再編後のプレミアム市場などへの上場の意思は
我々の現在の売り上げ規模や財務体質を総合的に見ると、まずはスタンダード市場で足場を固める。長期的には、我々が考える通り着実に成長すれば検討したい。

―株主還元性向は
配当性向を20%前後からスタートさせ、以降は業績を着実に上げながら配当を連動させたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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