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上場会見:アララ<4015>の岩井社長、店舗と顧客をつなげるツール

19日、アララが東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格(1400円)の2.3倍となる3220円の買い気配で引けた。同社は「BtoBtoC」のSaaS型販売促進ソリューションを提供する。チェーン展開するカフェや地方のスーパーマーケットなど多数の顧客を抱えるクライアント向けに自社専用の「ハウス型」電子マネーを提供する「キャッシュレスサービス」などが主力で、AR (Augmented Reality=拡張現実)といった先端分野の開発と実装も進める。岩井陽介社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

岩井社長はハウス型電子マネーの導入で、顧客のチャージや支払いに関するデータをタイムリーに把握でき、販売施策に活用できるメリットを説明した

岩井社長は、ハウス型電子マネーの導入で顧客のチャージや支払いに関するデータをタイムリーに把握でき、販売施策に活用できるメリットを説明した

―初値が付かなかった
当社に対する期待を非常に深く受け止め、事業を進めていきたい。株価に一喜一憂せず将来にわたって企業価値を上げていく努力をしたい。

―(岩井社長にとって)2回目の上場だが、今回は上場までの期間は想定よりも長かったのか
前回(サイバード)は2年3ヵ月で上場したため、これに比べるとかなり長かった。相当に苦労したが、売り上げ自体は順調に伸ばすことができ、ようやく利益が伴ってきて上場できるチャンスが来た。

―ハウス型電子マネーを手掛ける競合との差別化要素は
販売促進機能やマーケティングへの活用のために様々な機能を用意して便利に利用してもらっている。また、いろいろなサービスとの連携ができるAPI機能に力を入れており、高く評価されている。

―成長戦略で、売上高1000億円以上の大規模チェーンをターゲットにするとあるが、そのようなチェーンは既に他の電子マネーを導入していると思う。規模感やエリア、どのような店舗を想定しているのか。
売上高1000億円以上、できれば1兆円以上の大型流通チェーンを目指していきたいが、そういった商談に少しずつ入っている。既に(他の決済手段を)導入している企業も存在するが、スーパーマーケットは地方で大規模に出店しているところもたくさんあり、まだまだ開拓余地がある。

―地方が中心なのか
それだけではなくスーパー以外の様々な業種にも進出したい。そうした業種では東京を中心にしている会社もたくさんあり、開拓していきたい。

―売上高10億円未満の個店・小規模店舗にも広げていきたいようだが、「〇〇Pay」など他の決済システムとの棲み分けについては
あまり意識していない。例えば、喫茶店が常連客に10回分で11回飲めるコーヒーチケットを販売するようなものを電子マネーに置き換えることを想定している。コロナ禍で困っているため、そうしたチケットを先に販売して「来られるようになったらたくさん来てください」という風に、多少のプレミアムを付けた電子チケットを発行する用途もあるのではないか。様々な店が自分の顧客とつながるためのツールとして使ってもらえれば良い。いわゆる決済手段とは違う立ち位置になる。

―QRコードのサービスなど決済手数料以外の収入源以外について知りたい
QRコードでは「クルクル」というサービスを提供しており、QRコードリーダーとして高く評価されている。それ以外にも企業やエンドユーザーが独自にチャネルを持てる機能や、Wi-Fiに接続する機能などを追加している。さらに、QRコードを中心にした決済機能の窓口を追加することで、独自のアプリを使わなくても簡単に電子マネーを活用できる仕組みを考えている。その点に関してはこれまでと違った料金体系を提示したい。

―開発中のチャージバックシステムで販促費を支払うメーカーが受けるのは顧客の購買データか
チャージバックシステムは、メーカーが特定の商品を買った顧客に電子マネーでキャッシュバックする仕組みだ。我々は、メーカーがキャッシュバックを伴うプロモーションを行いたい場合に管理ツールを提供し、どのエリアやターゲット、店舗でどのような顧客にキャッシュバックのキャンペーンを行いたいか設定してもらう。

トータルでどのぐらいのキャッシュバックを行いたいかということを含めて検討してもらい、特定の店舗で特定の顧客への販促を支援して、当社はサービス全体の費用を受け取る。その際の購買データをメーカー側が受け取るという総合的なソリューションを検討している。

―その他事業としているARの今後の広がりと業績への寄与はどうか
個別の業績は開示してはいないが、ARは、GAFAと呼ばれる米国の大手IT企業が非常に力を入れている分野で、アップルは最新のiPhoneにさらに高性能なAR機能を搭載している。

今後、生活の中に当たり前のように存在する技術と捉えており、これからもサービスとして広げていきたい。フェイスブックも注力しており、特にインスタグラムではコマースとの連動に力を入れると見られるが、ARとの連携にもますます可能性がある。

―中長期的な業績の成長イメージは
リカーリング率を高めてトップラインが上がっていくほど効率が上がるため、今以上に営業利益率や経常利益率を高める展開を考えている。

―創業時は今のようにベンチャーキャピタル(VC)が参加していなかったのでは
初期に入ってもらったVCもあったが、時間がかなりかかっていたため、途中で株主構成の変化が若干あった。

―配当政策について
現状で配当の予定はないが、今後、さらに収益を上げて対応できるような会社になれば検討していきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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