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上場会見:WACUL<4173>の大淵社長、データを解析して提案

19日、WACULが東証マザーズに上場した。公開価格(1050円)の2.3倍となる2415円の買い気配で引けた。同社は、デジタルマーケティングのPDCA プラットフォーム「AIアナリスト・シリーズ」などを手掛ける。AIアナリストは、登録されたWEBサイトのデータを蓄積・分析し、自動で改善策を提案する。フリーミアムモデルを採用し、登録した約3万3000サイトの行動ビッグデータと、改善施策と成果を関連付けたPDCAデータを得て事業に活用する。大淵亮平社長が19日にオンラインで上場会見を行った。

大坪社長は、顧客生涯価値(LTV)などを重視し中長期的な成長を目指すと話した

大淵社長は、顧客生涯価値(LTV)などを重視し中長期的な成長を目指すと話した

―初値が付かなかった
かなり高い期待と信頼を得られたと実感している。期待を糧に1歩ずつ積み上げて応えられればと考える。

―上場の狙いは
知名度の向上と、それに伴う採用の強化、資金調達手段の多様化を期待する。昨今、デジタル推進が世間的なトピックになっており、その時流から、上場して次のステージでもう1つ大きなチャレンジをするには良いタイミングとして決断した。

―登録した3万3000のサイトのうち、何社ほどが課金してのサービスを利用するのか
数字が絡むので細かな回答は控えるが、一般的なBtoBのフリーミアムモデルの課金率とそう違いはない。

―Webサイトの行動データにフォーカスする点では、最近上場したプレイドがあるが、データの取得時点に差があるように思える。プレイドに限らず、他社と比較した場合の競合優位性とは
我々の場合は、データを取得するというよりは、既存のデータを解析・分析してどうすればいいか提案するサービスを展開する。そこがプレイドとは決定的に違う。プレイドに限らずだが、Webのデータマーケティングツールは、データ収集に寄ってくると思う。我々はどちらかといえば収集されたものをどう解釈するかになるので、競合視はしない。協調して一緒にこの業界を盛り上げたい。

―業種や規模を問わず対応可能であり、各セクターごとのトレンドを捉えたECサイトなどをパッケージ化して提供するビジネスモデルを採用する可能性は
バーティカル(特定の分野に特化した形で)にどんどん組むことを考える。公開済みの取り組みでは、JTBの子会社を通じて、旅行向けのパッケージを提供している。株主でもあるリコーは、BtoBの製造業向けにマーケティングのパッケージを販売する。縦軸というか業界ごとに深い知見を持つ会社と組むことで、我々の能力を高めることは可能だろう。ECのみならず様々な形で交渉を進めている。

―今後の成長における経営目標や数値目標は
ここまでの業績で満足することはない。期待する株主が今日を始めとして増えるので、しっかり応えたい。

―中長期的な成長をという話だが、数年で売上高をどのぐらい伸ばしたいという意気込みは
意気込みレベルで良ければ、2つケタを変えるということを積極的にしたい。

―東証による成長可能性資料の審査が始まったと思うが、どのような点に苦労し、意識・工夫したのか
成長可能性資料を審査することは東証では我々が初めてのケースだった。東証と二人三脚というか手取り足取り、いろいろなコミュニケーションを取りながら行った。苦労した点は、前例がないなかで、どのような記載の方法であればフェアであるのか、あるいはこのようなところは書くのが難しいというところを、膝を詰めて議論した。逆に言えば我々なりにビジネスを深く理解する契機となった。考え方も深められ、非常に良い取り組みだった。

―これまで上場した会社とここは違う項目として盛り込んだポイントは
項目レベルでは大差がないが、より細かく厳密な定義で記載することになったことは決定的に違う。事務方としては竹本祐也CFOが中心になったので、より生の話ができるかもしれない。

竹本CFO:これまでの成長可能性資料は、どちらかと言えば届出書よりもさらに抽象的な表現であるとか、イメージ図のようなものが多かった。上場企業の決算説明資料の充実度というようなものを上場する前から求められる感触を持った。

―こういうKPIを盛り込んだという具体例はあるか
例えば、届出書では本当に主要なKPIについて記載するということで、サイト登録数や LTVの数値を記載した。それとは別に、クロスセル率の開示は成長性資料のみで開示したので、そういった点が少し異なる。

―他社との協業を前提とした企業の信用度向上を上場の目的としたが、今後の協業やM&Aの予定は
大淵社長:協業は、非常に積極的に検討する。バーティカルにサービスラインアップを増やすなかで、(今は)マーケティングに軸足を置く。だが、より風下のセールスや、より風上のマーケティングやブランディングといった領域を含めて、トータルでソリューションを展開するほうが、効果がより高い。こうした強みのある会社と積極的に組みたい。一概に言えないが、協業かM&Aかは手法の話に過ぎず、状況に応じて考えたい。企業価値向上に資することが前提条件となるため、成長戦略の実現を早くできるものであれば積極的に投資する。

―大株主のジャフコの支援で役立ったものは
多面的に支援してもらった。営業・採用支援もそうだが、会社が大きくなる過程でどういう目線に立って経営すれば良いかというアドバイスも多数受けた。彼らのこれまでの投資経験を十分に活かした支援が非常にありがたかった。

―リコーやマイナビとはどのような協業を
リコーは、自身がデジタルマーケティングツールを販売する。そこに我々のサービスの機能の一部が盛り込まれ、直接的なプロダクト連携といった業務提携が実現した。マイナビはどちらかといえば社内での利用だが、いろいろな形でグループ各社と事業提携を交渉している。

―株主の松尾豊氏は東京大学の松尾豊教授か
そうだ。AIアナリストを開発する時に松尾先生にお世話になり、初期のコアのエンジンを開発した。あるタイミングで株式を一部持ってもらった。

―株主還元は
キャピタルゲインとインカムゲイン両方あると思うが、株主が我々にどんなことを期待しているのか、対話しながら機動的にいろいろなものができればと考える。企業としてしっかり成長して、もう少し大きなものにすること(が求められている)と我々なりに理解している。現段階ではかなり積極的に次の投資に取り組む。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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