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上場会見:カラダノート<4014>の佐藤社長、家族の健康を”面”で支える

27日、カラダノートが東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格(450円)の2.3倍となる1035円の買い気配で引けた。同社は「ファミリーデータプラットフォーム事業」を手掛ける。子育てや健康管理に関する21種類のアプリを無料で提供し、利用者の同意を得て収集した情報でデータベースを構築。企業のマーケティング支援などに活用する。佐藤竜也社長が東京証券取引所で午前に上場会見を行った。

佐藤社長は、既存の送客による収益向上のみならず、新規事業開発も検討していきたいと話した。

佐藤社長は、既存の送客による収益向上のみならず、新規事業開発も検討していきたいと話した。

―初値が付かず買い気配が続いている
業績としてもサービスとしても社会課題を解決し、高い期待にしっかり応えていきたい。

―上場の目的は
より多くの人にサポートしてもらったうえで社会課題を解決したいという思いが大前提にあった。株主という形での支援を受けつつ、上場で社会の信頼度を上げて社会に対して価値を提供したい。

―コロナ禍による上場計画の変更や、東証の市場区分変更の影響は
期末が偶然7月だっただけで、市場区分変更の影響はなかった。新型コロナウイルスに関しては、2020年7月期の第4四半期には特に大きな影響を受けたが、単月で営業赤字になることはなかった。5月を底にリカバリーし、コロナ禍から脱却できているとして東証に承認してもらえた。5月頃にはスケジュール変更も頭に入れたが、業績の回復に集中することで、変更なく上場を迎えられた。

■子育てと健康への意識が高まる
―コロナ禍の事業への影響と今後の見通しは
緊急事態宣言があった4~6月には2つのマイナスと1つのプラスの部分があった。送客先の生協やオイシックスといった食材宅配の領域が既存顧客の需要増大でパンクした。このため、広告経由に限らず、新規顧客の受け入れを一旦止めたいということがあった。

また、店舗展開している幼児教育や保険を扱う企業とのアライアンスがあり、商業施設が閉鎖され、一部で幼児教育を展開できなかった。

食材宅配の需要状態については、受け入れ体制が整えば中長期的にはポジティブだろう。店舗型事業は商業施設が再開し、申込数がコロナ前の水準に回復しているのでプラスもマイナスもない。

プラスの部分として、緊急事態宣言の最中に夫の子育て参加が進み、中高年層では病院に行けないので自宅で健康を管理する意識が高まった。このことから(子育てと健康管理両方で)利用者数が過去最高を更新したアプリが多数あった。子育てへの参加や健康に関する意識がポジティブに変化したと考えており、利用者数を伸ばしていきたい

■家族の軸で圧倒的に
―競合の存在とそれらに対する優位性は
上場企業で競合に当たる会社は特段ない。中小ベンチャー企業を含めると、当社と類似のアプリを提供し、多くのユーザーが利用している会社がある。これに対し、当社が先に提供してきたことで一定のポジションを獲得する「サービス企画力」に優位性がある。

また、妊娠育児(向け)といった1種類のアプリだけでなく、家族全体を見た事業展開をしている。妊娠期や1歳未満、3~4歳、未就学児童、中高年といったように家族全体へサービスを提供して認知を高め、ビジネスを拡大する。

サービスへの投資余力の確保を含めて、家族の軸で圧倒的に勝っていくために、事業やサービスを点ではなく面で獲得することを強化している。

―競合のサービスにはどういうものがあるか
妊娠期であれば「トツキトオカ」というアプリには利用者が多い。そのアプリに関しては競合と意識している。

―市場規模について、シニア層を含むと相続などもビジネスの対象になるのか
足元では、未就学児向けの市場をターゲットにしている。マクロで見ると少子化がありつつ政策の追い風がある。今後は、シニア単独の市場があるが、相続や孫の教育資金が税制上優遇される場面もある。そのような市場に参入することで、3世代のコミュニケーションや家族の健康を支えたい。子供が生まれた30歳前後の人が親の健康を気遣い、その過程で相続やギフトの話が出てくることが望ましい。そのなかでビジネスを展開したい。

■消費の可能性を伝える
―情報銀行としてのビジネスの可能性は
妊娠出産のタイミングでは、氏名や住所のようないわゆる個人情報だけでなく、妊娠や出産でいつ生まれたというような情報を保有している。授乳の回数など乳幼児に関しても情報を持っている。中高年向けアプリでは、服薬履歴や血圧の情報などもアプリ内に保持している。

これまでは、我々のような未上場でどのような会社か分からないベンチャーが情報を集めていることに不安を感じる人が多くいた。データをサーバーに集めて、どう利活用していくか一歩踏み込めなかった。

今後は、上場しただけでなく、企業規模を拡大させることも含めて信頼度を上げ、保有する情報によるユーザーへの価値提供を増やす。例えば、血圧の情報を基に、ユーザーに対してどういう価値提供ができるのかと検討することは十分にあり得る。

―情報銀行の側面があるならば、保有データを匿名化するなど加工し、ビッグデータとして活用する方向性はあるのか
アプリ上のデータをサーバーに集めることで、センシティブなものも含めてビッグデータを保有できる環境にはある。その一方で、ビッグデータの利活用の目的と、ユーザーにどのような価値を提供するかがより重要だろう。どうすればユーザーにメリットのある使い方が可能か明確になっておらず、踏み込んでいない状況だ。

―環境が整えば踏み込む可能性があるのか
中国では個人の決裁情報や活動履歴を基に、条件が優遇されるということが多々ある。住宅ローンでは、その人がどの会社に勤めているかで与信が決まり、金利が定まることはあり得る。

子供が生まれるという情報も、その人の消費活動の面で「今後この人はお金を使う」という情報と思っており、我々はそのような情報を多く保有している。中高年向けアプリにしても「この人は健康に気遣っている人で、血圧が高い」というような情報を持っている。

消費の可能性が高い人に対しては、企業にとっては、例えば金利を低くするようなおまけをつけてでも動いてほしいという意識が働いてくる。企業に有望な消費者であると伝えることは今後の展開としてはあり得る。

―トランザクションレンディング的なものか
そういうことになる。

■お金より頭を
―株主にベンチャーキャピタル(VC)を入れなかった理由は
今ほどVCが出資する市場が整っていない9年前に、穐田誉輝さん(くふうカンパニー会長)に株主として4000万円を出資してもらった。田中祐介社外取締役に関しては、前職の上司でもあり、創業時に応援として出資してもらった。基本的には3人で運営してきた。これはスタンスの話だが、穐田さんから「お金より頭を使って経営をしろ」と、資金を何億円も預かるよりも事業を伸ばせというアドバイスがあり、調達よりも頭を使って進めてきた9年間だった。

―事業会社と協業しているのか
血圧のアプリでは、オムロンと連携するなど数多く挑戦してきた。資本に踏み込むのではなく事業提携にとどまってきた。

―調達資金の使途は
増員がベースになるので、人材採用や広告宣伝費に投資したい。

―1部またはプライム市場へのくら替えについては
2年で25億円の営業利益を出せるように成長していきたい。社会に役立つことで形式要件を満たし、できる限り早く達成することがビジョン達成への最短ルートと考えている。

カラダノート<4014>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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