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上場インタビュー:QDレーザ<6613>の菅原社長、量子ドットレーザが収益の柱に

5日、QDレーザが東証マザーズに上場した。公開価格(340円)の2.3倍ほどの797円を付け、上場2営業目の8日には前場で920円を付けストップ高となった。同社は、半導体レーザの技術を核に、レーザデバイス(LD)事業では通信や計測、加工などの用途向けの製品を手掛ける。また、網膜に映像を直接投影するレーザアイウェア(LEW)事業では、目の見えづらい人の視覚を補助する「RETISSA メディカル」と民生用の「RETISSA Display Ⅱ」を販売する。菅原充社長が8日、キャピタルアイ・ニュースの電話インタビューに答えた。

菅原社長は、新しい領域への半導体レーザの適用可能性についても話した

菅原社長は、新しい領域への半導体レーザの適用可能性についても話した

―初値が公開価格を上回り、今日はストップ高になった
市場から非常に高い評価を得た結果だと思う。期待に沿えるように気を引き締めて頑張りたい。

―RETISSA メディカルの適用疾病について、角膜や網膜などに問題がある場合に有効なのか
角膜や水晶体に異常のある人の場合、臨床試験で効果が立証され、適用できる患者が多い。

―RETISSA Display Ⅱの価格が25万円ほどで、メディカルが80~90万円だが、量産することで、いつ頃までにどのぐらいの値段で販売できるようにしたいか
特に量産効果を期待するのは民生品のRETISSA Display Ⅱだ。数年後には10万円以下の価格で届けたい。

―先日、店頭でDisplay Ⅱを試用したが、眼鏡を普段使わない人にとっては若干慣れが必要に思える部分がある。他の固定方法は検討するのか
(眼鏡やサングラスを販売する)Zoffと、より簡単に装着しスムーズに固定できるフレームを共同開発しており、今後紹介できる。必ずしも眼鏡にはこだわらない。

―保有技術を応用する検眼器のリリース時期は
視野の検査が簡単にできるものや、眼底を撮影できるもの、目の屈折力を測ることができるものの3種類を想定し、パートナーとともに試作品を開発している。数年ぐらいで市場に出せるのではないか。

―ARやVR向けの映像視聴用機器のロードマップのようなものはあるのか
社内的な開発ロードマップはある。

―そう遠くない時期にスマートグラスのようなものが登場するのか
時期は公表できないが、それを狙っている。

―網膜走査型レーザアイウェアで見る行為が、スマホの画面を見ることに取って代わることはあり得るのか
先の話だがあり得ると思う。

―視線で情報を入力するインターフェイスなども登場する可能性があるのか
目を動かすと情報を取得できたりするようになるのではないか。スマホから置き換わる可能性があると考えている。

―これまで、例えば日本能楽協会とタイアップしてアイウェアを活用するなどいろいろな方法でアピールしてきたが、今後の広報戦略は
眼鏡店と一緒に、新たな眼鏡の視聴体験を広めることが1つある。今は参天製薬と連携して全国各地に紹介を始めた。新プロジェクトの「With My Eyes」も1回にとどまらず、いくつかのイベントを起こしたい。角膜疾患の人にも見え方を与えることが可能なデバイスであることを世の中に知ってもらいたい。

―既に投資回収の局面に入ったLD事業での直近の注力分野は
収益のベースになるものの1つはセンサー用レーザで、もう1つは加工用レーザだ。法人向けのレーザ部品で、40社弱の顧客に商品を認定されており、増やすことが基本的な方針になる。

今後、量子ドットレーザを搭載したシリコンフォトニクスの市場がいよいよできあがってくると考える。そうなるとシリコンフォトニクス向けの量子ドットレーザが収益の大きな柱になる。

―量子ドットレーザが収益の柱になるのは何年ぐらい先か
量子ドットレーザを搭載したシリコンフォトニクスはデータセンターのサーバーや5Gの基地局で必要になる。データがどんどん増えることでコンピューティングパワーを上げる必要がある。1つの通信システムの世代は10年間続く。日本では昨年5Gが認可されたが、いろいろな機器の設置や高度化・高速化が10年かけて進むことになる。その半分の節目の2025年ぐらいには大きく立ち上がると期待する。

―LD事業の対象領域に自動運転やドローンがあるが、中長期的な視点からどのようなことを実現したいか。また、どのようなことを予想するか。
いずれもLiDAR(レーザで対象物との距離を計測する技術)というレーザレーダを使う。これから市場として非常に大きく伸びる。そのレーザレーダで対象までの距離を測るのではなく、ドップラー効果で対象の速度を測るような方式に大きなチャンスがあるのではないか。次世代のレーザレーダのチップを開発したい。

―光の波長を操る技術があることから、例えば植物工場で植物の育成に使う光の領域に関心はあるか
光を使えるものであればあらゆることに関心がある。

―知財戦略について
半導体材料を作る部分が我々のコア技術でもある。半導体の結晶を作る部分を特許化するのではなく、内部的にノウハウを蓄積することを意識する。

それ以外の、網膜に映像を投影する技術や、いろいろな光の波長を出す回折格子の仕組みはオープンにして知的財産権として保護する。物を分解すれば分かるものは、知財をどんどん取って自分たちの領域を守りたい。

―業績目標について
先行投資型でこれまで大きな赤字を続けてきたが、LDと網膜投影アイウェアのいずれについても開発が一通り終了した。固定費が下がり、それほど大きな開発投資が必要なくなり、赤字幅を縮小させる方向に進む。

―海外戦略は
部品事業は日本だけではなく、北米や中国、欧州と非常に広い領域に顧客が存在する。それぞれに代理店が2社ほどあるため、今後も世界展開を継続・拡大する。LEWについては、国内だけでなく、中国や韓国でも販売を開始し、アジアから世界展開が始まっている。

―LD事業ではインドやロシアなど潜在力のある市場への展開も検討するようだが
これまでは北米と欧州がメインで、中国にも手掛けるメーカーがあったが、インドやロシアの新興レーザメーカーと対話を始め、現地での展示会を進めようとしている。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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